きみはいい子のレビュー・感想・評価
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虐待の連鎖を断ち切って生きる
池脇千鶴の演技が素晴らしい。乗り越えて明るく生きる彼女と、まだ過去のトラウマの渦にハマっている尾野真知子のコントラストが映画を引き締めている。
一方、ある小学校の新人教師、今時の文句タレがいろんな経験を経て成長していく。
2つの物語が進みながら最後には少しだけ光が差し込んで終わるのが良かった。幸せに向かう姿が思い描けて幸せな気持ちになった。
人の温もりを感じる映画です。
タイトルなし(ネタバレ)
親に悪い子、と言われている子に
きみはいい子だよ、と言う先生。
子を叩いては後悔する母。
他の母達だってしているはず、と聞き耳を立てる
認知症気味の独居老人が助けてあげた知的障害のある子。
その母に、とっても良い子ね、と語りかける。
みんな何処かに寂しさを抱えていて
若い先生は毎日の忙しさと、教師という立場だけでは
踏み込めない領域に憤りを感じたり。
ある日、ちょっとした事がきっかけで幼い甥っ子に
抱きしめられてその温もりの大切さに気づく。
そして先生はクラスの子に
家族に抱きしめてもらう、という宿題をだす。
これは、いもとようこさんの『宿題』という絵本が元ネタかと。
宿題の感想を聴くシーンはきっと台本なしのリアルな声なんだろうね。ちょっと泣けた。
ラスト、学校に来なくなった
悪い子と言われてる子の元に先生がかけつけるシーン。
先生の決意の表情も終わり方もとても良く
きっと生徒のためにとことんやってくれるだろうと思わせる終わり方だった。
辛い
最初が
児童虐待、貧困家庭、虐待の連鎖など、目を背けたくなる問題がいっぱい...
残念ながら高良健吾が大好きだ!
泣ける
見終わって直ぐに、息子を抱きしめました。もう12歳、普段なら嫌がると思うんだけど、素直に抱きしめられてくれた(笑)
我が子も支援級在籍なので、自閉症の子のお母さんの気持ちが痛いほどよくわかる。『いい子ね』なんて言われたら泣ける。
5時までは帰れないと言っていた子の所へ、汗だくになって向かう先生。どうか助けてあげてほしい。
虐待してしまう母親、気づいて優しく背中をさする池脇千鶴さん、本当になんて表現したら良いかわからないけど、私も泣いたよ。
我が子も育てづらかった2歳の頃、オノマチと同じように冷めた目で子供を見ていたと思う。虐待こそはしなかったけど、心底『子育て向いてない』と思って働く事にした。それから10年あっという間。
今思えば、我が子をもっともっと抱きしめたら良かった。あんなに辛かった子育ても、昔のビデオや写真を見るとかわいい子供の姿。懐かしい気持ちと、自分の至らなさに反省です。
とにかく色んな思いが蘇った作品です。
宿題「家族に抱きしめてもらうこと」
※原作未読
虐待やいじめなどのネグレクト、学級崩壊など現代社会の問題を、子供と接する大人の視点で描いた群像劇。
大きく三人の主人公にスポットを当てて物語が進行する。三人は交わらないが、間接的に繋がっている点は面白い。
学級崩壊や家庭に問題のある児童を受け持つ新米教師の岡野、自身も虐待を受けた経験から娘をDVで躾ける雅美、通学途中に家の前を通る自閉症の小学生だけが話し相手の老人あきこ。
それぞれが日常の中で抱える問題と、それに向き合いながら一歩踏み出していく過程。
観終えてみれば良いストーリーで、社会への問題提起として良作だと思うけれど、映画としては退屈だったなぁ…。特に前半、日常にゴロゴロした多数の「あるある」が「まんま」過ぎて、間延びや飽きを感じてしまった点が残念!
あと、最後、岡野がどう成長したのか、もう少し具体的なところまで描いてあげたら説得力あったと思う。ちょっと尻切れトンボな感じがした。
※原作の短篇集の中から
「サンタさんの来ない家」
「べっぴんさん」
「こんにちは、さようなら」
抱き締められたい
最後がなぁ
最初から最後までどんどん見入っていきました。特に尾野真千子さんの虐待のシーンはリアルで涙が出ました。
いくら子供が言うことを聞かないからってやっぱり殴るのは違うと思った。子役の子の泣き声もリアルだった。
リアルな日常。
最後の先生のとこはもう少し描かれてもよかったんじゃないか?と思った。
こどもがテーマ
小学生の担任高良健吾のはなし
僕も小学生を何十人もみた経験があるから、こどもがうるさくなった収集できなくなる様はすごくわかった。大変なんだよな。こどもをみるって。
高良健吾は好きな俳優です。高橋和也もジャニーズの人だったのに本当にいい俳優になったとこの映画でも感じた。
親の虐待やネグレクトがあっても教員ができる範囲は限られてると劇中であるんだが、声にならない声をひろわないといけないんだよ、こどもを救う方法がもっと整えばと考えさせられる。
尾野真千子の虐待のはなし
池脇千鶴に尾野真千子は救われた。
虐待を受けたこどもは不思議と虐待を
する。現代の深い問題。
障害を持つこどもと母親のはなし
おばあちゃんとのやりとりで、
富田靖子は救われた。
障害を持つ親の心のケアだって
必要な課題だなと思った。
こどもをテーマに考えさせられる
映画でした。
良かったです。
心に響いた
プライムビデオのおすすめに出てきたので鑑賞。
最初、どんな映画なのかなーと。。
虐待系?あれ?小学校の先生出てきた、
認知症のおばあちゃん出てきた、
どうやってこの話がつながっていくの??
なんて考えてたら、なんだ。めちゃ良い映画じゃんとなりました。
自分の話になってしまうけど、
最近、我が子が生意気になってきて、
「可愛くないなー」と思うことが多くなってきて、ついついイライラしてしまう。言うこと聞かないし、嫌い!とか言うし。毎日、子育て大変で、実家にも帰れなくていっぱいいっぱい。
最近子どもに怒ってばかりだな…と反省していたところで、この映画に出会った。
涙が止まらなかったー。
ぜひ、子育て大変なお母さん、なかなか育児に参加できないお父さん方に見てほしい映画。
よし、こどもが帰ってきたら
とりあえず抱きしめてあげよう。
いい子でなくても良いとも思う
友達に勧められて鑑賞しました。
偶然にも1本前に見た映画が「ここのみにて光輝く」で同じ呉監督!ご縁を感じました。
ストーリーは3つのそれぞれ違った主人公がおり、交わる事なく最後まで進みます。
ただ全てに共通するのは"子供"。
現在、私自身が子育て真っ最中で、まさにドンピシャの世代が描かれていた娘を虐待してしまうお母さんの話は、観ていて胸が痛くなりました。
映画ではこのお母さんも虐待の被害者であると言うことでしたが、私自身は酷くはないもののかなり厳しく、また親が感情的なタイプだったので、子供の頃はそれこそ"いい子"でいようと頑張っていました。
そんな私が母となり、2児を必死で育てる今、正直いうと感情的になって、子供に手をあげたり、大きな声で叱りつけたりする事があります。決してそんな事をしている私は良い母親とは言えません。ただ、今はまだ日常的にそれを繰り返しはしていませんが、いつ、どんな事をきっかけに私たち母親は虐待をしてしまうかは誰にもわかりません。そのくらい、子育てに没頭してついつい我を見失いかけて、自信をなくしては子供に当たっている弱い自分です。
子供に手をあげることは必要でないとは思います。
それはもちろん分かってはいるつもりでしたが、その姿を映像で見た時に恐ろしくなりました。
私もこんな顔してるのかな、こんな怖い目に子供を合わせているのか、、、など、心をえぐられるようでしたが、実際に母親から怒鳴られたり、叩かれたりしている我が子のことを思うと、言葉になりません。
映画のワンシーンで、疲労困憊、自信喪失している小学校教諭に甥っ子が膝に乗って、「頑張れ、頑張れ」と言いながらポンポンっと体に触れるシーンは涙が止まりませんでした。その後の、姉からの言葉。
「息子に優しくすれば、それを息子が真似する。つまり、息子に優しくなれば、世界は平和になる」
本当にその通りだなと思いました。
昔、自身の母親に言われた台詞を思い出しました。
もともと子供がそんなに好きではない私が、
「私は自分の子供は可愛いけど、よその子は全然可愛いとは思わないのよなー」
と言ったことに対して母は、
「それで十分や。世の中のお母さんがみんな自分の子供を可愛いと思ってたらそれだけで十分。そしたら虐待なんか無くなるわ」
と言いました。
その言葉を聞いてから、自信を持って私は他人の子に良い意味で興味がなくなりました笑
誰と比べていい子になるのか、と言うことではなく、あなたはいい子だ。ということを伝えるストーリーなんですが、なんとなくそこは違和感を持ちました。
いい子でなくてもよい。ただあなたがあなたでいればそれでよい。あなたが大好き。とその気持ちだけ伝えられれば、その気持ちさへ子供にちゃんと伝えられれば良いかなと思いました。
いろんな場面で涙が溢れてしまいましたが、時々思い出したように鑑賞したくなる映画でした。
ついつい、自分の感情のままに振る舞う私ですが、そんなめちゃくちゃな私を全力で好きだと伝えてくれる我が子達をもっともっと大切にしなければと思いました。
よい映画に出会えて良かったです。
レビュー
大人も子供もない。
・人間全員が「いい子」であり、それに気づかせてくれる存在がいたか、いなかったかだけの違いなんだなぁ
・「だから、ハグしてみませんか?」というシンプルで明快なメッセージ
・人間には、食欲・性欲・睡眠欲のほかにも、抱きしめられたい欲があることを知る
・池脇千鶴が素晴らしすぎる
・「ウチの子になる?」の真意が泣けちゃう
・いまの日本に必要な栄養補給ができる映画
・「子供を愛すると世界が変わる」とは、親と子供だけに限らず、「他人になにかを与える人間になることで自分の世界が変わる」ということなのだと解釈
・世界が変わる瞬間、ほんわりオレンジの光を当てる照明効果で思い切った表現をしている(尾野真千子が抱きしめられるシーン)
・主人公が変わるシーンへジャンプする瞬間の繋ぎ方が美しい(涙からの水たまりぽちゃんとか)
・人間が主人公(特に新人教師)でもあるけど、ひとつの街を主人公として扱っている
・冒頭でクラスの生徒たちのクッソガキぶりをみせてから、ハグの感想をリアルなトーンで述べるシーンで、良い奴らじゃんって思わせる魅せ方がいい
あのシーンで泣いた
序盤はしんどい展開だったけど、後半の畳みかけが良かった。
陽気なお母さんが「親にひどい事されたんだね」と言って抱きしめるシーン、
普段はやんちゃな男の子が子どもの面倒を見るシーン、
本当に素晴らしかった。
「許す」ということを少し理解できた気がする。
隠れた名作
という見出しにすると、
もしかしたら失礼にあたるかもしれない。
ただ、本作を一言で表現するならこのワードに尽きる。
3つの短編エピソードを一つに纏め上げたことは鑑賞後に知ったことだが、
私は本当に正解だったと思う。
学級崩壊、虐待、認知症
字面を見ただけだとパンチが効きすぎているし、
もしかしたら観る人を選ぶ作品なのかもしれない。
ただ、どれも世界中が抱えている問題で、
今では避けて通れないテーマだ。
その3つを映画というツールで1つに凝縮して描き、
スクリーンで訴えかけた監督・キャストはすごい。
そのすごさの理由は、鑑賞後に絶対分かるはず。
エンドロールに切り替わるラストシーンにも
恐らく伝えたかったことが込められているのではないだろうか。
どういう気持ちの時におススメしたら良いかは難しいが、ぜひ機会があれば観て欲しい。
抱きしめ、抱きしめられたくなる
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