「「ももクロ」のワードで観ないなら、もったいない!」幕が上がる mareさんの映画レビュー(感想・評価)
「ももクロ」のワードで観ないなら、もったいない!
「ももクロ」に興味がない人は、そもそも問題無く観れます
彼女達はアイドルではなく、女優として役そのものでしたから。
むしろファンよりもももクロを意識すること無く正当に観ることができる分、純粋に映画を楽しめると思います。
本広監督こんな映画撮れるんですね!!
高校時代のあの訳の分からないモヤモヤした不安感とかそんなものをズボッと切り出して映画にしたような切ないの中の一瞬の青春の輝き、おそらく全然泣くシーンではないのに何度かうかつにも涙が流れてしまいました。
基本的に映画は原作本は読まないで観る主義です。
どう考えたって原作の情報量を2時間やそこらにまとめるのは不可能に思うし、丁寧に映像を描けはストーリーは消化不良になるし、原作の情報量を詰め込み過ぎると、映画の情緒的な部分が薄れてしまうし・・・
この映画もまず、原作読まずに観ました。
映画に感動して、原作読みました。
平田オリザ氏の原作、素晴らしかった。
原作を読んで映画の題材となっている演劇の事をもう少し理解できたように思いました。優れた演劇は膨大な原作を2時間にすることが可能だということ教えられた気がしました。その事を本広監督も喜安さんの脚本も十分理解して作ったものが、この映画なんだと。
原作にだけある台詞に「だいたい勝つのは、それぞれはまり役って言うか、あて書きとか、そういうのが上手くいってて・・・」と言う台詞があるのですが、まさにこの映画はももクロの5人がはまり役としてピタッと物語の登場人物として居り、監督や脚本も上手にキャラをあて書きしているなぁと感じました。
映画としてもとても丁寧に作られていて、画面に漂う空気感がとても好きな映画でした。
演劇にもまた興味がでました。もともと嫌いでは無くて、知り合いが所属していた小劇団ものの舞台(あまり面白くなかった)をいくつかと、大泉洋氏の所属するTEAM NACSの舞台(非常に面白かった)を2度観に行けた以外(それ以降はチケットが取れず)足が遠くなっていましたが、この映画の舞台版があるとの事、ぜひ観てみたいと思いました(チケット取れないだろーなー)
原作読んでなお、また観たいと思ってます。
原作の雰囲気を損なわず映画の尺に収めた珠玉の作品になりました。来週また観に行きます。