龍三と七人の子分たちのレビュー・感想・評価
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ジジイ・ビートたけしからのメッセージ
時代が追いついた。
北野武監督は、デビュー作以来、すべての作品を映画館で観ている数少ない監督のひとりである。
「ソナチネ」に代表されるキタノ・ブルーなど映像面での特徴が語られることが多いが、北野監督の特徴は「間」にあると僕は思っている。「アウトレイジ」シリーズに顕著に出ていた。
ところが本作は新展開である。北野演出は健在でありながら、役者の芝居がそれを凌駕しているのだ。
藤竜也にコメディセンスがあるのを我々世代はよく知っている。「大追跡」や「プロハンター」を観ればいい。
その藤竜也が座長になって役者陣を引っ張った。近藤正臣しかり、中尾彬しかり。安田顕までも引っ張っている。
いい意味で普通の映画になっていたのが驚きである。
監督作なので見過ごしてしまいそうだが、藤竜也とビートたけしの共演というのはなかなか観られるものではない。
北野武がエンターテインメントを意識していたとすれば、それは少し寂しいが、単におもしろがって作ったのであれば、今後の映画作りによい影響を及ぼすはずだ。
レイトショーで満員の客席。
時代がやっと北野武に追いついた。
たけし〜やってるよ…
僕はビートたけしを尊敬してます。だからこそ評価が難しい。一作品として評価するなら取るに足らないテレビ的なコメディ。一方ここで改めて北野武/ビートたけしのフィルモグラフィを考えれば『みんな〜やってるか!』のような位置付けの作品が一つ加わったとも受け取れる
ただ『みんな〜やってるか!』みたいな破壊的なくだらなさはなくて小さくまとまっちゃってる。北野武が今これを撮らなくてはならなかった理由はなんだろう?わからん…だからこそ北野武/ビートたけしなんだろう
本当に一作品としては語るべきものはほぼ無いに等しい。個人的には北野武作品でワーストかな…ただ一つだけ強調しておきたいのはやっぱりスクリーンに映るたけしのカッコいいこと!次作はたけしが出ずっぱりだったらいいなあ
俺が観たいのは北野武の映画なんだ!コントじゃねえんだ!
なんか悲しかったんよな。日本の映画がどんどんテレビ化していく中でたけしだけはいつまでも映画作家であり続けてくれると思い込んどった…たけしにはそれはしてほしくなかった。まあ絶対に「わかってて」やっとるんやけどな
北野武名義じゃなくてビートたけし名義にスベキだったと思う
笑いたかったんだ
ジジイの活躍が痛快
『龍三と七人の子分たち』を試写会にて鑑賞。
北野武監督の最新作。
元ヤクザ組長ですでに引退し、息子と同居生活を送っていた龍三(藤竜也)は若手詐欺集団によるオレオレ詐欺に引っかかってしまう。若手に勝手な事はさせないと昔の仲間を呼び寄せ、世直しに立ち上がる。
結論から言うと、実に楽しい作品であった。
北野武監督作品と言うより、ビートたけし監督作品と言った方がしっくりくるほどよく出来たコメディである。
今までの北野作品とは異なり、暴力は控えめだし、突然踊り出す事もない。ある意味オーソドックスな作風ではあるが、セリフや間が絶妙で全く飽きる事なく最後まで楽しめる。
何よりジジイ達が良い。
下手な若者よりも活き活きと描かれた彼らは老い先が短い事から怖いものなど何もない。
昭和感満載の彼らが繰り広げる現在社会との微妙なズレが笑いを産み、何気ない行動や一言にも一切の手抜きがなく、常にユーモアセンスが光っている。
個人的にはコメディ作品では劇中で死者を出すのは御法度だと考えているのだが、今作に対しては全く当てはまらない。それすら笑いにし、尚且つ不謹慎さを全く感じさせないあたりは見事と言うほかない。
北野作品はアクが強く一般受けしないイメージがあるが、今作は誰でも楽しむ事ができるので、北野監督作品が苦手な方でも大丈夫。
先入観を持たずに鑑賞していただきたい作品である。
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