6才のボクが、大人になるまで。のレビュー・感想・評価
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99%の平凡な人生への讃歌
特筆すべきいかにも「映画的」なことは起こらない。 それなのに、まるで自分の人生のことかのようにのめり込んでいる。 原題はボーイフッド(少年時代)なのだが、多分40代以降の世代の方がグッとくるものがあるのでないだろうか。
劇中、メイソンの成長とともに「青春あるある」のオンパレードになるのだが、それよりも自分の年齢に近いから、母親のオリヴィア(パトリシア・ アークエット)の振り絞るセリフ「人生が短すぎる」が、最後に胸にズシンと響く。
孫に銃をプレゼントしたり高校卒業を祝うパーティを開いたりと、アメリカと日本では文化が違うところも多々あるが、メイソンの一家が織り成す生活は国を問わず普遍的なものばかりだ。
個人的に親が三回離婚しているので、メイソンやサマンサにすごく共感した。
自分ではどうしようもない環境の変化に「すごくムカつく」と叫ぶしかない子供の無力さ(笑)。
初めから繊細な感受性を持っているメイソンのイノセントさを、12年も表現し続けたコルトレーンは凄い。 一歩引いた目で家族を、社会を見つめ続け、でも決して誰を責めるわけでもない優しい男の子。悟ったような口ぶりもするが、その実自分の世界に入り込むことで安心感を得ている多感な状お年頃を、自然に演じていた。
成長するのは子供だけではない。 いつまでたっても子供のような夢を見ながら現実をごまかす実父のメイソンsr(イーサン・ホーク)に、共感する人も多いのではないだろうか。社会と折りあいをつけるのは、いつも女性の方が早い (笑)。
そんなイーサン・ホークの役どころはダメンズ一歩手前だったけど、子供たちと正面から向き合う姿は良かったなぁ。個人的には彼も助演男優賞もらってもいいと思ったよ。
160分は映画としてはとても長いのに、描かれていない部分をもっと見たい!という物足りなさも。特にオリヴィアが、どうしてダメンズばかり捕まえてしまうのか気になった(笑)
メイソンがラブラブだった彼女との破局までの道のりも気になる…
振り返れば最初は順調だった恋って、いつ歯車が狂ったのか不思議に思うことって、多いよねぇ…。
どんな人生を送っていても、誰にでも等しく時は流れる。
人生って滑稽で思い通りにいかなくて、いつも物足りなくて。きっとほとんどの人は自分の人生に不満足。
そんな平凡な大多数の人間への愛情あふれる映画。時間を共有しながら半生を追体験し、せつなくなりました。
そして中年になるまで。
アカデミー賞予想で評論家がこれが作品賞っていってたけど、
サラリと「バードマン」に持ってかれた本作。観てみれば納得。
カメラ好きのお父さんが撮り貯めたホームビデオの趣に近い。
「ビフォア~」のリンクレーター監督のリアルなダラダラ感が
私は好きだ。あの台詞もあの暴言も「あるあるネタ」に値する。
同じ役者を12年間使って一本の映画を作る。っていう実験映画
なんだけど、日本にだって同じ部類は多い。北の国からだって、
渡る世間~のえなり君だって、みんな見事に成長したもんねぇ。
子供の成長は楽しみであり残酷だ。ということがよーく分かる。
それがまさにこのリンクレーター映画なのだ。6才のメイソンが
両親の離婚から引越し、母の再婚、義父のDV、実父との交流、
初恋、挫折、夢、卒業と普通の子供が体験していく段階を生き、
もう12年も経ったんだ!を味わわせてくれる。面白いか否かと
いうよりは懐かしいかどうか、といったくだりで、誰もが体験
してきたいちばんの想い出をいま一度噛みしめるといった感じ。
P・アークエット演じる母親の結婚運のなさには泣かされるが^^;
新しい男とくっつく度にメイソンが「あーまたか」っていう顔して
ほくそ笑んでいるのが印象的。男の子ってのはホントよく見てる。
しようもない両親であろうと子供たちが一向にグレないのは凄い。
今作は夏休みの一か月を利用して毎年撮られたということなので、
季節が夏しか登場しない。継ぎ目で一年後の彼らに出逢うのだが、
あっという間に変貌を遂げた彼らの成長ぶりこそ奇跡!の賜物。
時間の経過による変貌は子供どころか親にも襲いかかるけど(泣)
12年間その姿をカメラに晒し続けたホークとアークエットには
素晴らしいの一言しかない。歳とってなんぼ。とはよくいうけど、
貫録を備えた逞しい俳優になった。映画ではほとんど中身が成長
していないところがまた魅力で、そう簡単に人間は変わらないと
いうところもよく描けている(生活面では向上しているけどね~)
(お母さんお疲れさま!あと葬式だけなんてそんなことはないから)
マイケルシャノンに似すぎ
成長物語✨
メイソンと、サマンサと、両親の四人が成長していく姿が描かれてました。
妻は幾度も再婚離婚を重ね、それに従って子供達もいいこと、悪いこと様々な経験をした。夫も、彼は彼で第二の人生を送っているようだった。
この物語は、妻が再婚した夫を中心に描かれていたように感じたのは私だけだろうか?
12年の歳月をかけて作られたということにはとても大きな価値があると思う。
後からジワジワ
他にはない作品
こじらせ男子
03.08
6歳のボクが大人になるまで。
boyhood
昨夜イクスピアリに訪れたら
この映画は昨日までだったと聞き
諦めて違う映画を見ることにした。
なおさら見たい!
少し早起きして有楽町へと出かけた。
4人の役者が12年間、
同じ役を演じ続け、
12年かけて撮影したという
この、前代未聞の映画
ストーリーがどうのこうの
演出がどうのこうの
そんなことはすっとばして、
ただただ優しい映画だった。
ただその事実が全て。
といった感じだろう。
興味本位で見に行き、
観れたことにただ満足である。
成長物語
6才から18才まで12年間を同じ俳優が演じる、ということは断続的ではあるが、ずっとその映画を撮り続けたということで、そのプランを考え実行したという事実に驚く。
しかしアイデア勝負の映画ではなくじっくりとしたドラマが描かれていた。
ナイーブな幼少時代から徐々に自我が芽生え成長していく主人公。その表情がイイ。髪型も年ごとに変化があったりして。親の再婚や引越しで否応なく変化していく環境に振り回される感じもリアル。
親との関係性など自分の事に重ねて考えてしまったり。子供がいる人は親の方に共感してしまうのだろうな。
やや長めだが自分は退屈しなかった。ドラマチックでないラストも良い。
演技はパトリシア・アークエットはもちろん良かったがイーサン・ホークのちょっとダメな父親の姿にグッと来た。
サウンドトラックがすごくよかった。それとそれと…Bright Ey...
渡鬼
よかった
19から一人暮らしを始めた自分は主役の男の子メイソンにすごく感情移入しつつも、もうすぐ家を出て1年になるのでお母さんのオリヴィアの気持ちもなんとなくわかるような気がして、いいタイミングで観れたなと思った。
メイソンが家を出るため荷物をまとめるシーンでもう少しお母さんに優しくすればいいのに、と思いつつ俺もあんな感じだったなとか思って申し訳ないような照れくさいような気がした。
20年生きてきて今までを振り返ると意外とあっという間で、これから先どうなるかなんてわからないけど、もっと大人になったときにもう一度この映画を観たいなと思った。
隣の席に自分の母親よりちょっと年上ぐらいのおばさんが座っていて、その人が泣いていたのがちょっとグッときた。
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