アメリカン・スナイパーのレビュー・感想・評価
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傑作。
米軍史上最強の狙撃手クリス・カイルの自伝を映画化とクリント・イーストウッド作品はあまり縁がなかったので、これを機に鑑賞してみました。
そこには戦場の緊張感・緊迫感は当然ながらオブラートに包まない「死」がありました。さっきまで隣にいた兵士が死に、スコープから見える敵兵の死、狙撃による突然の死。そして心が徐々に死んでいくクリス・カイル…。そんなハッと息を呑む瞬間が何度も観ていてありました。
残酷で切ない。けど素晴らしい作品。観終わってフーッと息を吐きましたね。
他のクリント・イーストウッド作品ってこんな感じなのだろうか?
何かを主張するわけで無く、ありのままを表現し観てる側に暗黙の了解的に判断を委ねている気がしました。
きっと観た人の1人1人に残る印象が違う作品かもしれませんね。
傑作です。
メトロノームはどちらにも揺れる。
メトロノームはどちらにも揺れる。
揺れるように作られているんです。
正義にも悪にも、ヒーローにも悪魔にも、愛国心にも反米心にも。
揺らしたいように揺らせばいい。
自分で揺らすことに意味がある。
そして私のメトロノームは、ここで止まりました。
英語だと「An ill life an ill end」
日本語だと「因果応報」
主人公が放った弾は、最後には自分に返ってくる。
そう、まるで9.11の悲劇が起こった背景と同じ。
本作はイーストウッド監督の、痛烈なアメリカ批判だと受け取りました。
ヒーローはどこにいる?
イラクへ出兵する度に壊れていく男。
消えたテレビを凝視し爆音の幻聴に怯える男。
子供とじゃれてる犬を殴り殺そうとする男。
娘が泣いているのに構わない看護師にブチ切れる男。
後ろの車がまるで敵のように警戒する男。
ちょっとした音に過敏に反応する男。
血圧は常に異常値。精神の変調が、肉体にも影響を及ぼす男。
本作にはヒーローは存在しない。
米国の為に仲間を守る為に大量に人を殺した男が、ある感情が芽生えた瞬間に壊れていく物語だ。
そんな男には、皮肉な最後が待っています。
イラクのまだ幼い子供が、手榴弾を掴んで戦車に突進して来る。それをカイルが狙撃する。
傍にいた母親は死んだ子供を抱こうともせず、落ちた手榴弾を掴んで戦車に迫って来る。彼女も、カイルの弾に倒れる。倒さなければ、仲間が死ぬ。子供か、仲間か。死の選択を、瞬時に決めなければいけない。
そんなカイルにも、同じ年齢くらいの子供、妻がいる。
イラクの狙撃兵の傍にも、小さな子供を抱いた女性がいる。
説明はないけど、奧さんだと分かる。どちらにも、正義があり、悪があるのではないか。
メトロノームは揺れ続ける。
本作は今までのアメリカ映画にありがちな、太陽に向かって立つ勝者、そしてその影になる敗者の戦争映画ではない。双方に光を当てた、戦争の二面性を描いた秀作です。
話題のエンドロール。無音です。
まるでカイルが凝視していた、消えたテレビのようです。
彼には爆音の幻聴がしていましたが、みなさんには何が聞こえましたか?
特殊な仕事をしていた祖父が、生前こんなことを言っていました。
「戦争は、外交の失敗で起こる」
失敗したのは、カイルでもイラク兵でもありません。誰なんでしょうね?
私にはこの無音のエンドロールから、クリント・イーストウッドの言いたいけど言えない、アメリカ(ある人?)に対する悪態が聞こえて来るようでした(笑)
名作です。
クリント イーストウッドらしい、主義主張を観客に丸投げする様な作品...
痛ましい戦争の史実
戦争や悪があるから平和がある
持論ではあるが事実でもあると思う
伝説の狙撃手と称えられ持てはやされた男
だが、本人はそれを素直には喜べていなかった
それほど人の命の重さも、奪うことの重大さも知り得た人間だったと推察できる
ただ、こんなたかだか2時間の映画を見ただけで、
平和のぬるま湯に浸かりきった凡人が当人の苦悩など測れるはずもないことは重々承知している
しかし監督は史実に基づき、戦争への警鐘を含ませている
人間の弱さの描写がそれを物語っていると感じた
自分や仲間を本気で殺しに来る敵地のど真ん中で、
日々緊張と集中を切らさず1000日以上も過ごすとなると
常人なら気が狂ってもおかしくないはず
そんな状況で祖国へと安息に戻ったとしても、
精神疾患や人間不信に陥るのは当然とも思える
また、伝説の凄腕として名を馳せてしまったが為に、
敵対者を知らずに増やしてしまった結果、
純粋に祖国を守りたいと立ち上がった男の幕引きは非常に残酷で皮肉なものだった
偶然にも今日15/7/16は日本の集団的自衛権の可決された日となった。
平和の国が自らを守るために武器を取ることを許す。
やはり武器や悪、戦争がなくなることが平和だとは、きれい事だ
入ってこない映画
もったいない
the America
見たかった映画だったのでDVDが出てすぐ見ました。
全体を通して思ったのがアメリカらしい映画ということ。ヒーローとヒーローの苦悩、悪との戦いというアメリカ人らしい映画という感じです。
敵にも家族がいてというのが描かれるのかと思いましたが描写は少なくクリスとクリスの仲間、家族が中心で描かれ言いたかった事はクリス=カイルは伝説って事なのかなと感じました。
ただし実際に起きている退役軍人のPTSDに関しては上手に描写されており人の精神が壊れていく様や周りの精神的描写も戦争の怖さを表していたと感じました。
戦争は肉体だけでなく心も壊すもの。これがイーストウッドとクーパーの言いたい事だと私は信じています。
これはラストで本人死んでなかったらただのアメコミ映画と変わらないですね
全てが真実
ドキュメンタリーや戦争体験者とその家族がする話を体験したような気分になりました。
主人公の苦悩が肩にのしかかっているようで、戦地でジョークをとばしてるコミカルな場面でも心のどこかにある主人公の辛さが自分にもはっきりと伝わってきました。
徐々に心を蝕んでいく流れは本当に戦争における真実であり、見ているほうも気持ちがぐらつきます。
真実の為、後味も悪いです。
これは単なる戦争映画じゃありません。
戦争というものを考えさせられる映画です。
現代の戦争は有利に事が進められる手段がある為兵士の負担も減っていて怖くない、楽勝だ、俺なら余裕だ等と思う人達が増えがちですが、この映画を見れば、改めてその余裕を考えさせられると思います。
「本当に、自分ならこの環境に耐えられるのか?」と。
この映画は兵士の苦痛と真実をしっかり描いてると思います。
オススメです。
無人機攻撃は…
※別のログイン名で投稿していた物を再投稿です。
この映画は地上戦での戦闘をリアルに描いた映画だったけど1回だけAH-1Sの対地ミサイルが出てくる。
現在、IS国に対する空爆を行っているようだが無人機攻撃は人を殺している実感が薄すぎるのでは無いか?
で、何が正義か? 大切な人の命を守るのが大事なのか? それは向こう側の敵も同じ事だろう。
テクノロジーの強い方ほど正義があるのか? と。
この映画レビューで多くの方が書いているように現実画像であるエンド・ロールで主人公を英雄視するのは、大戦で敗戦を経験した我々日本人に違和感を持つのでは無いか? と。
2個の原爆を落とされ、テクノロジーの勝利に負かされた我々は、福島第一原発事故でも夢のエネルギーと騙され、放射能汚染を被った。
でも、世界最強の帝国に刃向かえないのも事実だと思うけど。
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