アメリカン・スナイパーのレビュー・感想・評価
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「皮肉なラスト」とはこういう事
過去にも鑑賞していたが、何故かレビューしておらず見直して書いております。
実際したアメリカ海兵最強の狙撃兵クリス・カイルの物語。
美人な奥さんを射止めるアメリカの生活とは別に、一瞬の判断が命取りとなる戦場に送り出される主人公。
狙撃の質は見事だが前半は余り見せ場らしき所は無い。一触即発の戦場にて戦っている合間に、アメリカでの自分の家族が成長していく時間の流れに戸惑うクリス。
(狙撃している間も家族と電話で連絡を取り合う根性も凄いが)精神的にキツいのも分かる。
それでも緊迫する戦場に赴き活躍する。
「やはり俺の居場所はココなんだ」と言い聞かせている様だ。
徐々に最強の狙撃兵として活躍して行く訳だが、やはり見せ場は後半からの敵狙撃手との戦い。
ホント「意地」vs「意地」のぶつかり合い。
これをスナイパーと言う職種で観れるとは、ゴルゴ13もぶったまげるだろう。
戦場から帰ってきてからもある程度自分の地位を見出すが、あのラストとは、、、。皮肉にも見えてしまう。
ラストだけ実際の映像だった事もあり、初見の時は衝撃を受けた。
アメリカらしい伝説の物語。少し地味ですが面白い作品です。
戦勝国、止まれず
戦争の悲惨さを戦争の英雄を通して描いている、そこが素晴らしい。しか...
戦争で刻まれた心の傷
1番オススメの映画
♪This is the end~
♪This is the end, Beautiful friend
This is the end, My only friend, the end♪
イーストウッド作品は毎回積極的に見に行こうとは思わない。
巧みな攻撃、完璧な守備、華麗なパスワークだけど終わってみたら
0対0のサッカーの試合を見たような気分になるからだ。
だが、今回は少し違った。
プレイヤー(主人公)が逝ってしまったからだ。
意図せずプレイヤーは神格化され、そのチームは勝利したかのような錯覚に陥る。
作品はあくまでも0対0のサスペンデッドゲームなのに。
自分の記憶の中では主人公が逝ってしまうのは監督・主演作品でいうと
『センチメンタル・アドベンチャー』『グラン・トリノ』
だけのような気がする。
この国の原罪やPTSDの蔓延の事実だけを放り投げて、
あからさまな糾弾をしないのは
嫌いではないし、『ミスティック・リバー』のように反旗(半旗ではなく)の象徴として
の国旗の出し方などはむしろ好きなほうである。
しかし本作単体でみると、明らかな主張をしない0対0は図らずとも一方の勝利という誤解を招く。
ましてや渦中のテロリストの顔写真なんか出すと、
確信犯的戦争肯定派に利用されてしまって、ダーティ・リバタリアンの44マグナムでも解決できない。
最後にちょっと待った、そうはさせまいと、
無言のエンドロールや、鎮魂曲としてはニニ・ロッソのトランペット1本の方が効果的ではあるが、
あえてそうはしないでモリコーネのオーケストラ版で震える心を沈静させたりとか、
ラストを文字だけの表現にした所で、もう抑えられはしないだろう。
「イーストウッドさんこの状況をどう考えているの?」
「わざとだよ、狙いだよ、これがアメリカンスナイパーだよ、戦略大作戦だよ make my day」
「しっつれいしました!」
♪じーすいずじーえーんd♪
ノンフィクション
さすがイーストウッド
前から見たかった作品でやっと鑑賞できた。イラク戦争において伝説と呼ばれた男の戦中、そして戻ってからの苦悩を描いている。
この作品はアメリカにおいて、賛否両論で批判する人も多かったようだが、それはその人の戦争に対する考え方による問題で、素晴らしい映画であることは間違いないと思った。あまり、派手な演出を行わず生々しいリアルを描写したクリント・イーストウッドはもちろん、ブラッドリー・クーパーの迫真の演技とシエナ・ミラーの情の溢れる演技は素晴らしかったと思う。イーストウッド作品のラストのシーンの描き方が個人的には好きで、今作品もラストシーンとクレジット含めてとてもと良かった。
イーストウッドの戦争への考え方がどうなのかは知らないが、クリス・カイルという"伝説"と呼ばれた男の生き方を描いた映画としては申し分なく、素晴らしい歴史に残る映画であることは間違いないと思った。クリント・イーストウッドとブラッドリー・クーパーに賛美したい。
アカデミー賞逃したかぁ~
見つめる
スナイパーというだけあって、「見つめる」ことが随所に見られましたね。
当然、スコープを見つめる。
帰国時の家で、モニターを見つめる。
妻と二人のベッドで、虚空を見つめる。
新生児室のガラス越しに娘を見つめる。
そして見つめる先にクリス・カイルが見出すのは、常にありのままの外界ではなく、クリス・カイル本人の心だったのだろう思います。
今のアメリカをただ淡々と描き出そうとしたこの作品には、決して論争を呼ぶような政治的な偏りはないのだろうと思います。
ただただ、私たちはいったい何を見ているのだろうか、その自問をアメリカ国民に、そしてこの映画を観る者すべてに促すものだったのだろうと思います。
『グラン・トリノ』を撮ったイーストウッドの流れが、この作品にはあると思いましたね。
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