バッドガイ 反抗期の中年男

解説

「宇宙人ポール」「モンスター上司」などの俳優ジェイソン・ベイトマンが初メガホンをとり、自ら主演・製作もつとめたヒューマンコメディ。母子家庭で育った40歳の男性ガイは、子どもたちが暗記力を競う全米スペル大会の出場資格の抜け穴をついて無理矢理参加権を得る。勝つためには汚い手も厭わないガイは保護者たちの怒りを買いながらも次々と勝ち進み、その一方で優勝候補の10歳の少年チャイタニヤと親交を深めていく。そんな中、ガイを取材していた女性記者ジェニーは、彼が大会に出場した意外な理由を突きとめる。共演は「LIFE!」のキャスリン・ハーン、「マグノリア」のフィリップ・ベイカー・ホール。

2014年製作/89分/アメリカ
原題:Bad Words

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映画レビュー

3.5父親の喪失感を軸に展開するドラマに満足

2023年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

日本で言うなら、漢字検定のようなものか。
優勝賞金が5万ドルなんて子供が手にするには大金過ぎるだろうけど、以前には、全米バター細工選手権とか、バードウォッチャー大会とか、かなりニッチな世界を題材にした映画もあったから、こんな世界があっても不思議じゃないか。

子供がエントリーする大会に、いい大人が参加すること自体が大きな謎になっていて、どうやら並々ならぬ動機が潜んでいるようだ。というのがこの映画のキモの部分で、父親の喪失感を横軸に、大会の進行と、参加者の少年との友情を縦軸に映画を構成してある。

無駄な描写がほとんどない展開で、脚本段階でずいぶん丁寧に練り上げたようだ。ジェイソン・ベイトマンは、俳優と監督を兼任しており、現場至上主義だろうことがうかがえる。たとえば、子供が言いにくいセリフとかは現場で書き直すことがあったりするものだろう。それでも、映画は短く面白くまとめてあり、下品なジョークに笑えるかはともかく、「どうしてそんなに頑固なんだ?」という問いにはきちんと答えてある。

ちょっと残念だったのは、男の心の傷が詳しく取り上げられなかったこと。
父親の喪失感がテーマなのだから、ライバルの少年と友情を育んでいく過程で、同じく父親にコンプレックスを抱き、彼も寂しいことに気づくのだから、そこでうちあけ話の一つも入れてほしかった。まるで本当の親子のように関係を深めていく過程で、お互いに傷つき、その傷が見えやすいほうが、映画のストーリーがより味わい深くなったはず。なのに、少年はあまりにもタフネスで、傷つくそぶりも見せない。表面的にしか感情を発露していないように見える。そこを描いてあれば、ものすごい傑作ドラマになったかもしれないのに。

どちらにしろ、見て損はない。面白い映画だったことは間違いない。

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うそつきカモメ

3.5面白かった

2021年10月4日
iPhoneアプリから投稿

これDVD化されてるのか不明だけど、ベイトマン作品の中で印象に残っておりみる価値あり。

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ken

3.5“バッドワード”は本心の裏返し

2017年8月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

難しい英単語のスペルを一字一字言い当てる“全米スペル大会”。日本で言ったら漢検みたいなものか。
本来子供の優秀さを競うこの大会に、一人大人の姿が。
40歳の中年男性、ガイ。

とにかくこのガイが最低男。
ルールの抜け目を通り抜けて、半ば強引に出場資格を獲得。
大人なのでスペルの問題は簡単に正解。
それに対し、出場子供たちの保護者たちからは非難殺到。
ガイは嫌みと皮肉たっぷりにあしらう。
さらに、出場者に強者居たら、動揺させる事を言って失格させる。
出場の一人の少年チャイタニヤと馬が合い、町でイタズラ遊び。
大人気ないと言うか、子供のまんまと言うか、困ったもの…。

そもそも、何故ガイは子供の大会に出場を?
ただ面白可笑しく騒ぎ立てて、目立ちたいだけ。
“目立ちたい”のは少なからずハズレではない。
ガイのナレーションで言う通り、大会出場はある計画である目的。
同行している女性記者がガイの意外な秘密を知る…。

邦題からはよくある未公開アメリカン・コメディと思うが、実はなかなかの感動的なヒューマン・コメディ。
湿っぽくならないのも良く、いい感じの余韻を残す。
チャイタニヤくんとの大人と子供の垣根を超えた関係にもほっこり。ま、お互い一歩も引かない喧嘩もしたけどね。
ガイの目的であるこの愚行は、ちゃんと届いたのか…?
この歳にもなって、素直になれないけど、伝えたいのが、人ってもん。
途中まで別にスペル大会でなくとも…と思ったが、“言葉”がキーな上でユニークで格好の題材。

監督・主演・プロデュースのジェイソン・ベイトマン。
よく顔や名前は見るけどあまりよく記憶に残ってなかったが、よし、これで覚えておこう。

協会がガイを失格させようと問題として出した文章より長い単語。
“フロクシノーシニヒリピリフィケイション(FLOCCINAUCINIHILIPILIFICATION)”。
調べてみると、軽蔑とか無意味な事の意。
初めて聞いた言葉と言うか、こんな言葉あるんだと言うか、一時停止して打ち込むのも一苦労(>_<)

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近大

3.5意外と良い

2016年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

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ガブ
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