「めちゃくちゃ泣いた」博士と彼女のセオリー ガオカさんの映画レビュー(感想・評価)
めちゃくちゃ泣いた
まずは主演のエディレッドメインに拍手を送りたい。
正直個人的な問題だが、生理的にこの役者は苦手でした。
だからこれまで観ずにいたというのもあるんだが。
ただ、この映画で最優秀主演男優賞を獲得した事が疑いようもない素晴らしい演技だった。
徐々に身体の自由を失っていくのだが、
自由を失う程演技の幅も広がっている気がした。
何度も彼の演じるホーキング博士に笑顔にしてもらい、涙を流した。
そして、
妻役ジェーンを演じたフェリシティジョーンズ。
彼女もまた素晴らしい。
二人の役者は表情だけであらゆる物を伝えてくれた。
夫婦間の空気や息遣い。描かれていない
日常の苦悩や幸せまでもが見えてくるような。
それくらいリアリティを感じた。
不倫?を連想させるシーン等あるが、
彼女を責めきれない。
介護生活の中で疲弊していく様や、
いつ大切な人を失うかわからない想像を超える苦悩の中、彼女は良くやったと思うし
本当に愛情深い人だと思う。
またその相手であるジョナサン。
彼もまた紛れもなく素晴らしい人間。
ある種、ホーキング博士も彼になら託せたのかもしれない。
どうとでも解釈できるが、
最後最高の形で二人は別れて
友人として関係を続けたと思う。
ホーキング博士は自身の介護から、
ジェーン解放して、
心の繋がりだけを残したのかなーと個人的に解釈した。
最後介護士と結ばれた?が、
女王にお会いする際はジェーンと一緒だったのも、やはり最愛の人だからだろうか。
最後二人の出会いの特異点?
まで時間が巻き戻されるのだが、
この映画のフィナーレだと胸が高鳴り
本当に素晴らしい作品を観たと涙が溢れた。
ダイジェスト式に巻き戻されたこの作品を
もう一度、なに不自由ない幸せな出会いから
もう一度観たい。そう思った。
そして、
エンドロールで宇宙の特異点まで巻き戻っていく。
(これは違うかもしれないけど)
色々描いたが、
この映画には嫌な人間や、嫌な気分になる様な
暗いシーンはほぼ無い。
明日への活力や、生きる事の素晴らしさを存分にもらえる素晴らしい作品だった。
私の個人的な問題だが、
下記の言葉にとても救われた。
人生がどんなに困難だとしても、必ず自分が成功できるものがあるはず
人間の挑戦に限界はない。どんなにひどい人生に思えても、生きていれば希望がある
また繰り返し鑑賞する人生で一番の作品となった。
まだ観ていない人は是非観てください。