「人によって評価が分かれそう」アメリカン・スナイパー 山田 太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
人によって評価が分かれそう
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いろいろと考えさせられた映画でした。
主人公は典型的な南部出身のアメリカ人カウボーイ。
家族を祖国を同胞を守るために、男は銃を持って戦うべしという強い信念の持ち主。
「祖国が攻撃された」「イラクで同胞がテロリストの仲間に殺されている」と、これは単純な主人公の正義。
しかしそのテロリストにも家族や仲間がいて、自分の正義を貫こうと戦っている。
そしてアメリカ軍とテロリストの間に挟まれて苦しむ、イラクの無辜の人民たち。
一見、「強いアメリカの象徴としての主人公」を前面に押し出した祖国バンザイ映画にも見えます。
しかし、英雄と讃えられた強い主人公ですら、戦争で心を壊され苦しみます。単なるアメリカバンザイ映画なら主人公の苦しむ姿の描写はいらないでしょう。そしてその主人公は退役後、同じように苦しむ退役軍人の手助けをし、ついには...
「硫黄等からの手紙」で日米の軍人たちを敬意を表した監督が、実在した人物に光を当ててイラク戦争を描いた意図をいろいろと考えました。そして今もまだ考えています。
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