「認めたくないものだな。若さ故の野心というものを」ヤング・アダルト・ニューヨーク 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
認めたくないものだな。若さ故の野心というものを
NYブルックリンで暮らす40代の夫婦、ジョシュとコーネリア。子供は持たず、子供が出来た事で倦怠期になった同年代の友人夫婦を尻目に伸び伸びと暮らしているが…、ジョシュはドキュメンタリー映画作家だが、長らく新作を発表していない。
ある時、20代の夫婦、ジェイミーとダービーと知り合う。ジェイミーもまたドキュメンタリー映画作家。
ジェイミーとダービーの何にも縛られない自由気質&SNS世代の生き方に、ジョシュとコーネリアは感化。
ジェイミーのドキュメンタリー映画撮影にジョシュも協力する事になるが…。
NYで生きる人々の人生観や恋愛観。ウディ・アレン的な感じかな…と思ったら、ちょっと違う。
同じ40代の友人には呆れつつも、歳の離れた親交はすこぶる好調。ジョシュはジェイミーをドキュメンタリー映画巨匠の義父にも紹介する。
しかしあるパーティーで、コーネリアがジョシュと間違えてジェイミーにキスを。ジョシュがそれを目撃し、夫婦関係や友人関係に不和が…。
ジェイミーのドキュメンタリー映画の題材は、SNSで偶然見つけた戦争帰りの旧友へのインタビュー。ヤラセだった事が判明する。
ジェイミーとダービーの関係もとっくに破綻。仮面夫婦であった。
何もかも嘘で覆ったジェイミー。ドキュメンタリー巨匠の義父に近付き業界への足掛かりの為に、ジョシュを利用していただけという事を知る…。
ジョシュは義父の祝賀パーティーの席に乱入し、全てをぶちまけようとするが…。
ジェイミーの悪事を暴露するジョシュ。ドキュメンタリー作家でありながら真実ではない!
ところが義父やその関係者らの反応は意外なもの。
それの何が悪い?
おいおいおい…。ドキュメンタリー作家が聞いて呆れる。
結局、業界ってこんなもんなのか…? 尊敬されてる者や注目集めてる者をヨイショ。才ナシや煙たがれている者の言う事は聞くに及ばず。
ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アダム・ドライヴァー、アマンダ・セイフライドらが織り成すケミストリーは上々。チャールズ・グローディンも存在感。
が、もっと洒落てウィットに富んだ大人のコメディ・ドラマ/中年の再起かと思いきや、何ともほろ苦い…。
ノア・バームバックの才は見て取れるが、好みか否かはまた別の話。
今一つピンと来なかったかな…。
ヨリを戻し、養子を迎えようとしているジョシュとコーネリア。
雑誌で人気者となったジェイミーの記事を見る。
ジョシュの台詞とは別に、ある台詞のアレンジが浮かんだ。
認めたくないものだな。若さ故の野心というものを。
