「12年間という歳月がくれるもの」6才のボクが、大人になるまで。 kskさんの映画レビュー(感想・評価)
12年間という歳月がくれるもの
<ピックワード>
・4人の主要キャストが12年間役を演じ続けた
・経験したかもしれない一つの人生の物語
・監督の娘が主要キャストとして12年間出演
ドキュメンタリーではないが限りなくドキュメンタリーに近く、ノンフィクションではないがフィクションとも言い難い…(完全創作ストーリーのフィクションではあるんだけど)
一人の少年の視点で描かれる12年間の物語。
実際に撮影に要した期間は12年、その間主要キャストは変わらずラストまで演じ続けたことで話題になった作品。
撮影は毎年夏に一度だけ集まって行われた。
劇中、気がつけば主人公の髪型が変わってる、ヒゲが生えている、声変わりしている、など容姿や環境の変化で時代の流れを表現するあえての手法がとても良い。
とにかく説明を求めたがる日本人には合わない作品であることは間違いない、そういった人たちからは批判しか生まれないのが残念でならない。
淡々としたシーンが続き、盛り上がりもなくラストまで進む展開に飽きる人も多いようで…。
この作品にはかつて自分が経験したかもしれない一つの人生が、約3時間という短い(映画としては長い)時間に詰め込まれている。
とにかく名言が多く何かを受け取ることの多い作品。
何も得られなかった人にはただ3時間の長くつまらない映画、一つでも何かを得られた人には心に残る一本になったのではないかな。
ラストシーンの
「どうしてみんな"一瞬を逃すな"っていうのかな、私は逆だと思うの、一瞬は私たちを逃さない」
「分かるよ、時間は途切れない、一瞬は常に今ある時間のこと」
というセリフで監督がこの作品に込めたメッセージがようやく観ている人たちに伝わる
時間は止まることを知らず、いつも僕たちを逃してはくれない。
辛いことからも、嬉しいことからも、悲しいことからも、幸せなことからも。
過去を悔やんだって、過ぎ去った過去は変わらない
未来を思ったって、見えない未来はわからない
今自分を取り巻くこの"時間"という一瞬を、精一杯生きていこう
印象に残ったワンシーンは黒帯画像のやつで。
自分が親になった時にまた観たい
そしたらきっと見方が変わっているはず
親世代の人たちに見て欲しいです