誰よりも狙われた男のレビュー・感想・評価
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とにかく地味な諜報活動
主演がフィリップ・シーモア・ホフマンで無ければ最後まで観られなかったかもな…
っていうぐらい地味な話。
諜報活動とかミッション・インポシブルみたいな派手さは無くて、このくらい地味なのかもな。
チェチェン人を泳がせてさらに大物イスラム教関係者を逮捕したいフィリップ・シーモア・ホフマンと他者との対立がこの映画の骨子。
動画配信で映画「誰よりも狙われた男」を見た。
劇場公開日:2014年10月17日
2013年製作/122分/G/アメリカ・イギリス・ドイツ合作
原題:A Most Wanted Man
配給:プレシディオ
フィリップ・シーモア・ホフマン
レイチェル・マクアダムス
ロビン・ライト
ウィレム・デフォー
ダニエル・ブリュール
原作者のジョン・ル・カレは2020年に亡くなっている。
「寒い国から帰ってきたスパイ」
「リトル・ドラマー・ガール」
「ナイト・マネジャー」
「ナイロビの蜂」
「誰よりも狙われた男」
「われらが背きし者」
がドラマ化や映画化されている。
トルコからドイツのハンブルクに密入国したチェチェン人の男。
この男は国際指名手配されているイスラム過激派組織の一員。
ドイツ諜報機関のフィリップ・シーモア・ホフマン、
CIAのロビン・ライト、
ドイツ警察の3者がチェチェン人を狙っていた。
チェチェン人を泳がせてさらに大物イスラム教関係者を逮捕したいフィリップ・シーモア・ホフマンと他者との対立がこの映画の骨子。
派手なアクションなどほとんどないが、
ターゲットを拉致したり監禁したりすることも厭わない諜報機関のやり方もしっかり描かれている。
冒頭からラストシーンまで緊迫感が途切れない。
原作の力だと思うが、
脚本もしっかりしていて見応えのあるすばらしい作品だと思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
ドンパチがないテロものだが良質な作品
予備知識なく視聴、辛気臭い展開で騙しものかのようであったが、本流を理解する頃にはとても魅入ってしまいました。
ドンパチ、心理戦というより、ハードボイルド。そして舞台がアメリカではなくドイツ、渋いベンツなどなど、コダワリたっぷり。
なぜドイツ語じゃないんだろう?
諜報員たちの静かな攻防戦。リアリティのある抑揚の無いしぶーい映画で、
だからこそ言語だけリアリティに欠ける事が気になってあまり集中できなかったのが心残りです。
ダニエルブリュールいるので余計にになぜ…という気持ちに襲われてしまってなんか勿体無い見方をしちゃったなあ…。
といいつつ、フィリップシーモアホフマンは、ヨーロッパ多言語話者の話す英語を喋っている感が出ていて、やっぱり最高の役者さんだ…と感嘆するしかなく。
映画の結末も相まって、なんだか物哀しい気持ちにもなりました。
すごい。とにかく演技のすごさを感じる。
フィリップ・シーモア・ホフマンの素晴らしい演技がとても堪能できる一本。
ストーリーもとても楽しめた。
対テロリストの部署にいて
仕事以外のことに興味を示さない男が主役で
その役を見事に演じ切ってくれてます。
何度も策を講じて敵を追いつめていく
目の離せない展開で、
ラストにおぉ〜と思わせてくれる数少ない映画。
タイトルもバッチリだし文句なしです。
いい意味で、主役がこのビジュアルで
最後まで飽きさせず、
のめり込ませてくれる演技ができる役者さんは中々いませんね 。
この人の演技がもう観られないのは非常に残念。
予告のラストは永久保存版
凄いタイトルだ。
全部鑑賞して振り返るとなおさらズシンとくる。
テロ。
絶対に防ぎたいけれど難しい…。
イッサは本当のところはどうだったんだろう?
日本でもテロ対策法が取りざたされていたけれど、イッサみたいな目に合うのかな?
名優の演技や演出等の映画としてのおもしろさに酔いしれるとともに、すぐそばにある現実と思うと、怖い…。
トミーやアナベル達もいつの間にか巻き込まれているわけだし。
原作未読。有名な『裏切りのサーカス』未鑑賞。
かなり端折っているのだろう。あの息子が父を裏切る理由が???だったりするのが難点といえば難点だけれど、映画の評価を下げるほどではない。
そんなわけのわからんところが、何に巻き込まれてどうなっていくのか?あの人の真意は?見えない相手はどう動く?と、渦に巻き込まれてしまった緊張感を体験させてくれる。
ホフマン氏の遺作。
本当にいつ倒れてもおかしくない様子が、演技なんだか地なんだかで、観ていて痛くなる。尤も演技にひきこまれて、後半気にならなくなるけれど。
あの予告は永久保存版。本当にいつまでも観ていたい。
そんな映画の余韻と、ホフマン氏への哀悼に逡巡するエンドロールに流れるのが、トム・ウェイツ氏の歌。沁みわたる。
月並みだけど、ほんとーーに、惜しい人を亡くした、と言ってしまう。ま...
月並みだけど、ほんとーーに、惜しい人を亡くした、と言ってしまう。まだまだいろんな作品で見たかったし、これからますますセクシーっぷりを発揮してくれそうだったのに…。残念でならないです。
そしてロビンライトがキレイになっとる!
時事が何ひとつ分からない!!
同じ原作者の「裏切りのサーカス」と同じく、こちらもつまらなかったです。アメリカとイスラエル、サウジアラビアで共謀してテロリストを育成しているので、枝葉の部分だけ小難しく描写しても何も分からず面白くも何ともないです。レイチェル・マクアダムスは「アバウト・タイム」で苦手でしたが、本作は眩しかったです。
面白く深い
深いね。ホフマンの深い役作りが印象に残るね。諜報戦での冷酷なCIAと対照的に諜報員を守ろうとする熱いキャラをホフマンが演じる。アクアダムス演じる弁護士の脇役もなかなかだな。しかしオチではCIAに全て持って行かれる悲しい結末やな。
月並みだけど、ほんとーーに、惜しい人を亡くした、と言ってしまう。ま...
月並みだけど、ほんとーーに、惜しい人を亡くした、と言ってしまう。まだまだいろんな作品で見たかったし、これからますますセクシーっぷりを発揮してくれそうだったのに…。残念でならないです。
裏切りのサーカスの原作者だったのかあ。あっちよりは軽めかな。
そしてロビンライトがキレイになっとる!
許されたいと願うことさえ許されない [各所修正]
元MI-5(英国軍情報部)出身の作家ジョン・ル・カレの
2008年刊行作『誰よりも狙われた男』の映画化にして、
昨年急逝したP・S・ホフマン最後の主演作。
ドイツに密入国してきたチェチェン人の青年イッサ。
ドイツの情報局はイスラム教徒である彼が
テロを企てている可能性を憂慮して彼をマークするが、
ベテラン局員のギュンターは彼をわざと泳がせ、
更に大きなテロ情報源を得ようと試みる……
というあらすじ。
鑑賞中に思い出したのは2012年公開の『外事警察』劇場版。
テロに対抗する為には民間人を利用する事もいとわない非情な世界。
イッサの悲惨な過去に同情を寄せ、彼にドイツ国籍を
与えようとする弁護士アナベル(R・マクアダムス)、
イッサの父と関わりを持ち、彼の父が残した
莫大な資産を管理する銀行家ブルー(W・デフォー)、
ホフマン演じるギュンターは民間人である彼らを
危険な世界へと引き摺り込む。
脅迫紛いの方法と良心に訴える方法とを巧みに使い分けて彼らを懐柔し、
過激派に関わりがあると思しき人物をイッサを利用して
罠に嵌めるよう仕向けるのである。
非常に打算的で冷徹な男に見えるギュンター。だが
物語後半になるに連れ、実はその内側には熱い血が
流れている事が分かってくる。
恐らくは彼の血を静かに沸き立たせた、CIA局員の言葉。
子供の戯言のようなその言葉を彼は繰り返してみせる。
「世界を平和にする」
もしかしたら、打算的に見えた行動の数々も――
情報屋のイスラム人青年を気遣う言葉も、
イッサをかばう弁護士を説得した言葉も、
銀行家ブルーの熱意を掻き立てた言葉も、
本当は駆け引きでも何でもなく、
彼の本心からのものだったのだろうか。
だが、あの瞬間。
突然みぞおちを殴られるような衝撃を味わうあの瞬間。
何かが起こる予感はしていたのだ。
それでも僕は裏切られたのだ。馬鹿だったのだ。
世界はこんなにも無情か。こんなにも非情か。
許されたいと願う事すらも許してくれないのか。
あの人物の魂からの叫びが、あの打ちひしがれた
哀切極まる表情が、未だに頭を離れてくれない。
.
.
全編ポリティカルサスペンスとしての緊張感に溢れ、
それでいて奥底には人間性を感じさせるドラマがある。
P・S・ホフマンを初めとした役者陣も残らず見事。
そして、あの幕切れ。
僕は完全にやられた。素晴らしかった。
<2015.01.25鑑賞>
余談1:
昨年10月の公開で劇場鑑賞は諦めていたが、
嬉しい事に少し近所のミニシアターで上映!
滅多に行かないのでなんだか申し訳ないけど
ありがとう某ミニシアター様……。
昨年観てたら2014年個人ベスト10内に挙げてたと思う。
余談2:
前述通り本作は、P・S・ホフマンの最期の主演作。
優れた演技力は勿論のこと、優しくも傲慢にもなれる
彼の風貌は、善悪の境界線のキワキワを歩む役において
ひときわ威力を発揮していたと思う。
序盤で彼が夜の街頭を歩くシーン。
店の照明をバックに浮かび上がる彼のフォルム。
彼で無ければ成立し得ないシーンだと思った。
亡くなるには早過ぎる役者さんでした。
ご冥福をお祈りします。
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