「視点によって評価が変わる映画」トイ・ストーリー4 ホタルイカ炙りさんの映画レビュー(感想・評価)
視点によって評価が変わる映画
私は面白かったです。エンターテイメントとしてとても楽しめる映画だった。
過去作のキャラクターの露出がぐっと減った分、新キャラたちがどれも魅力的で、最後まで飽きることなく楽しめました。
特に観る前と後で印象が変わったのがギャビーギャビーでした。ただ怖くて腹黒いキャラなのかと思いきやまさかの初期不良…フォーキーと仲良くなる描写も驚きましたが、小さな女の子向けのおもちゃだからこそ、赤ちゃんのようなフォーキーとの相性が良かったのかな。今回一番泣かされたキャラでした。
今までは持ち主(アンディー)とおもちゃとのエピソードを描いていたこのシリーズの中で、子供に遊んでもらうために作中の言葉で言うところの「迷子のおもちゃ」であることを選ぶおもちゃがいる、という概念がとても興味深かったです。
私はトイストーリーのおもちゃ達が大好きなので、生きているおもちゃだからこそ、彼らが自らの生き方を選べる選択肢がある、という事実がとても嬉しかったです。
ウッディーの選択の背中を押したのがバズなのも良かった。
仲間たちの別れがあっさりしてるって感想もみましたが、多分そこをメインにするとシュガーラッシュオンラインみたいになっちゃうんだろうなぁと…その方が喪失感が大きかった気がします。
自分の存在についての葛藤や別離など、ディズニーやピクサーの続編としては予想しやすいストーリー展開だったと思いますが、それをまさかトイストーリーでやるなんて…という反応が多く見受けられたところに、この作品がどれだけ多くの人に愛されていたかということが改めて実感させられました。
この結末を描いたのがジョン・ラセターだったら受け入れられた人も多かったんじゃないかな。私も他作品で監督が変わったことによる違和感で楽しめなかったことがあるので気持ちは分かります。
人にはそれぞれの幸せがあるように、感情を持ったおもちゃ達にもいろんな可能性や選択肢があるということを描いてくれた、そこが「本当のトイストーリー」ということだったのかな。と私は受け取りました。楽しかったです!