劇場公開日 2015年12月5日

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「杉原千畝を知らない人には有益な伝記映画」杉原千畝 スギハラチウネ 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0杉原千畝を知らない人には有益な伝記映画

2021年1月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

知的

映画館では2015年12月6日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来2度目の鑑賞

なぜ「チウネ」ではなく「センポ」と名乗ったのか
その方が外国人は発音しやすいからだろうか

杉原千畝やその時代を熟知している人たちには物足りないかもしれない
だが杉原千畝を知らない人にとっては是非観てほしい良作である
20世紀のいつ頃か忘れたがテレビで彼を扱ったドキュメンタリー番組が放送されそれで自分は杉原千畝という人物を知った
義務教育において必ず取り上げなければいけない偉人なのに日本の教育はどうなっている
紙幣の肖像画になってもいいくらいだ

合作映画ではない邦画だが監督は外国人
そのほかにも何人か外国人スタッフらしき人物がいる
主な舞台はリトアニアを中心にヨーロッパ
邦画でありながら大多数が英語
当然のことながら字幕が多い邦画である

脚本は可でもなく不可でもなく
TBSの日曜劇場など連ドラで掘り下げてじっくりと物語をすすめればだいぶ違ってくるだろうが映画だからある程度は仕方があるまい

役者さん達には特に不満はない
英会話ができない自分にとっては堪能なだけで唐沢寿明を尊敬してしまう

小雪に関しては批判も多いが正直全く気にならなかった
外交官の妻あるあるなんて知らないし違和感は特になかった
ビザが発給されたのは1940年でそれ以前の日本での服装にしても特に違和感はなかった
おそらく当時の日本人女性全てがモンペ姿だと思い込んでいるのかもしれないがそれはあきらかな偏見である

日本人の脚本家が長崎広島の原爆人体実験を正当化するようなことを書いたことは残念でならない
しかし多くの外国人の視点からすれば仕方がないことかもしれない

小日向文世が演じた大島浩の「独逸は無敵である」という台詞は某朝日新聞記者の「ポルポト政権にはアジア的優しさがある」に匹敵する妄言である
しかしそれは時が過ぎた今だからいえるのかもしれない
新型コロナでパニックなった自粛警察の書き込みの数々も令和の妄言として永遠に語り継がれることだろう

妄言ついでに書くが一説によると日本人は元々古代ユダヤ人であり今のユダヤ人はユダヤ教徒というだけで民族として本物のユダヤ人は日本人らしい
それを思えばパレスチナ問題などでユダヤ人に蟠りがある日本人も少しは親近感が湧くだろう

野川新栄