杉原千畝 スギハラチウネのレビュー・感想・評価
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これが日本人
最近の日本では、一市民に対しても容赦ないメディアからの理不尽なバッシングが繰り返されているため、萎縮している人が多いように感じる。
公務員がするべき仕事、人としての自分、日本人としての立場。置かれた環境に対して取るべき行動をとる人間の有様。
杉原のとった行動は、後世になって礼賛される結果となったが、彼のように、自分の立場を考えて、行動をしていく人間像こそが、日本人の本質だと思う。
レビューの冒頭にあるように、一市民に対する容赦ないバッシングというのは、実は日本人の本質ではない。もしかしたら、そういう反面教師を見て生活するからこそ、現代日本人は個々で自問し、自分は自分として何をするべきかを考えて行動していると思う。
一市民をバッシングするマスメディアの風潮の中で、どこにでもいる当たり前の日本人を礼賛する映画を観れたことに、新鮮味を覚えた。
そして、今日もまた日本人として生きていきたいと思った。
杉原千畝を知るきっかけにはなった
満足出来ない
杉原千畝氏が戦時中に諜報外交官とゆう裏の顔を持っていた事実も含めて単なる美談に終わらせなかった部分はいい。
しかし、恐らく杉原氏は芯は不器用で朴訥とした人柄だったように思う。
そこら辺が演じる唐沢寿明の器用さと鋭敏さがチラつくTV的演技ではどうもシックリこないのだ。(若い頃の阿藤快が演じたらさぞやハマったと思うが)
それから日本人キャストの芝居とセットに映画的奥行がなく平坦で、せっかくポーランドで撮った外国人俳優らとの芝居のリアリティと背景のキャメラの奥行とのマッチングが上手くいっていない。
そのキャメラにしても綺麗過ぎるとゆうか、別に【シンドラーのリスト】のヤヌス・カミンスキーばりに濃淡のハッキリしたモノクロでなんてムチャは云わないが、戦時下の不穏な空気感をもっとくすんだ感じで描いてほしかった。
外国の戦争映画ってそうゆう色合いに凄く気を使ってます。
私は今でも、世界を変えたいと思っているのですよ
映画「杉原千畝 スギハラチウネ」(チェリン・グラック監督)から。
鑑賞後、走り書きで書いたメモを眺めてみると、
やはり「世界を変えたいと思う」がキーワードとなって浮かぶ。
「世界を知れば、日本をもっとよく国に、素晴らしい国に」という、
熱い想いで、障子越しに寝ている(はずの)友人に向かって、
「なぁ、お前は世界を変えたいと思ったことがあるか?
俺は常に思っている」と言い切るシーン。
また、初めて自分の名前を正しく読んでもらった女性と結婚し、
その彼女が訊ねる。「ねぇ、千畝(チウネ)さん、
あなたは今でも世界を変えたいと思っていますか?」の問いかけに、
間髪入れずに「常に思ってる」と答えるシーン。
そして昭和40年、当時スギハラに助けられた人の1人が、
その時のお礼を言いたくて28年間も探し続け、モスクワで再会。
「居場所を見つけたのですね」と喜ぶと「いいえ」と呟き、
「私は今でも、世界を変えたいと思っているのですよ」と語り、
静かにフェードアウトしていくシーン。
幾つになっても、どんな場面でも、日本のために
「世界を変えたい」と考え、その信念を曲げなかった彼だからこそ、
今でも、世界で語り継がれているに違いない。
彼の残した戦時中の業績よりも、その信念に拍手を送りたい。
想像してたより全然よかった!
「諜報の天才」っぷりが全然描かれてない
杉原千畝がユダヤ人亡命のためにビザを発行したことは知っていましたが...
杉原千畝という人物
歴史を学べます。
たいへん勉強になりました
杉原千畝がビザを発給して多くの人を救ったことは広く知られていて、自分もその程度のことは知っていました。しかし、それがどのような社会的背景の中で行われていたのか、彼がどのような思いでビザの発給を決断したのかは、本作を通して初めて知りました。また、彼がきわめて優秀なインテリジェンス・オフィサーであり、独自の情報網を構築して国家に重要な情報をもたらしていたことも、今回初めて知りました。
本作では、杉原千畝の今まであまり知られていなかった仕事ぶりや家庭人としての側面が描かれ、本当に勉強になりました。ただ、彼の足跡を総括的に描こうとするあまり、作品としての感動的な山場が失われてしまったように思います。まあ、そこまで描こうとすれば、1本の作品には収まらないだろうからしかたないですね。かといって、「命のビザ発給」だけにスポットを当てれば、知られざる一面が描けなくなってしまう。そう考えると、本作は妥当な落とし所だったのかもしれません。いずれにせよ、彼の功績を再評価し、同じ日本人として誇らしく思える、まずまずの作品だったと思います。
もったいない
人間・杉原千畝。
これも実話の映画化、おそらくユダヤ難民にビザを発給し続けた
彼の功績にスポットが当たった作品なのだろうとタカをくくって
鑑賞したのだったが、人間・杉原千畝の見えなかった部分が描かれ
とても興味深い作品だった。彼が諜報活動(スパイ活動)に優れた
外交官であったことも実際によく知らなかった。冒頭で描かれる
アクション(描き方に賛否あるようだが)で、こういうスパイ活動
が原因でモスクワではなくリトアニアへ派遣され、難民へのビザ
発給を実行、その後ルーマニアでの終戦に至ったのが理解できる。
情緒深いメロドラマ的な場面は少ない。その分彼の活動がどんな
危険を帯び、どれほど日本に影響を与え、外交官としての責務を
しっかり果たしていた人物だったのかが分かる。身分は高いとは
いえ、かなり波乱万丈な人生。そんな千畝の人生のうねりは理解
できるが、登場人物が多い上にユダヤ人の描写や協力者との逢瀬
などに時間を割いた分、肝心の千畝の本意や家族がどんなかたち
で協力したのかがサーッと流されてしまった感も残る。彼の知ら
れざる部分を描いたことに非常に意味のある作品とは思うのだが。
(外国人も邦人も熱演。それぞれの生き様と価値観の対比はお見事)
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