「はい」シンデレラ(2015) ススギさんの映画レビュー(感想・評価)
はい
よかったところ
○アニメのシンデレラを想起させる点が多々あり、アニメ好きは喜べた
○継母のすごみは圧巻
○美術が素晴らしい
イライラしたところ
○吹き替えの話し方。「ああ!」なんて言いながらまるで怒ってない。幼稚で色気がないのに、役者さんはおっぱい見せつけてて違和感。
○現代らしいアレンジ。シンデレラが人を憎むなんてありえない。「許します」だって。
○翻訳がよくない。キャラクタに合った言い回しができておらず、違和感から現実に引き戻される。
総じて画面はいいけれど、シンデレラのキャラクタ設定がダメでした。
残念!
決定的なのはシンデレラがガラスの靴を試すシーン。アニメでなにより好きなシーンです。「もう一つ持ってます」の感動が大好きです。音楽の入り、キャラクタたちの反応、テンポ、どれも素晴らしい。
それをこの映画ではどう表現するのかと期待していたのです。しかし、シンデレラは静かに静かに承認欲求を剥き出しにして財産でなく私を見てほしいと訴える。三人の家族にこれまでの報いを受けさせる。
シンデレラがそんな「人間」だったのだとがっかりでした。彼女は夢のプリンセスではなく、生臭い人間の女なのですね。聖人のような慈愛をもつ乙女ではないのです。動物に話しかけて知性があって家事もできて美しい心の強い人間のメス。残念です。
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