6才のボクが、大人になるまで。のレビュー・感想・評価
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主人公の成長から自分の人生を投影する。
まさに題名の通りの内容だなと。
実際に12年もの歳月をかけて撮っているので、キャストの年齢を重ねる様子がよりリアルに時の流れを感じさせます。
そうしたキャストの外見の変化や「何年後」というテロップがなくとも、会話の内容や環境の変化で時間の流れを掴める脚本と演出の素晴らしさが際立っていると思いました。
ひとつの家族を通して、「人生」について改めて考えるきっかけにはなるんじゃないでしょうか。
実際に、私は今までの自分を重ね、そしてこれからの自分のあり方を考えました。
多感な青春を過ごし、大人になっていく主人公の姿は、子供を持っている人と持ってない人とでは感想が変わるでしょう。
個人的な感想ではちょっと長かった…。若干眠くなってしまって、内容を吟味できなかったのは残念。
また家族を持ったときに見直したいです。
人生=時間、ではないからね。。。
12年かけて映画を撮る。同じ俳優で撮る。
6歳のかわいい少年は、ちょっとムサい大学生になる。
両親役の俳優は、痩せたり太ったり、突然シワが増えたりする。
普通はそんなことに気づかずいつの間にか変化しているものなのに、時の流れが1本の映画に凝縮されることで、劇場に座っている間にその変化を目の当たりにできるのは面白い経験だ。
だが、監督の意図がはっきりとしない感じは否めない。
おそらくは12年の間に監督の人生感も変わろうし、最終的な意図に沿う映像を、果たして撮り貯められていたのかどうか。
または、監督の意図を描くのに、12年間は本当に必要だったのかどうか。
原題は「Boyhood」なのでしょうがないのだが、まだ何も始めていない少年がでっかくなっていく(成長物語とはあえて言わない)のを見るのは大して面白いことではない。
特に、傲慢な気だるさを漂わせる高校生の時期は、本当につまんなくて、早く終わんねーかなーと思っていた。
確かに大人になっていくということは、少年時代の美しい感性を殺していくことかもしれないが、その代わりに得てきたものがつまらないものだとは決して言えないと私は思っている。
だから私は、監督のラストの描き方が好きではない。
12年間という長い年月を映画につぎ込んだ監督・俳優の労力は、評価する。
けれど、私はそれ以上の評価はしない。
なにがいいの?
6才から大学生になるまでの10数年、同じ役者たちで撮り続けた労力は、すごい。
・・・・・・ただそれだけの映画でしょ?
映画とTVドラマを同じ土俵で比べちゃ悪いが、日本の「北の国から」や「渡鬼」で、家族の成長記をみてきている手前、こんな場当たり的でツギハギだらけな脚本では心も揺れない。
だいたい、あのラスト、話が尻切れだし、「大人」になってないし。
主人公がしゃら臭い
主人公のメイソンが子供の頃は可愛かったのに、思春期を迎える辺りから、話しかけられるとちょっと難しそうな顔をいったん作って、ボソボソとかったるく話すようなしゃら臭いタイプになってしまい残念だった。
高校生になってもスカしたしゃら臭い若者で、それでいて、いい女が寄って来るのでムカムカした。
イーサン・ホークのお父さんぶりがすごくよかった。子供二人が会話をはぐらかそうとするのを、楽しく話をしようときちんと向き合おうとするところ、すごくよかった。あんなお父さんが欲しいし、そうなりたい。マッスルカーを売ってしまってミニバンになっていたのが悲しかった。
主人公が愉快な少年だったらよかったのに、あいつでは退屈で持たない。残念だった。お姉ちゃんで作った方が楽しそうだった。
家族のアルバムをゆっくりとめくるかのような。
ある少年が6歳から18歳になるまでのドラマを、
実際に12年間かけて撮影したという異色の作品。
監督のリチャード・リンクレイターは大ヒット作
『スクール・オブ・ロック』(2003) の公開前から
この映画を制作し続けていたことになる。
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ぶっちゃけて言ってしまえばこの映画、開幕から終幕まで
ある少年の日々の出来事が淡々と綴られていくのみである。
この物語を一体どう着地させるつもりだろう?と
中盤まで不安を抱いていた。
だが映画が進むに連れて、これはいわゆる“物語”として
楽しむ映画ではないのだという事を考え始める。
登場人物達によってA地点からB地点へ導かれるのではなく、
登場人物達と共に当てもないどこかへと歩き続ける感覚。
165分という長い上映時間で、派手なシーンも無いのに、
どうして彼らから目が離せないのだろう?
どうしてこんなにも親近感が湧いてくるのだろう?
スタンダードな――つまり年代毎に異なる役者が主人公を演じる手法では――
この感覚を生み出すのは至難の技だったと思う。
作り手はそれを見越して今回の12年間撮影という大胆な
手段を取ったのだろうけど、12年間同じトーンを保ったまま
映像・演技・演出を撮り続けるなど気が遠くなるような作業だ。
定期的に公開されるならまだしも、完成できる保証も無いのに
よくもモチベーションを保ち続けられたもの。
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『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や
『アメリカン・スナイパー』といった大型作品と共に、
2014年度アカデミー賞作品賞にノミネートされている本作。
上記2作品は未鑑賞ではあるけれど、本作を観ると、
作品を比較するという行為自体がどうにも無意味に思えてくる。
なぜって、この作品があまりに “唯一無二” だから。
同じジャンル・方向性の作品ならまだしも、
映画にはこんなにも多様な方向性があるというのに、
そこで優劣を競わせることに果たして意味があるのかと思えるから。
この映画に爆発的な感動や衝撃は無いだろう。
度肝を抜かれるような斬新な演出も無いだろう。
だがこの映画にはたしかに、誰かが歩んできた
人生の欠片が詰め込まれている。
作り手の、役者の、映画の中の登場人物たちの、
そして僕ら観客自身の人生の欠片が。
この映画はあなたに物語を与えてくれなどしない。
この映画は、あなたがこれまで歩んできた人生と
照らし合わせて初めて輝きを放ち始める作品だ。
この作品は主人公くらいの子を持つ親になった頃に観て
ようやく完成されるのかもしれない。
判定4.0としたが、僕はまだ本作を十分に観たと言えるほどの人生を歩んでいない。
10年後にこの映画を観直した時、今よりも高い判定を
付けられるような人生が歩めていたらありがたい。
懐かしくも微笑ましく、そして少し物寂しいこの手触り。
ちょうど、家族のアルバムをゆっくりめくりながら、
過ぎ去った日々に思いを馳せるような、そんな映画。
<2015.01,24鑑賞>
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余談1:
文脈に沿わなかったのでこちらに書くが、
主人公の両親を演じた2人が素晴らしく良い。
パトリシア・アークエット。
macfan_0102さんが既に書かれているが、
終盤、主人公の母親が突然泣き出すシーンは、
観賞後半月経った今でも鮮明に覚えている。
人生の重みがズシリと伝わる見事なシーンだった。
そしてイーサンホーク。
甲斐性無しで別れたとはいえ、優しくフランクに、
だがあくまで真剣に子どもと向き合う親父さんは
ムチャクチャ格好良く見えた。
成長していくのは子どもだけじゃないんだよね。
余談2:
タイトルについて。
『Boyhood(少年時代)』というシンプルな原題が何故
こんなあざとく長ったらしい邦題になるのだろう?
宣伝担当の主張が作り手よりも前に出てきてる気がして
すごく厭。
ちなみに原題は当初『12years』になる筈だったそうだが、
昨年の『それでも夜は明ける(12 years a slave)』と
混合されるのを避ける為に変えたのだとか。
公開までもう少しだったのに……。
人生はもっと長いと思ってた。
「人生はもっと長いと思ってた。」
母親オリヴィアが、メイソンを送り出す時に語るこの一言が、すべてなのだろう。そして、その言葉が重い意味を持つ齢に、自分もなってしまったと自覚してしまう。時に流れが緩やかで揺蕩う中で生きる時、人は幸せなのだと思う。しかし、その時代が過ぎ去り、その過去を振り返る時、ひとは人生の「短さ」に慄く。
たかだか上映時間が165分という「短い」刹那の間に、ひとは彼らの「記録」に寄り添いながらも、自らの「記憶」をいかようにも紡ぎだそうとする。
この映画は、現在から過去を振り返った映画ではけっしてなかった。絶え間ない現在という「瞬間」から、時を描いた映画であった。メイソンが切り取り撮す日常の風景は、私たちが生きる凡庸なる時間であり、なにも特別なものではない。しかし、その中にしか我々は生き得ることはない。12年間という絶えざる「瞬間」は、私たちにこう語りかけてくるのであろう。
記録映画みたい
ハリーポッターだって役者は変わっていないような?
だから、この内容で、もし、役者が途中かわっていたら?
訴えるものが少なすぎる。
途中から、外国の一家族の記録映画として観賞しようと思い、のんびり観てました。
親は高校卒業まで育てたら、ってあたり、日本より親離れ早いですね。
自力で大学行くイコール自由ってとこが日本にはない思想?
それにしても、長い。
一度トイレに立つ人数名。
そこのところ、見逃してしまうではないの…
休憩欲しい。
人間愛バロメーター
たくさんの高評価レビューで溢れていますが、残念ながらわたしには良さがわからなかったです。
他レビューを観ていると、自分の家族と重なって泣いたというのが多かったみたい。
なるほど、家族愛を感じる場所にいる人やその記憶がある人は心捕まれる何かがあるのかもしれません。
わたしは『人間愛』をもっているかどうかを試され、欠陥者の烙印を押されたような哀しみと、この映画の良さがわからないの?と言われたような落ちこぼれ感を味わうことになってしまいました。
毎年家族写真つきの年賀状を送られて喜ぶまたは楽しめる人は、この映画の素晴らしさを判ることができる人なのかもしれないな、と思います。
21世紀の叙事詩
6歳から18歳、何をやってもうまくいかなかったけど、人間にとって正真正銘の高密度な黄金期。
子役の子は別人のように成長し(ほんとだったら別人が演じてもわからない??)、一方、当たり前だが、既に大人だった親世代たちは外観も性格も一貫している。
迷い道だらけだったあの黄金期を追体験させていただきました。
子どもの高校卒業を大勢の親族で屈託なく祝うアメリカ人って、ホントにあのおめでたさが普通なのだろうか。ついでに、ピックアップトラックはTOYOTA、ネイサンのデジカメはCANONでしたね。それも同じく普通なのね。
思いのほか早くやってっきた子どもの自立に、ちょっとハートがついてけない母親にいちばん感情移入してしまい、最後は泣けました。私50代のおばさんだから。
にしても、大人になった、っていうか、大学入学、日本人的にはまだまだ大人扱いされにくいモラトリアム期間が始まったわけですよね。青春!あーん、戻りたいよう~!!
スタッフと出演者の皆様の継続の力に敬服いたします。
はじめの家族がいちばん・・・
ボクの成長が、母の男の乗り換え運転を通して、変わっていく家族構成の中できれいに描かれていた。6才から12年間を追ったことで、ドラマというよりも一つのドキュメンタリーが出来上がったように思えた。ひとりの少年のロードムービーとでも言えようか。功労としての評価はものすごい高いであろう。
続編が観たい!
18年前に撮影をスタートさせた時に、どこでクランクアップする気だったんだろう?
どうせなら、とことんやって欲しい。あと15年後ぐらいに、結婚もし、父親と同じくクソ親父になるのか、反面教師で良い父親に生るのかとか、興味が湧く。それにしても、アメリカの家族って、あんな感じなんだろうか?
どうみても、母親がダメ男製造器に見えるんだけど…。
奇跡を観にいけ!
わずか2時間半ほどで、遠い国のある家族の10年を、覗き見させてもらった感じ。あー、アメリカってこうなのか、とも思うし、世界中で、人間のやってることに大差はないなとも思う。強いて違いをあげるなら、政治に対する距離感は日本よりはるかに近いのと、セックスの捉え方に妙な倫理観や後ろめたさがないところは、日本人としては羨ましかった。
作られたドラマなのに、リアルなのは、すべての役者が、自分の経てきた時間をそのままそこに焼き付けざるを得なかったから。
「この仕掛けを思い付いた時、成功が約束された」というような書き込みをみたが、それは違う。思い付いても実現出来たことは奇跡だ。その奇跡が、目の当たりにできる幸運をいま私たちは手に出来る。観に行かないなんて選択は無いはずだ!
もうひとつ何か欲しい
アカデミー賞最有力と言われる本作。
12年間同じ役者を使って撮ったという話題性だけでも映画としては成功していると思う。
ただ、ストーリー重視派の自分には少し物足りなかった。
12年間同じ役者を使って撮ったのは、登場人物たちの成長と老い、そして母親のダメンズウォーカーっぷり。
子供達にとって父親としての役目を果たしていたのは、歴代父親の中で唯一出続けた実の父親だけだ。
基本的に子供達の成長を見守る視点で観ていたが、たまにメイソンの目線で「また母親に男ができるのか…」といった感情も抱く。
そして後半には間延びしてしまった感。
メイソンが大学に行くために家を出て車を運転しているシーンで終わった方が後味は良かった気がする。
同じキャストを12年間使ったといったことを抜きにして、もう少しインパクトが欲しかった。
反面教師が多いほど人は成長する?
12年間同じキャストで撮り続けて1本の映画にするなんてフォロワーもないだろうからそれだけでスゴいんだけど,ちゃんと話になっているというか,反面教師は多い方がよいかもwとか
まさに6歳のボクが大人になるまで!!
こんな映画はみたことない!
タイトルの通りに展開するので、映画のなかの時事話題もそのとおりになっている。
内容が面白いというか、スケールにひきこまれますね。
すごくよかったです。
取り組み自体を評価!!
大きなことは起こらない、家族の12年間を描く3時間は、けっこう長く感じた。
でも12年間同じキャストをコツコツと撮り続けた監督の気合いというか、アイディアというのはやっぱりすごい。
どこかのシーンに感動とかあるセリフにジーンとかそういうことじゃなくて、見終わったあと感じるのは監督への畏敬の念かな。
凄まじい、それでいて凪。
なんとも言葉にし難い凄味に溢れた一本。
リンクレイター監督の、背筋が寒くなるような才気に震えた。
技術的なものは置いておくとしても、誰にも等しくある「人生」を切り取り、登場人物を限りなく人間臭く描いた妙。
欠点があってこその人間というのは頭で分かっていても。
それをなかなか許せない、感情というものになかなか勝てないのが人間なのだろうね…
何かしらの共感が必ず見つかる作品。
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