「成長の記録を覗き見」6才のボクが、大人になるまで。 だるまさんの映画レビュー(感想・評価)
成長の記録を覗き見
この映画の主人公の人生が、ただ淡々と映し出される。過去の出来事が時を経て意外な線で結ばれたり、劇的な成長を促す事件が起こるわけでもない。独特の感性を持った男性の、大人になるまでの記録をひたすら見せられる。人によっては退屈なだけと感じるかもしれないが、ありのままのように見える人生を映しているからこそ、どこかに現実味と、共感できるポイントを見つけることができるのだと思う。そんなリアルを感じさせる後押しをするのが、12年の歳月をかけた撮影だ。時間をかければいい作品を取れるわけじゃないけど、この映画にとっては、意味のある苦労だったと言える。
強いて言うなら水道管工事の青年再登場の下りは、フィクションの面を感じさせると言う意味で少し浮いていたように感じた。しかし、この映画が労力に見合う最高の一本であることに変わりは無い。
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