杉原千畝 スギハラチウネのレビュー・感想・評価
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全体を通して良かった
ちょっと低めの評価だが 内容的には良かったと思う 唐沢寿明の演技 会話も大したものだ 杉原千畝と言う日本人がいた事に誇りを持ちたいと思った。
ただ当時の背景にはドイツ軍はわからないが 日本軍が冒頭のような事をやったのか?疑問に思った、そして戦争は美化されるものではないが日本を悪としたGHQや近隣諸国の思想が見え隠れした気がした。
日系アメリカ人の軍人が少年を保護したシーンは良かった。当時のアメリカ人の日系に対する酷い扱いを何かで見たが戦争を本当に反省したのは日本だけのような気がする、そして今日本だけが今だに謝罪や倍賞を要求されている、杉原千畝の予測を日本政府が受け入れたら どこの国からも干渉されない強い国になっていたかも知れない。
正義を貫く
杉原さんのことは知っていたが、この映画は、杉原さんに関わる総体的な話の流れを見せてくれたので、オランダの領事や在ウラジヴォストックの日本大使など、杉原さんと共鳴する思いをもって行動した人がいたから、ビザが生かされたということを初めて知った。
また、法務省の許可のない状況で、ビザを出すということが、外交官にとってどれほど勇気のいることだっただろうかと、改めてその行為に感銘を受けた。
ただ、私は残酷なシーンが苦手なので、人が殺される場面は辛く、そのようなエピソードによらなくても戦争の残酷さを伝えることはできるし、むしろあまりエピソードに頼らない方が伝わるのではないかと思った。全体的に、登場人物の設定がよく分からないところも多かったけれど、今までとは違う杉原さんの姿を見せてくれた。
よかった
なんこれ
つまらない
もうちょっと見せ方を工夫できたと思う。この映画を見ると杉原さんの苦労が描かれてなくて杉原さんが何と戦い、何に苦悩し、どう努力したのか全然わからなかった。
歴史としてこういうことがあって、ああいうことがあって、と誰でも知っているようなことばかりだし、的を絞って話を作ってないからのっぺりとした映画になっていた。
つまらない歴史の授業を聞いているようで本当に退屈だった。内容は淡白なのにながーくねっとりした時間が流れていた。
腱鞘炎になりながら現地を立つ瞬間までビザを発行し続けたという有名な話もあるのに、この映画では、そこは描かれずに第一秘書に後は任せたと言ってビザの発行を押し付けるようなシーンがあった。ここは杉原さんの直筆でないとビザも意味がないのではないかと思ったし、秘書にいつ終わればいいかわからない仕事を押し付けて自分は次の仕事先へ悠々と行ってしまうところとか、誠実さのかけらもないなと思った。
日本語の説明文の下に英語で説明文が書いてあってこんなつまらない映画を海外で上映するつもりなのかと冷や汗が出た。
風潮のソフト右翼プロパガンダか。
戦後70年で作られる映画がコレ?と開いた口が塞がらない一本。
杉原千畝という人は、今の一般にはそんなにマイナーな方だったのだろうか。
冒頭のポンコツ007ごっこから激しく萎える。
本作では氏の顔は一切描かれていない。
いや、描こうとすらしていないのではないだろうか。
むしろ場当たりな無責任者にしか見えないのは、酷くはないか。
唐沢寿明氏がドヤ顔でキメればキメるほど、うすら寒くなる作劇の不思議。
本作では結局、千畝氏のケツを拭いてユダヤ難民の命を救ったのは駐ソ大使役の方だったという結論なんだよね?
唐沢寿明氏が全篇に渡り英語を頑張っているが。
だったら徹底して細部までこだわろうよ。
なんで都合よくみんな揃って英語で話を進めるんだよ?
そしてもう一つの引っ掛かりが。
般若、素、不機嫌の3パターンしか表情のない小雪氏の過剰なフィーチャー。
作品の中では大してなんの役割も果たしていないのに、出て来ては話の流れを邪魔するのは事務所力なのだろうか。
ともあれ。
子供の頃に見て涙した、テレビドキュメンタリーの方が百倍マシだった作品。
今の時代に意にそぐわぬ姿を伝えた事を故人に謝るべきだと思う。
「第二次世界大戦時のヨーロッパで、ユダヤ人にビザを発給した外交官」...
「第二次世界大戦時のヨーロッパで、ユダヤ人にビザを発給した外交官」という話だけは知っていましたが、どんな人かは知りませんでした。
歴史的には、軍隊云々よりも松岡外相が馬鹿だったと個人的に思っています。
まあ、選挙直後に格差是正を訴えて青年将校が起こした226事件で有能な政治家はいなくなっちゃいますし、彼らの蜂起の陰には首謀者が国民から英雄扱いされた515事件があり。歴史は繋がっている訳です。
ユダヤ人にしても、当時イスラエル国家こそ無かったものの入植自体は行われていた訳で、ヨーロッパで溶け込んで生活していた人達と新国家樹立を目指していた人達に確執があったりと、一枚岩では無かったりする訳で。
この件を賞賛するイスラエルが、この悲劇を繰り返さないために強くなろうって言って迫害を行っているんだから皮肉なもんです。
そんな事を思いながら見て行くと、ユダヤ人へのビザ発給の下りも単なる同情だったんだろうか?なんて思えてしまいます。
ついでに、彼の戦後の進退についてはこの件とは直接関係無いんじゃないかなぁ…とか。
ともかく、ベタベタの平和主義者かと思っていたら、全然違った。
関東軍こそ悪役っぽく描かれていますが、現代の視点から軍を絶対悪とするような事はせず、満州国を好意的に描いている所とかも評価したいです。
勉強になります
映画「杉原千畝」の感想
「実在の人物を描いた感動大作」の触れ込みを見て鑑賞
本作品のCMで、「日本人として誇らしい!」といったような声が上がっていて興味を持った。
世界に誇れる歴史上の日本人の話は是非見てみたいと思い、映画館で鑑賞。
確かにいい話である。
杉原が行ったことは、特にあの時代の日本においてなかなかできるものではないだろうと思うし、同じ日本人として誇らしい気持ちには間違いなくなる。
ただ、よくも悪くも、映画のあらすじとしても紹介されている「認められていないユダヤ人へのビザを独断で発給した話」で終わってしまっている印象。それがどのようなインパクトを与えたのかという点をもっとフォーカスしてくれればよかったのに、と感じた。
彼が何もしていなかったらあのユダヤ人はどうなっていたのか、彼の行ったことで何が変わったのか、といった辺りをもっと見てみたかった。
勇気ある行動と、非常に良い話なだけにもっと欲が出てしまっているのだとは思うが。
あと、これは自分の勉強不足からくるものだと思うが、最初の鉄道を盗む盗まないの場面は本作においてどのような位置付けなのかがよくわからなかった。まさかイリーナを出すためだけではないよね?
小雪じゃなければ・・・
しっかりと出来ている邦画
国籍も立場も人種も越えた善良さを信じる
WWⅡ時、ナチス・ドイツに迫害されるユダヤ人に多くのヴィザを発給し
その命を救ったというリトアニア領事代理・杉原千畝氏。
本作はその“命のヴィザ”発給の逸話を描く感動モノ……
かと思いきや、もっとスケールの大きな話だった点にまずビックリ。
なんでもこの杉原千畝氏、表向きこそ領事代理だったが、
裏では対ソ連専門のスパイに近い活動も行っていたそうな。
映画は、満州鉄道の買取を巡る諜報活動に始まり、
彼が領事としてリトアニアへ向かう事となった経緯、
日本の戦況を大きく左右した独ソの政治的駆け引き、
そして件のヴィザ発給を経て、杉原がルーマニアの地で
戦争終結の報せを受けるまで(+α)を描く。
ううむ、なかなかに波瀾万丈な半生。当時の欧州情勢
から日本が米国との戦争に突入した遠因に至るまで、
歴史ドラマとして興味深い点はかなり多かった。
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監督のチェリン・グラッグは生まれも育ちも日本生まれの米国人さん。
これまでハリウッド大作の助監督を何本もこなした方というだけあり、
日本人と外国人のキャストの演技に温度差が無く、
外国人キャストの演技でもしっかりと感情が伝わる。
(当たり前だと言わないでほしい。この辺りがひどい作品も多いのだ。)
軽やかな言動の中に祖国への想いと杉原への友情が滲むペシュは忘れ難いし、
ユダヤの人々に冷たい視線を送るグッジェの変容にはじいんときた。
流浪の民であるユダヤの人々を描いた部分も印象に残る。
その迫害描写自体は様々な映画でも描かれてきたものだが、
政治情勢によってどの国からもタライ回しにされる様はより詳細だ。
寒空の下で黙々と耐える姿から、安住の地を
幾度も奪われた人々の長い苦難が伝わる。
劇中、日本へ向かう船上で歌われる唄は、現在の
イスラエル国歌である『ハティクヴァ』のようだ
(ヘブライ語で『希望』の意味)。
「2000年の希望は、シオンの地、エルサレムの地で自由の民として生きること――」
彼らの深い哀しみと微かな希望を感じ、目頭が熱くなった。
日本人キャストも勿論良い。
ベルリン領事を演じた小日向文世がまたしても好演。
己の想いを圧し殺す、厳しく硬い表情が良い。
そして、ウラジオストクの旅行会社社員・大迫辰雄
(濱田岳)と、ウラジオストク総領事代理・根井(二階堂智)、
本作を観るまで名も知らなかった2人だが、彼らもまた
隠れたヒーロー。まさしく“善意のリレー”である。
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だが、
サブキャラクターの描写に時間を割いた分、主人公である
杉原やその家族の心情についてが薄味になった感も。
杉原がユダヤの人々を救いたいという想いに至った
流れはきちんと描かれているが、やや弱い。
彼の行動を支えた幸子夫人についても、ヴィザ発給を
後押しする場面以降は良いが、そこまでの存在感が希薄だ。
それと、
事実を脚色している部分があるのはある程度しようがないが、
脚色が過ぎると感じてしまう部分もチラホラ。
『ロシアより愛をこめて』チックな序盤のシーンやカーチェイスなど、
本作に派手なシーンは不要……というか映画の重厚感をむしろ
削いでいるように思うのだが、まあそこはエンタメ寄りに
した方が見易いという判断なのだろうとある程度呑み込む。
しかしだ、
あのロシア人協力者イリーナはなんとかならなかったか?
杉原は満州時代にクラウディアなるロシア人女性と
結婚・離婚していたそうだが、それと設定の近い人物が
リトアニアを訪ねるのは流石にフィクションだろう。
イリーナが登場するだけでも実話が基であることの重みが弱まるのに、
あろうことか彼女は要所要所で登場し、杉原の心境にまで影響を与える。
ラスト直前もそうだ。心痛の杉原を慰め、
これまで出逢った人々の現在を映す重要なシーンを、
架空の人物の手紙に託すというのはどうなのか?
例えば、『シンドラーのリスト』の赤い服の少女が
シンドラーを説得したり幽霊となって感謝を伝えたりしたら?
彼女はそれくらいに無粋なキャラクターだと僕は感じた。
正直、イリーナに関する描写に時間を割くよりも、杉原がヴィザ発給を
思い立つまでの心情を子細に描く事に注力してほしかった。
(なお、パンフによるとペシュやグッジェに関しては実在の人物
またはその集約だそうな。28年後に彼を探し当てたニシェリも実在。)
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と、色々不満はあるけれど、良い映画。
重そうなテーマや上映時間の割にはさらりと観られるし、
最初述べた通り歴史ドラマとして興味深い点は多い。
それに、鑑賞後に少し優しい気持ちにもなれると思う。
政治も、国も、人種も関係無い。
ただ、苦しむ人々を憐れに思う。救いたいと思う。
杉原千畝とその周囲の人々を通して伝わるのは、
どの国やどの立場の人にも備わっているはずのそんな善良さだ。
どの人にも備わっているはずの悪意によって600万人もの
ユダヤ人が死んだという恐るべき数字の前では、あるいは
杉原達が救った2149人という数字はちっぽけなものなのかもしれない。
だけど、人間に完全に絶望せず、『人の心には
きっと善良な部分があるはずだ』と信じる上では、
この数字には十分過ぎるほどの意味がある。
<2015.12.12鑑賞>
たかが紙切れ、されど紙切れ
今まで名前と何となくこんなことをした人ぐらいしか知らなかったので、とても勉強になりました。
激動の時代の裏で、こんな日本人がいたんだと知れただけでも、とても有意義な時間になったなと思えましたよ。
それプラス、一本の映画としてもかなりの見応えを感じられて、私的満足度は相当高かったです。
ただかなり生真面目な作品で、エンタメ性は相当薄いですから、そこは好みが分かれるかも。
盛り上がりに欠けると言われればその通り、しかし真摯に外交官としての杉原千畝を描いた作風は、とても好感が持てましたし、十分評価に値するのではないかなと。
邦画によくある感動エピソードを誇張するパターンではなかったからこそ、より杉原千畝の勇気ある決断にグッと来た部分がありましたしね。
邦画でありながら外国人のチェリン・グラックが監督をしたからか、どこの国に肩入れするでもなく客観的に物事を描いていたのもとても印象的でした。
感動エピソードでありながらそれが必ずしもいい結果だけを生んだ訳ではないところとか、日本政府、日本軍の恥部も曝け出しつつ、そんな中にもたくさんのユダヤ人の命を救った日本人外交官がいたと言う事実が真摯に描かれていて、スッと心に入ってきました。
その杉原千畝を演じたのが唐沢寿明だったからこそ、より感情移入できた面はありましたね。
まさに迫真の演技、たくさんの外国語を駆使して、見事に演じ切りました。
真摯に作られた作品の中で唯一奥さん役の小雪だけは異質な存在に映りましたが、逆に言えば世界と向き合った千畝の唯一のオアシスが家庭だったと考えれば、これもまたありなのかも。
外国人キャストも皆素晴らしい演技、秘書の男の千畝に対する感謝の念にグッときた!
世界を変えたいと常々思っていた杉原千畝、彼が救った命の子孫がまたより良い世界に変えていくはずと願ってやみません。
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