「ミュージカルマジック発動」心が叫びたがってるんだ。(2015) 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカルマジック発動
最近公開された『ガールズ・ステップ』とストーリー展開が被っているのには少し苦笑。
でも校内カースト制度をリアルに描写していた『ガールズ…』と違い。『心が…』では、登場人物のほとんどがヒロインに対して優し過ぎるのは、作り手側の願望が多分に強い表れの様な感じを受けました。
それでも、八方美人に悩む『ガールズ…』のヒロインに対して『心が…』のヒロインは、過去の自分の一言が家庭崩壊を招いてしまったと思い悩む。その心の奥底に潜む根の深さを描いてはいましたね。
ただ言葉を取り戻し、周りから理解され新たな友人達も出来…とハッピーエンドではありましたが。ヒロインが塞ぎ込んだ本質の一つだった母親との確執の氷解を、はっきりと描いていないのは気になるところでした。そこは劇中ミュージカルを最後まで観劇していた場面で察して欲しい…と言った感じなのでしょうか。
「ミュージカルには奇跡が起こる」
作中に担当の先生が言うこの一言は、ミュージカルファンならばついニヤリとしてしまう。
あの名作ミュージカル『バンド・ワゴン』に於ける♪プランを変えよう♪と言った考え方。
逆境を逆にプラスにしよう…の考え方こそがミュージカルマジックを引き起こし、最後にはヒロインに新たな風が吹く。
いきなり♪伊勢佐木町ブルース♪でニヤニヤさせられ。♪八十日間世界一周♪:♪スワニー♪:♪サマータイム♪:♪悲愴♪と続き、♪虹の彼方に♪。
【ア二ーよ銃をとれ】や【ミュージックマン】等の名作ミュージカルには、異曲同士による同一歌唱の場面が有り、その辺りも「うん!うん!そう!そう!」と、楽しんで観ている自分が居た。
(2015年10月7日/イオンシネマ越谷レイクタウン/スクリーン1)