怒りのレビュー・感想・評価
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怒りの矛先と表現力で問われる人間性
李監督の作品は「悪人」ぶりだった。絶対重いと分かっていたので見るまでにだいぶ時間がかかった。
原作は読んでいないので先入観なしで。正直見てて本当に辛くて、途中心が折れそうになったけどなんとか完走。
まず役者陣は本当に申し分なし!個人的には沖縄編の俳優陣の演技は特に素晴らしかった。
ストーリーに関しても本当に秀逸で、千葉、東京、沖縄それぞれが平行して進み、ちゃんと最後の犯人にたどり着くまで飽きることなく見ることができたが、むしろ情報過多で正直途中しんどかった…。(←褒めてる)
この作品全体を通して思ったことは『怒りの表現の仕方が、その人の人間力を表す最大の素養である』という事。
森山未來演じる田中は自分の怒りをモノや人にぶつけて発散していく一方で、広瀬すず演じるイズミちゃんは、悲しみや怒りの負の感情を自分の中で昇華しようとする。
他の登場人物たちもそれぞれに怒りや悲しみの感情を抱えながらその感情を爆発させたり諦めたりする姿を見ていると、知らぬ間に自分の中にもなんとも言いようのないさまざまな怒りや悲しみといった感情がどんどん沸いて渦巻いていた。
人間が持つ感情の中で一番大きなパワーを生み出すのは「怒り」の感情だといわれている。
この作品を観ながら『この力を君はどう使うのか?』と問われている気がした。私はどうにかこの大きなエネルギーに振り回されることなく、人に害を加えず、自分が幸せになるために最大限に活用する方法を考えながら生きていきたいと思う。
見事!
原作を読めば評価は高いかなと。
本当に大切な人を心から信用できるか
3つのストーリーが同時に進むが、メッセージは同じであった。
自分の大切な人が、犯人ではないかと疑心暗鬼になり、自分の親兄弟も疑心暗鬼になってしまう。
信じられない、ことの痛みの大きさが恐いほど表現されていた。
最後まで犯人が分からなくて、目が離せなかった。
また、犯人の動機は実は、一時の感情の振れがとても大きいからではないか。
好意的な解釈かもしれないが、結局はたつや君を守るために、行動したのではないか。
最後の場面で、手を出すのは簡単だったのに手を出さなかったことや、警察の助けを求めたことからも実は感情の振れが大きいことの裏返しだと思った。
人を信用できるか、深いテーマだと感じた。
いろいろな怒り
怒り。いろいろな感情が絡み合う理不尽な環境だったり理不尽なことを言われたり。ちょっとした些細な事で人を殺めてしまう。この場合ターゲットが派遣の人だったら分かるけど。その時優しくしてくれた人だった。その時に側にいた人通り魔的な犯行です。
犯人は誰だろう。と頭の中で推理しながら綾野剛か松山ケンイチかと。でも違った
妻夫木とあおいちゃんは相手を疑い信用出来なかった事への悲しみと後悔の想い。あおいちゃんの泣きじゃくる演技が印象的。妻夫木も悲しむ顔がなんとも。渡辺謙はじめ他の俳優さんも素晴らしくよかった。ちょっとしか出ていなかった髙畑の演技も。
怒りの正体
レンタルDVDで鑑賞。
原作は未読。
千葉・東京・沖縄に現れた、経歴不詳の男。それぞれの場所で人間群像が展開される中、男と関わる人々の胸にとある疑惑が湧き上がる。この男は、逃亡中の殺人犯ではないか?
一度生じた疑惑は簡単に拭い去れるものではない。そうじゃないと思いたい。あなたのことを信じたい。だが、否応無しに膨らんでいく疑心によって、事態は破局へと向かう。
沖縄パートが印象的でした。本作がスクリーン・デビューとなった佐久本宝の演技が圧巻。演技派代表格の森山未來や若手の中でも繊細な演技を披露する広瀬すずに囲まれながら、負けず劣らずの存在感だと思いました。
3つのパートを交互に配しながら展開される濃密なドラマの中で、登場人物が心の中に抱えているものが次々と顕になっていきました。普段は決して表には出さないけれど、常に胸の内では黒く濁って燻って、どろりと滞留しているもの。
それは例えば、己の無力さだったり、周囲の人々への不信感や恨みだったり、世間への不満だったり、信じていたものから裏切られることだったり。様々な形をしている黒い感情たちは、やがて不甲斐なさや情けなさと結びついて、どうすることも出来ない怒りの奔流となっていくのではないか?
そしてそれは同時に、悲しみでもあるのかもしれない、と思いました。登場人物たちが抱える心情は、何かしら私自身にも当て嵌まるものがあって、自然と感情移入していました。
※修正(2024/05/10)
「怒り」を覚える映画
3人の殺人犯を匂わせる若者が、どのように絡み真犯人への種明かしへ導かれていくのかと思えば、何の絡みもない。豪華極まるキャスティングに貧弱なストーリー。何を訴えたいのかも全く伝わってこない。この映画を見た人間が怒りを抱くということでは成功している。
タイトルなし(ネタバレ)
これを見て一体何を思えばいいのかわからない。
キャストはすごい豪華だなぁと思う。
それぞれの出番が少ないから余計に。
ゲイのセックスシーンや米兵のレイプシーンが生々しくて生理的に受け付けないので個人的には低評価。
何も解決しない社会派?
前知識、全く無く見たらメンタルやられました。
吐き気さえする。
原作があるとか知りませんが、何も解決しないで"怒り"、終わり。
問題提起しました、どう??と言われてる感じ。
サザエさんやドラえもんでも見ないと現実に戻れない。。。
共感性の高い人にはお勧めしない
社会派を気取ったエログロナンセンス
映画館では2016年9月25日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来に2度目の鑑賞
原作未読
一軒家の夫婦殺人事件の纏わる群像劇
原作吉田修一監督李相日に豪華な俳優陣
にもかかわらず自分としては作品の評価はそれほど高くない
駄作とは言わないが好みじゃ無い
絵的にキツすぎる
悪趣味の詰め合わせ
良く言えば過激
悪く言えば下劣
作品としては『悪人』の方が断然良い
妻夫木くんが攻める側のゲイのカラミのシーンとアメリカ兵にレイプされる広瀬すずがエグすぎる
ゲイならおてて繋いでランランとイチャイチャする程度でいいしレイプなら女が男を襲うほうが鑑賞に耐えられる
豪華な顔ぶれのなかで1番に光ったのは宮﨑あおい
彼女の演技力は実力者のなかでもずば抜けている
これを観たから在日米軍基地問題や派遣社員問題に怒りをあらわにするかというとそれはなかった
結局原作者も監督もなにをしたかったのか
なにを伝えたかったのかよくわからない
映画館を出たあとにすぐに浮かんだ感想は古い言い回しだが「エログロナンセンス」だったことは今でも鮮明に覚えている
単純に楽しめば良かったと後悔
怒りは全く前知識なしで観てしまいました。3人の怪しい人物。この3人のうちの誰が犯人なんだろう?って普通に観れば良かったんですが、
何を血迷ったか、僕は大どんでん返しがあると思っていて、住んでる場所も違うこの3人には共通点があり、どこかで繋がると思っていて、それを期待していたら、全く繋がりはないまま終わってしまいました。なので1回目の視聴後は、なんだこれ、つまんねーって感想でした。
ただ、タイトルの怒りのように、それぞれが苦しみ胸の中に怒りを抱えているって考えると、深いタイトルだなと感じました。
人を信じられなかった怒り。
人を守れなかった怒り。
人を傷つけてしまった怒り。
人が辛い時に力になれなかった怒り。
そんな誰もが抱く怒りの感情。
特に妻夫木聡と広瀬すずのラスト泣き演技には、心をグッと掴まれました。そういう怒りを乗り越えて前に向いて歩いていかないといけないんですよね、って凄く思えます。
今では何度も観る大好きな映画のひとつです。
タイトルなし(ネタバレ)
コンプレックスだとか、境遇とかで、自分は幸せになれない。と思い込んでる?
裕福な人に施しを受ける。楽しむ若者。恋愛だとかをみて
自分の境遇と比較した時に、
卑屈になって、それが怒りに変わる。
そこから殺人だとか、せせら笑う立場をとってしまう。
だけどそれは怒りによる突発的なものだから
後悔だとか、同情に変わってる。
それでもコンプレックスがそこに介入してきて
気持ちは混沌とした怒りに
そんな彼の一方
同性愛だとか風俗嬢に対して
どうせ幸せになれない。と言った先入観を捨て
紳士に向き合っている人がいる。
いや、自分に似た人間を見つけている?一緒に幸せになれそうな
多分そういう人にであうためには、素直にならないと。
そうすれば違う展開になっていたのかも。
一度は信じてあげられなくなってもいつかはまた信じてくれる。
まっすぐ接してもらえるようになる
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