愛を積むひとのレビュー・感想・評価
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家族の愛情
手紙という媒体で丁寧に紡がれた、 優美なラブストーリー
カリフォルニア州で育った、
エドワードムーニーJr.,の
「石を積むひと」が原作のようですね。
だからなのかストーリーは、
アメリカ映画のような、
ちょっと都合の良い
夫婦のラブストーリーです。
けどそこに日本人の情緒や思いやり、
家族の絆というエッセンスが振りかけられて、
上質で仕立てのいい
映画に仕上がっています。
あまり出会ったことの無い邦画でした。
全篇に流れているのは、
妻「良子」の優しさ。
どんなに辛いときでも、明るくふるまって、
不器用な夫を支え続けます。
そんな生前の彼女の人物像が、
実に丁寧に練られているから、
他界した後の感情移入が、
とても深くなるんですね。
そして
遺言の手紙という媒体を通して分かる、
家族の物語に涙せずにはいられません。
日本一美しい丘のまち美瑛町のロケーションが、
さらに情緒あふれる世界観を創りだします。
佐藤浩市さんもよかったですが、
樋口可南子さんは、
深みのある素晴らしい女優さんですね。
北川景子さんの素顔のような演技も、
ぐっときました。
観賞後、
結婚している人や長いカップルは
自分ゴトとして、
感銘深い気分に浸れるでしょうね。
特に男の人は、
目を腫らしている人が多かったです。
僕も
相手への向き合い方を考える
きっかけになりました。
そして、
心のすれ違いで後悔しない人生を送りたいと、
切に思うのでした。
そんな
生き方の指針をもらえる、
素敵な映画です。
良い良い
樋口可南子~♪
大人のための映画を観に行くと、中高年のご夫婦をよく見かける。
そのうちのかなりの方々は、奥さんがかいがいしく世話するパターンだ。
夫はというと、付いて回るだけならまだしも、指示だけは偉そうにする場合も多い。
見ていて(見なければいいのだが)イラッ(-_-#)とする。
佐藤浩市にもその臭いが感じられ、苛つきを感じた。
それだけに、それとは対極にある樋口可南子の凛とした生き方、逝き方が心に染みた。
死期を告げれば、夫がうろたえ混乱し、平穏な余生を送ることはできなかったろう。
遺した手紙も的確で、私もかくありたいものよ!と強く感じた。
この夫婦関係を縦軸に、娘や若者のエピソードが絡み合う。
それらについては、シンパシーを感じない。
娘は男にだらしない感じを否めないし、トオルに至っては論外の外!
北海道はいいよ♪的なテイストも、多すぎてちょっと辟易してきた。
いや、良かったよ!!!
徹役の方に泣かされました。
夫婦で観に行ける大人の映画
最後に「自分は相手に何を残せるだろうか」と考えてしまう映画です。
夫と妻、親と娘、立場は違えども相手が亡くなってしまった失望感を何が埋めてくれるのか、埋める事が出来るのか考えます。
今、横にいるひとと
目の前にいるのが当たり前の方々を、今のうちに大切にしなくっちゃ、と感じる作品でした
この作品のようなご家族は、何よりのしあわせだったのでしょうが、さらに、血のつながっていない方であっても、次のステージを目指す時のサポートは、仮に、それが、「さて、どうしたものかと悩んでいる姿」であったとしても、観ていて気持ちの良いものでした。
今回は、作品のあらすじが紹介されていたことから、俳優さんたちの、「気丈にふるまう姿」や「気付かずにいるままの姿」の距離感や仕草、テンポ、等に引き込まれてゆきました。ひょっとしたら、こちらは、制作スタッフのみなさんが狙っていたことではないかと思慮しています。
また、北海道の、気の長くなるような景色もあって、上映が進むにつれて、配給会社さんの作品紹介の言葉が、しみじみと心に沁みてくる作品でした。
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