怒りのレビュー・感想・評価
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人を信じることの難しさ、人を信じないことで何かを失う
考えさせられる映画、、
役者それぞれの感情がリアルすぎて口があくくらい見入った。
人を信じる、これがどれだけ難しくて、どれだけ大切なものかを感じました。
観終わってぐったり
劇場を後にしてしばらくこの作品のことしか考えられなくなっていました。
この上ないくらい『怒り』にのめり込んでいました。
タイトルがタイトルなので、登場人物たちが何に怒っているのか、みたいな視点で観ようとしましたが、そんな客観性も持てなくなるくらい心が締めつけられ苦しくなりました。
そして映画が終わる頃には同じ怒りを感じ、悲しみを感じていました。
ネタバレは避けて書きますが、明かされる犯人の実像は救いようのないクソです。
その事実がまたどうしようもなく重くのしかかる。
その人を信じていたのに、残酷な形で裏切られてしまったのにまだ信じようとする側の姿もとてもつらいです。
この作品を通して社会にはどうしようもない奴もいるとか、親切が何の価値にもならないとか、そういうのがメッセージとして発信されてるとは思わないし、受取ろうとも思いません。
ただ、信じることの怖さや疑うことの罪深さ、疑ってしまうことへの憤り、そして何より信じたい人を疑ったとしても信じていたいということははっきり感じました。
別の場所で起きている3つのストーリーが様々なリンクポイントを通して行ったり来たりする編集の巧みさも手伝って、違う人々の話なのにとても重なって見えました。
そういったことものめり込める要素の1つではないかと思います。
本来であれば5つ星でも何の不満もない作品なのですが、0.5だけ欠けたのは途中、スクリーンから目を逸らせてしまった僕の心の弱さです。
素晴らしかった。
言葉にできない「怒り」
社会的弱者の諦めることしかできない憤り=「怒り」を、容疑者3人をめぐる人間関係で描いている作品。
冒頭で起きた事件は社会的弱者の抱える「怒り」が表出したにすぎない。
山神がただサイコパスだから起きた事件では、ない。
そこには言葉にできない「怒り」があった。
風俗店で働いていた女
米兵にレイプされた女
「男はどれだけ女とやろうが、ヒモになろうがなんだっていい、けど女は…」
渡辺謙演じる父の言葉が、女性も社会的弱者であることを思いしらせている。
だから、広瀬すず演じる泉は「誰にも言わないで」と言うしかない。諦めることしかできない。
マスコミと警察に対するアンチテーゼ
テレビ番組を用い行われる大風呂敷を広げた公開捜査
その影響で登場人物たちは信じたい人を信じられなくなっていく。
信じたいと思えば思うほど、「もしかしたら殺人犯かもしれない」という疑いが募っていく。人を信じることの難しさ。
しかし実際の犯人はそんなテレビ番組とは関係のないところで発見され、マスコミに対する皮肉に思えた。
キャストの力強い演技が素晴らしく
映像美、映像演出も優れていて
映画を見終わったあと心に残り、今の日本について考えさせられる
とてもよい映画でした。
いずみちゃんとたつやくん:ミステリに不向きな私
1年前の事件と、新宿、千葉、沖縄に現れた素性不明の男と、彼らを取り巻く人々の群像ミステリー。
特に沖縄のパートに感情が揺さぶられたので、そこに特化した感想を。
千葉も新宿もよかったが。
渡辺謙も妻夫木聡も宮﨑あおいも良かった。もちろん素性のわからない3人、綾野剛、松山ケンイチ、特に森山未來が、すごかった。
そして何より、広瀬すずと佐久本宝が良かった。
いずみちゃんとたつやくんに、あかんよ、田中みたいな、屈託なく距離を縮めてきて、ずっと前から知ってたよみたいな空気を醸す大人は信用したらあかん、躊躇なく「いつでも味方になる」なんていう大人はあかん。理由はわからないけど、暗くて過去を語らず人を避ける人より、不自然に親しげなのがいちばん怖いっていう感覚が私にあって、私なら絶対近づかないよ、と思っていた。
でもそれは、34歳の私だから思うことで、16・7で、親や世界に思うところがあって、でも自分を上手く説明する言葉のない頃ならば、興味を惹かれたかもしれないと思った。そして田中みたいな人は、取り入りやすい人を見抜くのがうまいから、純粋で幼い2人を選んだんだと思う。
田中の怖い感じが、客の荷物ぶん投げからの民宿の厨房ぶっ壊しで露見し、言わんこっちゃないと思ったのに、まだ信じたいとすがってしまうたつやくんが悲しかった。
いずみちゃんがレイプされる原因を作ってしまったこと、現場で何もできずに震えるしかなかったこと、その罪の意識を、一緒に背負うよみたいに言ってくれた田中。嬉しかったんだろうな。だからあんなに民宿でむちゃくちゃ暴れた後でも、信じたい気持ちが残ってしまったんだろうな。そう思って胸が張り裂けそうになった。
田中がいずみちゃんの事件を見ていて助けなかったこと、あろう事かあざ笑っていたことが、許せなくて震えるたつやくんに、そこではさみ握って田中をさしたらあかんよ、田中の側に行ってしまうよ、きみはどんなに辛くてもそっちに行ってはダメだよと、語りかけたけれど、届くわけもなく。
結局たつやくんは田中を刺してしまった。
山神=田中だったことが、その後わかるんだけど、もうそんなんはどっちでもよくて。いずみちゃんとたつやくんが悲しくて、なんでこんな結末に!と憤慨した。
そしていずみちゃん。前途しかない若く美しい時代を、許せない暴力で粉々に打ち砕かれてしまったいずみちゃん。ひとつの救いもなく、たつやくんをも失い、怒りを絶叫にのせるしかない、いずみちゃん。
どうにか助けられなかったのか、どうしたらこんなことにならずに…見終わってからもずっと心に居座り、もやもやし続けるしかなかった。
モヤモヤに中で、私が出来ることを考えていて、それが言葉になってどうにか落ち着く事ができた。
もし、私が性暴力を目撃したら、相手が何人でも、つよそうで殺されそうでも、向かっていって犯人を写真に撮って、荷物なんかで殴って、血とか皮膚とか髪を証拠に押さえて、大声で叫ぶんだ。そして警察に電話するんだ。殴られても負けない。血が出ても怯まない。混乱する被害者を抱きしめて、あなたは悪くないよ、あなたの尊厳を回復するために、辛いけど警察に言おう、って説得しよう。そしてその戦いを絶対助け続けよう。被害者に自分もなるかもしれないから。私は彼女でもあるから。手よ、震えずにシャッターを切れ。声よ、震えずに飛べ。
そう頭で唱えて、なんとか落ち着き、眠る事ができた。
このように、私はいずみちゃんとたつやくんに、異常に肩入れをして、「怒り」を見終えた。
が、どう評価するものか、非常に迷った。
もちろん大作で力作で、見る価値のある作品である。
しかし、ミステリーという娯楽的様式に、疑問を感じてしまった。謎解きの面白さなんてなくても語れるじゃないかと。人を信じることの難しさ・脆さと、それを希求してやまない人間の悲しみを描いたのはわかった。ちゃんと味わえた。ただそれを最大公約数的味付けでなく、味わいたかった。
ミステリーにつくづく向いていない観客だ。
蛇足:ピエール瀧が弁当食ってる三浦貴大の前で、靴下を脱ぎ、それに憤慨して食事をやめるシーンが面白かった。
一瞬たりとも目を離せない
胸ぐらを掴まれて視線と聴覚を画面に縛り付けられてるような映画。とにかく一瞬たりとも目が離せず、気が抜けない映画。
俳優陣は誰がというわけではなく、全員が鬼気迫る演技で、画面から目を離すことを許さない。最後にちらっと出てきただけの高畑充希でさえ、視線の泳ぎ方、微妙な唇の震えでセリフ以外で感情を表現する。目が離せない。
全員「上手い」俳優なのはもちろん知っていたが、確かに1人でも力量が劣るキャストがいると、それがどんな端役でもそいつが出てきた瞬間に全てが崩壊するだろうな、と思うほど張り詰めた映画だった。
そういう意味で驚いたのはやはり広瀬すず。
彼女の力量は疑ってなかったが、この張り詰めた映画の中でこの役をやれてしまうというのは、常に予想の上を行く人。どこまで化けるんだろうね、この人は。
達哉役の佐々木宝にも驚いたけど。田中と泉を繋ぐだけの役回りかと思いきや、メインキャストと言って良いくらいの重要な役だったとは。それをこんな新人がやってしまうとは。
話は軽々しく感想も言えないほど、深くて重い。
こんな重いものを正面から投げつけてきて、結論めいたものを提示するわけでもなく、後は1人1人が考えな、と突き放すやり方は、まさしく吉田節炸裂(笑)
この映画、仮にまったく何の予備知識なしに観ても、「これ、吉田修一が原作でしょ」って分かったと思う。
裏切られた痛み、裏切った痛み、何をどうしても痛いけど、それでも人生は続く。
ネタバレ難しい!
この作品観て思うことは、人を疑え!ってことなのか?
失礼な話しですが、色々な愛が芽生えてその人を信じてみるが信じることができず犯人扱いにされるのもこの作品でわかりますが、良い人 優しいからとあっさり信じるのも罪深いと思いました。
何かの弾みで無差別に不幸にさせる事件なんて頻繁に起きてるから自分の身は自分で守ろうと思いました。
「人を信じること」を巡るしんどい群像劇
しんどかった…こんなにもヘビーな作品だとは…今年は邦画「攻め」の年だと勝手に思っとるんやけどついに東宝がオールスターキャストで攻めてきた。正直ミステリーとしてはフェアじゃない気もするけど「人を信じること」を巡る群像劇として受け止めた。"Leap of faith"だな
特に沖縄パートがしんどくてなあ…米兵による暴行事件が今年もあったことは記憶に新しいけどまあそういうシーンがあって…図らずもタイムリーな作品になった印象。広瀬すずは本当に頑張ったと思う。森山未來とタツヤ君役の佐久本宝が対峙(というべきか?)する際の緊張感も素晴らしくしんどかった
東京パートは切ない東京ラブストーリーだった。妻夫木聡と綾野剛が2人ともチンコが見えないように寝るシーンには欺瞞を感じた(冗談です)
千葉パートは渡辺謙が普通のおじさんを演じきっていたからやっぱりケンワタナベは凄えよ!と思った。それはさておきこのパートに絶望の中の微かな希望が託されているのは間違いない。宮﨑あおいがこちらに向ける眼差しがそれを語っていた
技術的な面でいうと照明がとにかく素晴らしくて堂々たる作風を演出していた。あと犯人の顔を隠しまくっていた
TVスポットを見て思ったけど広瀬すずが吠えるのはやっぱりいただけん。やり切れない思いを表現するのに一番「らしい」のかもしれんけどそれじゃ今までの陳腐な邦画と変わらん。そこに至るまでが素晴らしいだけに惜しい。李相日監督は最後の最後でエモーションに振れ過ぎるのがクセなのかも
少女が海に向かって吠えたら萎えませんか?少なくとも俺はそう
『悪人』も『許されざる者』も幕引きが妙に湿っぽかった気がする(どちらもあんまり覚えてない)
『悪人』のラストって妻夫木のアップだったか。『怒り』もまあそんな感じ。多分やけど李相日は『戦場のメリークリスマス』に相当影響を受けたんじゃない?たけしのアップに教授の名曲が重なるあのラストに…『怒り』なんて完全にその系統でしょ。ホモ映画なのもある意味同じやし
大切なものが多すぎる
皆さんのコメントと評価が高かったので
興味が出て観にいきました。
3つのストーリーで構成されたお話です。そのどこかに犯人がいます。最後までわかりませんでした。
東京編 綾野剛 BL
沖縄編 森山未來 米兵レイプ
千葉編 松山ケンイチ 精神弱
それぞれに現代日本のかかえる闇や現実を突きつけられます。
私は
東京編に凄く引き込まれて、こころに残った映像やセリフが沢山ありました。
なかでも2つが印象的。
①大切なものが多すぎる人は本当に大切なものに気付かない。
これには、純粋にやられました。
本当に大切なものをうしなわないように
自分自身をみなおさないとだめだ。
②一緒に墓に入るか?
という問いかけにその時は流してて、
最後に一緒は難しいけど隣ならいいよね。というやりとり。
こころにを通わせた相手といつまでも寄り添うよという告白。
そういう相手に出逢えたら、
その人の生涯はいつ終わってもいいんだろうな。
全体としては
深くささるメッセージや名優に身をゆだねる時間がつづくので、お得感は満点なんだけど
視点と思考が分散するので後を引く余韻にあまり浸れませんでした。
「怒り」というキーワードがなにか違和感があって、3ストーリーの共通ワードなのかな?
「許し」「後悔」「衝動」
ならしっくりくるけど
好みの問題かな。
素人には無理だ
この作品に対しレビューするなんて素人の俺には出来ません。
ただ言えることはアカデミー賞総なめにするんじゃないかなと思ったことと、個人賞は3つのストーリー全て主演男優なのではないたろうかと思ってしまったこと。
一流のキャスト×一流のスタッフ×一流の作品、、、
兎に角すごい映画に出会ってしまった。
グイグイ引き込まれた
君の名は。聲の形 青空エールと見てきただけに、大人の映画を見た気分になった。俳優陣の芝居がいいから、グイグイ引き込まれた。ここの広瀬すずの芝居を観て、頑張ったやん!って思っただけに、四月は君の嘘を観ちゃうと、がっかりしそうで、迷うなあ。
演技が秀逸
俳優陣が豪華だとまとまりがなくなると思いきや、それぞれの個性が出ていてとても良かった。
特に宮崎あおいちゃん。
この映画のために7キロ増量し臨んだとのこと。素晴らしかった。
つられて何度泣いたか…
怖い映画は観られないわたしだけど、この映画は問題ない。
何度かドキドキする場面はあったけれど、観て良かったと思えた一作。
とにかく観ろ!
オーシャンズ11のような豪華キャストをあえて原作者が希望したらしい、それは大ヒットを狙った訳ではなくてそれぞれの登場人物が主役だからです、しかもこの映画は全員がハマり役なのでキャストミスが1人もいない!
最近はかったるい青春映画ばかり出ている広瀬すずだけキャストの中では最近の流行りで使ったのかな?とおもったらかなりの演技でびっくりしたと言うかよくぞ演じた!と思いました
とりあえず観て損は無いです
文句なし!
こんなにも見応えがある映画は本当に久しぶり。邦画では今まで見た中でトップかもしれない。
豪華な出演者に頼って脚本が疎かな作品はたくさんあるが、この作品は全く違う。
これでもか!と実力派俳優を詰め込んでいるが、これは、人間の心の些細な動きを演じることの出来るキャストがこの作品に不可欠だからで、観ていて心底納得した。俳優陣が本当に素晴らしい!!
宮崎あおいの演技は特に群を抜いていた。体の内側から溢れ出る感情による号泣シーン、あれはなかなかできないと思う。
広瀬すずは、このキャスト陣の中だと演技の稚拙さが浮き彫りになってしまうのでは?と思っていたが、予想を裏切られ、大変好演だった。レイプシーンも、切実で、悲痛な演技をしていて、女性として見ていてとても辛かった。あの年齢であのシーンを演じるのは精神的に本当に辛かったと思うし、想像して演じるのも難しいと思うが、感情が切に伝わる素晴らしい演技だった。曖昧にせず、突っ込んでいると思われるところまで描くのはかなり衝撃的で、見る人によっては注意が必要かと思うが、その後の展開の登場人物の心情を際だたせるためにも必要なシーンだったのかなとも思った。
長い映画だが、一切退屈を感じることなく、最初から最後まで集中して観れた。本当に見応えがあった。
3つのストーリーをバラバラにすることなく、伏線などを放っておくことなく、すべてキレイにまとめていて、圧巻であった。
観て良かった
インパクトがエゲツなかったw
ホモの店なんてある事を知らなかったし
レイプされるシーンもエゲツなかったし
泉ちゃんがとても可哀想に思えた
犯人のやる事もそうだし
この映画は今まで観た映画の中で1番衝撃が大きかった
映画を観終わった後出演者のコメントなどを
読み確かにそうだなと思った
「人を信じるためには心を開かなきゃいけない
しかし疑いなどが出てきた時心を開いたことに怒りを覚える
それは誰にでもあるようなことではないだろうか」
渡辺謙は大体こんな事を言ってた
*あくまで大体です*
疑い、傷つけ、信用できず、そして人を殺める
それは人の「弱さ」ではないだろうか
誰にでもこのような事は起こり得る、そう言いたかったのではないだろうかと勝手に思ってます
文が支離滅裂なのでまともに読まない方がいいです
長文失礼しました
出演者全員の演技が素晴らしい
東京・千葉・沖縄3つの街、日本で日々起こっている人々が心に抱える闇の日常。喜び、怒り、哀しみ、2時間越えの長尺を感じさせないテンポの良さ。何より出演者全員の演技が素晴らしい。
重厚な作品。だけれども、女性は注意。
今回はほとんどレビューを見ずに、鑑賞しました。
内容は、期待通りというかそれ以上で、人間のドロドロした部分や、愛が描かれていました。
けれども、1つだけ注意して欲しいのは、少女が米兵にレイプされるシーン。
いま見ると数人の方も、レビューで注意喚起していますね。
大体の映画ではモロに描かれないけれど、この映画は違いました。
私は性犯罪にあったことがあるので、見ていて涙がこらえきれず嗚咽を漏らしそうになりました。
途中で退席しようかとも思いましたが、身体が動きませんでした。。
少女が泣き叫ぶシーン、米兵の言動etc...
私は、何日もそれを思い出しては体調が悪くなります。
普通の方は、かわいそう といった感情くらいだと思いますが、人によっては、フラッシュバックの引き金にすらなりそうな程、残酷で卑劣なシーンです。
映画の中でも必要なシーンだと思いますが、覚悟してみて欲しいです。
私はレイプシーンがあると知っていたら、見なかったかもしれません。
人間ドラマとして面白かった
吉田修一の小説の映画化です。残虐な夫婦殺害事件の犯人の山神が整形して逃亡している中、洋平の娘の愛子が職場の田代と付き合い出し、ゲイの優馬が出会った直人と暮らしはじめ、女子高生の泉は沖縄の無人島で田中という男と出会い、男が殺人犯でないかと疑い出すというストーリーです。誰が犯人かというだけでなく、三つのストーリーがそれぞれ人間ドラマとして描かれており、面白かったです。泉と辰哉のその後に救いがあればと願います。
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