「ポリコレストーリー」トイ・ストーリー4 akumonさんの映画レビュー(感想・評価)
ポリコレストーリー
ステレオタイプを嫌いすぎるとこうなるんだな、って映画でした。
いまは女性は強く戦う時代だし、男性にもか弱さが認められているし、おもちゃだって与えられた役割を全うする必要なんかない、ってことなんでしょう。
強く自立した女性ボー、自己認識と他者評価が乖離したフォーキーなど、「そういうの」を描きたいんだというのはわかります。これくらいならアクセントとしてまだ評価できますが、結末は流石に酷すぎるでしょう。あまりに前作までのシリーズを無視しすぎている。
「子どもがおもちゃを必要としなくなったとき、おもちゃはどうなるか」というテーマは3で回答してるし完結してるんです。
「ボニーに必要とされなくなったからこどものおもちゃでいることをやめる」なんてそんなアンサーが今回出てくるとは思いませんでした。このシリーズが何を言いたいのか全くわからなくなってしまった。
いつでもそばにいるよ、と優しく子どもを見守ってくれていたウッディはもういないんですね。そういう関係性も永遠じゃないんだぜと言いたかったのでしょうか。
今回提示された考え方やテーマを否定する気はありません。所有者からの解放、自由というのも悪いアイデアでは無いと思います。ですが人気シリーズの新作でやる必要はなかった。これがトイストーリーの外伝やキャラクターを一新した新シリーズでなら違和感なく受け入れることができたのではないでしょうか。
制作側には続編映画の真の価値を理解してほしいです。制作側の主義主張というのは、消費者が続編に望むものよりも前に出てきてはいけないんです。
消費者は、愛した映画のキャラクターや世界観が壊れることなく、その後の物語が紡がれることを続編に望みます。制作側の方針転換とか、挑戦に期待しているわけじゃないんですよ。
本当に、今回の4は残念でなりません。