自由が丘でのレビュー・感想・評価
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丁寧な暮らし系
ホン・サンスってアレでしょ、ウェットな黒髪ボブでオン眉で個人経営のタバコが吸えない喫茶店とピラティスとパクチーと観葉植物が好きな30代半ば魚類顔の女が平日の業後に渋谷のヒューマントラストで観るやつでしょ、という偏見ありきで初めて臨んだホン・サンス作品だったのだが、結果から言えば俺の偏見は概ね間違っていなそうだ。
とにかくあらゆる夾雑物が取り払われていて、必要なものごとだけが必要なぶんだけ配置されている。そしてそれらすべてが正常に機能している。にもかかわらずスタンリー・キューブリックやロイ・アンダーソンのような神経症的な作家の作品とは正反対の心地よさ。時系列のシャッフルといういかにもSF的でギーク的な手法も質素な手つきでサッと捌いている。ゆったりとしたトーンの中を漂うタバコの煙はまるで上品なお香のよう。徹頭徹尾「健康に無菌的」な映画だ。こういうのを「丁寧な暮らし」系と呼ぶんだろう。え呼ばないんすか、じゃあ俺が呼びますね。
生活のトーンを一定化させることに心血を注ぐ人々にとってはこの上なくハマる映画なんだろうなと思う。一般的な韓国映画にありがちな絶叫も暴力もミステリーもこの映画には存在しない。気の利いた大人の恋愛があって、そこにいくつかの気の利いた回り道があるだけだ。
ただ残念なことに、俺は生活のトーンを一定化することにそもそも興味がない。むしろ一定かと思われていたものが何かとの関わりの中で少しずつ変貌していくこと、あるいはそれに対する漠然とした不安に俺は惹かれる。ゆえに今一つ作品に乗り切れなかったというのが正直なところだ。
何はともあれまだ1本目なのだからもう少し見ていかないことには何とも言い難い。冒頭に述べた偏見が徐々に瓦解していくことを祈るばかり。
【”時間” ホン・サンス監督が、時の流れを敢えて錯綜させながら描いた、日本男と、韓国女の恋物語。】
■思いを寄せる韓国人女性・クォン(ソ・ヨンファ)を追ってソウルへとやって来た日本人青年・モリ。(加瀬亮)
彼女を探して街をさまよい歩き、届かぬ思いを日記のような手紙に綴る。
ある日、迷子になった犬を見つけたことから、カフェ“自由が丘”の女主人・ヨンソン(ムン・ソリ)と良い雰囲気に…。
<ホン・サンス監督らしい、一見難解に見えるようだが面白い恋物語の小品。
加瀬亮は、どんな役も、巧く演じる俳優である。>
加瀬亮が好き
ホン・サンスと言えば、小洒落た雰囲気に男女関係があけすけなので、ヨーロッパウケするのもうなづける方です。そして今作もやはりいつものホン・サンスな味付けで、登場人物の行動が読めないところとかふわっとしたところも加瀬亮の雰囲気とあってました。主役がいつもモテ男なんですよね。
加瀬亮はガス・ヴァン・サントやキアロスタミの作品に出演していて、今回はホン・サンスってなかなかです。そしていくつになっても素敵です。
自由な作風で
主演は日本人、舞台と監督と共演は韓国、台詞は主に韓国語と英語…という、韓国映画だが、何とも不思議な作品。
話自体も。
想いを寄せる韓国人女性を追って、ソウルへやって来た日本人青年。
なかなか再会出来ず、ソウルで過ごす中、一匹の犬を助けた事から、カフェの女主人と親しくなり…。
あらすじだけ聞くと、ドラマチックでロマンチックなラブストーリーのように思えるが…、
主人公の日本人青年と韓国で出会った人々との交流を、ほとんど会話劇中心で描かれ、作風も淡々と。
時間軸もバラバラ。と言うのも、主人公が想いを寄せる相手に手紙を送り、その手紙を読んでいるという構成なのだが、送られてきた順には読んでいない。抜け落ちた手紙もあり。
演出も普通のカメラで撮ったような映像も独特、実験的な構成や加瀬亮の全編ほとんど英語など、不思議な味わいでユニークではあるのだが…、
尺は1時間強。何となく見てたら、何となく終わってしまった。
皆さんのレビューでやっと理解
こういう映画の読みがすごく苦手で見終わったあとに、え!おしまい?と思ってしまった。自分のセンスの無さに絶望。どうやら手紙がバラバラになったことから時間軸もバラバラにしてたらしい。ああ、そう言うことか!(笑)ゆったりした時間が流れてとても良い雰囲気。あんな町に住んでみたい。入り組んだ道とか、おしゃれな店。ゲストハウスもデザインが素敵。1時間とちょっと不思議な世界観に浸れた。加瀬さんカッコいいなぁ。
チノパンが格好いい
ストーリー展開が不思議で入り組んでる。けど全然分かりづらくもないし嫌味でもない
オープニングの音楽がとてもいい。この曲を聞くだけでこの先どんなトーンで話しが進んでるいくのかがわかる。から別に何も起こらないけど退屈じゃない。
加瀬亮、かっこいいな。あのチノパンが欲しい
ホン・サンス
ホン・サンスの作品は今まで見たことがなく、正直加瀬亮が出演ということで初めて見た。
そしたら、最初の会話のやり取りですぐにやられてしまった。
ジム・ジャームッシュのような小気味良く奥深い言葉の連なり。
サンウォンlove。
これでまたお互いの国が少しでも繋がっていけたら。
とても、とても心地の良い映画。
メリハリ(緩急)がはっきりしない。
ただただ単調。監督の撮影技法ズームイン&ズームアウトに違和感を感じ ました。主役モリが、 常に吉田氏の文庫本「時間」を持ち歩いているのかその理由をもっと前面に出 して欲しかったです。 もっと小出しにすべきエピソードがあったのではないか。モリが 彼女を追いかけるのに なぜ韓国まで渡ったのかそこが曖昧。個人的にラストシーン、追いかけた 彼女と出会い、 その後をナレーション
のみで終わらせてしまうのは如何ものか?加瀬さん は『はじまりのみち』の 方が良かったです。 強いて良かったのは、加瀬さんの流暢な英語による会話か。
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