「12年。」6才のボクが、大人になるまで。 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
12年。
12年間の家族の軌跡の物語、といえば、普通にホームドラマをイメージすることになるが、本作はそれを本当に12年かけて撮影している。
なぜそういうことをしようと思ったのか定かではないが、映画はことの他成功している。
まだ子どものメイソン(エラー・コルトレーン)がパソコンでなにやらしているシーンがある。見るからに旧式である。その後iPodが出てきたり、TVゲームの進化もみてとれたりする。そのあたりのことを意図してやっていたとすればものすごいことである。
「○○年」とテロップが出るわけではない。主にメイソンの様子で年数がたったことがわかる仕組みである。
父(イーサン・ホーク)にしろ、母(パトリシア・アークエット)にしろ、確かに12年の年月はたっている。そのことが画面に刻まれているのもすごいことである。
どのようにして脚本が書かれ、どうやって撮影していったのか興味はつきないが、リチャード・リンクレイターの意志の強さは感じられる。よく完成にこぎつけたものだ。
さて、メイソンの大学生活はどういったものになるのか。こうなれば、それも観てみたい。
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