天空の蜂のレビュー・感想・評価
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難しい
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爆弾を積んだヘリがテロ犯に遠隔操作され、原発の上を飛ぶ。
そして全国の原発全てを停止させないと原発に墜落させると言う。
しかもヘリには原発関連の技術者・江口の息子が偶然乗っていた。
そして助かった。国をあげての決死の救出劇の末に、と一見そう見えた。
でも実は国は犯人ともども国民に嘘をついていて、人命第一ではなかった。
江口の同僚・本木が犯人で、逮捕されて終了。
息子が原発のことで虐められ、国は何も助けてくれなかったんだとか。
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専門的な感じがしてちょっと分かりにくかった。
ってか子供を助けるとか家族の絆とかのクダリ、いる?
国家を揺るがすような大事件なんやで?
国家の一大事をいかにして凌ぐかこそが重要じゃない?
という思いから、何かテーマがブレてるような感じがした。
不気味な仮面をつけ沈黙する群衆か、迷わず手を差し出す人か。あなたはどっち?
原作は読んでないが、映像、間の撮り方、テンポ、エンディングテーマ曲、素晴らしかった。
何故、三島幸一がこの計画に加担する事になったか、明らかになっていく過去。
最後のシーンで、パトカーに乗って連れて行かれる三島と、それを眺める湯原の家族。2人とも同じ年齢の息子、妻がいてと、どこか似た家庭だったのに、真逆の末路を辿る事になる。
エンディングテーマ曲の歌詞にもあるように、「白黒裏表 どう転ぶかなんて…紙一重」なのだ。
三島が空を仰ぐシーンで、過去と現在が重なり合う。
雨の中自殺した息子を目の前に空を仰ぎ、三島の思考の中で原子炉の上で膝を突き上を見上げるシーンの重なりが印象的だった。
「子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。
痛みを伴わない想像力は、只の甘い夢に過ぎない。
想像するがいい。
ダイナマイトが、いつも10本とは限らないと。」
三島の言葉の表現が鋭くも美しかった。
序盤の方では期待外れの作品かとよぎったが、中盤からぐっと引き込まれラストまで疾走。考えさせられる内容だった。東野圭吾さんの小説が読みたくなった。
「人命」よりも「電気」なのか?
原子力発電という日本のエネルギー問題を強く反映している今作。
私も詳しく知らなかったが、この作品を見て強く思い知った。
「この仕事は無ければ困るくせに、そんなものは要らないと言われる仕事」。
「電気のほうが人命より重い」。雑賀や三島の一言が重くのしかかる。
今や全国民の生活に欠かせない電力。一分でも原子力発電を止めたら、国民生活に影響する。
極論を言ってしまえば、政府は電力の供給のためにどれだけの関係者を犠牲にしてもいい、という考えを持っているのか。現実の政府がどう考えているのかなかなか見えなかったので、もっと自分で調べてみようと思う。
うん
これは、展開もストレートでわかりやすい映画だと思う。時期が時期だけに、公開当時は原発について議論されたのかな。でもこの映画でもたらされるメッセージは、今使っている原子力発電が事故を起こすかもしれないよ?安全だと本当に思う?ぐらいだと思う。
それか、危機感を煽られて、危険行為をしでかす人間がいるかも?
強大な原発は使い方を誤ればとんでもないことになるよというやつだった。
劇中の頻繁なスローモーション、顔と上半身のアップ、全員同じテンションでいう台詞。展開は王道でよかった。けど新米刑事は唐突に刺されて指を切られるショッキング映像、犯人に手を貸していた女性の唐突な妊娠報告に、感情がついていかない。深刻に話されているし、一つ一つのハプニングも大きいはずなのに盛り上がらない。
全員が叫び、時たま差し込まれる濃ゆいキャラ(先輩刑事とか取り調べ警官とか)が浮いている。
壮大っていうより、普遍的で現実に身近にある原発という問題を取り扱っててメッセージもしっかりしている。これは多分原作部分だと思った。
映画の主題ははっきりしてるのに、映画のテイストがよくわからない、味を出したくないのかな。こんな映画もなかなかないと思う。
ずっと続く緊迫感!
映画を見始めた時に、傑作だと思った作品。もう一度、見返してみたら、やっぱり面白かった。まあ、傑作とまではいかないけど 笑
冒頭のビッグBが盗まれてから緊迫感のある展開がずっと続いて、展開も二転三転して先の読めないストーリーでした。特に、自衛隊の高彦君救出シーンや、ビッグB墜落のシーンは、緊迫感マックスで目が離せませんでした。
キャストの方々も、本木雅弘さんもモチロンカッコよかったけど、江口洋介さんの演技力が光ってた。拳銃を扱うときの腰の引けた感じとか、現場を知らない技術屋感がうまく表現できていた。
手塚とおるさん付きの女性刑事の方だけ、段違いにヘタクソでしたね 笑
ストーリー展開上仕方ないけど、高彦君なんで飛び降りなかったのか・・。恐怖を感じるほど高くなかったし、お父さんが信じれなかった?あの状況でそういう発想になる?あのシーンでの高彦君の心理描写がないから、なんかずっと引っかかったままストーリーが進んでしまった。
あと主要人物にもかかわらず、雑賀勲と赤嶺淳子のバックグラウンドを描いたシーンがほとんどなかったからこの2人に感情移入できなかったのが残念でした。
必ず守り抜く!
DVDで鑑賞。
原作は既読です。
映画化されると知った時、歓喜すると共にどうするんだろうと思いました。原作では超大型ヘリコプター「ビッグB」の技術的な説明や原発の機能が詳細に記されており、その情報量たるや膨大なものでした。それをどう分かり易く映像化し観客に提示するのだろうか?そもそもすごいスケールの物語を日本映画の予算内で表現出来るのだろうか?
東日本大震災での原発事故を経験した今、もはやフィクションとは言い切れない現実的な脅威をこのタイミングで描くと云う挑戦に、製作者たちの強い意気込みを感じました。
情熱の賜物か、予想を上回るクォリティーのクライシス・サスペンスが誕生しました。劇場で観れなかったことを後悔しました。当初の心配はどれも杞憂だったのです。
ビッグB開発責任者・湯原(江口洋介)と原発の設計者・三島(本木雅弘)。ふたりのエンジニアを主人公に、前代未聞の危機に立ち向かう熱い物語が展開されました。技術者同士の情熱とプライドがぶつかる様は人間的な迫力があって圧巻。
ヘリに取り残された子供は湯原の息子と云うわけで、王道な親子の物語も描かれており、涙腺を刺激されました。これは原作には無かった要素だと思います。技術者の矜持と父親の気持ちを胸に奮闘する湯原。決死の活躍に胸が熱くなりました。
CGを多用したクライマックスは興奮必至。原発上空にホバリングするヘリコプターからの決死の救出劇がとにかくスリリングで、手に汗握りました。「電波よ、届けーーーっっっ!」とテレビ画面に向かって叫んでました。映画館だときっと堪えるのに必死になっていたことでしょう。
これぞまさにエンターテインメントだな、と…。東野圭吾原作なだけあって、あっと驚く展開が待ち受けており、さりげない伏線に要注目。そこは多くのミステリー作品を手掛けている堤幸彦監督の面目躍如で、普段のユーモアを捨てた硬派な演出が光っており、素晴らしかったです。
※修正(2023/05/02)
子どもは刺されて、初めて蜂の恐ろしさを知る
映画「天空の蜂」(堤幸彦監督)から。
東野圭吾さん原作の映画を今までに何本観ただろうか、
サスペンスでありながら、犯人が判っていても面白いなんて、
不思議なものだよなぁ、といつも思う。
ところで「蜂」という単語は、あまり作品には登場しない。
「蜂は巣を護るために、おとり役を飛ばす」と
「子どもは刺されて、初めて蜂の恐ろしさを知る」くらい。
この点では、伊坂幸太郎原作の映画「グラスホッパー」と、
似ているな、とメモを眺めて振り返った。(汗)
「子どもは刺されて、初めて蜂の恐ろしさを知る。
痛みを伴わない想像力は、ただの甘い夢に過ぎない」と叫び、
原発の怖さを、遠隔操縦可能な最新大型ヘリコプターを、
本物の原発に落下させて、知らせようとするのだが、
私の驚きは「1995年に発表した同名小説」(20年前)なのに、
原発の大きな事故も、ドローンの開発・実用化も現実となり、
明日に起こってもおかしくない事件として考えられることだ。
津波対策は必死でも、空からの攻撃には無防備に近い。
私が心配するくらいだから、国は想定しているんだろうな。
まさか「刺されてみなけりゃわからない」なんて、
考えていないよね、国のお役人さん。
本当に狂ってるのは誰なのか、いつかお前たちは知ることになる。
家族っていうのはね、血を流してのたうち回ってやっと手に出来るものなの!
いじめ
阪神淡路大震災
高速増殖原型炉
フロッピーディスク
スカイダイブ
「ココニイル」
ラストシーンで東日本大震災を絡めてくるとは。
航空自衛隊の協力に感謝、というところか。
この国に命を賭ける価値はあるのか、賭ける価値のある国にしたいなと思った。
いまの時代だからこそ。
原発への攻撃がテーマになっているので、「311」後の世界だからこそ、映像化が出来た作品だろうなあと率直に思いました。理系バリバリの内容も映像になると分かりやすくなっているので助かります(笑)どこがどうつながっているのか、ドキドキしながら鑑賞しました。話の内容は盛り沢山だったのですが、ちょっと詰め込みすぎ感も。山場がいくつもあったし。ただ、予告編はもうちょっとネタバレしない方がいいじゃないかなあ…?
迫力満点、俳優陣が好演
本木雅弘と綾野剛この2人の演技に尽きる。
江口洋介は安定感抜群といった感じだけど、特筆するところはあまりない。
もっくんは今回の事件の首謀者なんだが、本当に悪いのは一体何なのかを真面目に考えさせられました。原発問題でバラバラになった家族、もちろんだからといって犯罪をしてもいいということではないけど、今作品では犯人に同情せざるを得ません。
そして綾野剛。彼の演技が素晴らしい。1つの復讐心で人間とはここまで非情になれるのか。グロテスクな場面を演じることが多かったのですが、本当に見事。彼は悪役を演じさせてこそ光るのかもしれませんね。
グロテスクなシーンが苦手な方にはオススメできませんが、平気な方はこの2人の演技を観るだけでも価値があります。
「今」、観るべき映画
原作未読。
今年観た邦画の中で、文句なくナンバーワン。
この原作が20年前に書かれた事実に驚愕した。さすが東野圭吾、恐るべき先見の明。
堤監督は正直あまり好きな監督ではない(失礼)が、この映画は素晴らしかった。
映像の迫力も、洋画に負けていなかったように思う。
なにより、原発を批判的に描く映画が、スンナリ製作できたとは思わない。
(この映画を絶賛するメディアが少ないのと、決して別の問題ではない。マスコミと原発の関係は、深い)
そんな映画を作り上げ、尚且つエンターテイメント作品に仕上げた手腕に拍手を送りたい。
自衛隊の描き方が、偏った思想寄りになっているような感じがやや気になった。
でも災害などで助けられたりした方々にとっては、きっとヒーローなんだろうなぁと思う。
犯人が残そうとし、そして残せなかったメッセージは、原発事故を知ってしまった今となっては、聞いていて涙を禁じ得なかった。
犯人はなぜ、ビッグBを原発に落とそうとしたのか、なぜそれが新陽でなければならなかったのかーーーー。
このメッセージが世間の人々や政治家に正しく受け取られていれば、いや、いっそ、ビッグBが落とされていれば、あの福島の原発事故だって違ったものになっていたかもしれないのに…と、つい現実と混乱しそうになる。
だが実際、我々は2011年3月11日に思い知ってしまった。
ダイナマイトは、いつも10本ではないということをーーー。
面白かった
予告編を見たときから、とても期待していた。すぐに原作本を買って読んだ。ますます期待度が高くなった。
あまり期待し過ぎると、失望することもあるけど、これは面白かった。最初から最後までハラハラドキドキの連続で、一度読んでいたので、次の展開が分かっているはずなのに、それを忘れる位の展開力。面白かった。
予期が現実になる恐怖。
東野圭吾原作の社会派サスペンス。1995年原作発表当時はまさか
今のような反原発運動もなく、どころか大きな関心すら持たれて
いなかったのだろうことを考えると、まるで予期したかのような
展開は凄いよなとただただ驚いてしまった。3.11が起きて以降は
原発への関心は高まるばかりだが、クリーンで安価な電気が安全
に供給されるのが当たり前だと思っていた国民に突き付けられた
大問題は、本当はもっと以前から提起されていて当然だったのだ
と今作で改めて思った。そんな意味では非常にタイムリーな作品。
ただ内容は緊張感溢れるサスペンスアクションで構成されており
大作映画に相応しいエンターテインメントに豪華俳優陣が犇めき、
前半と後半で話は大きく変わる。前半はヘリ設計技師の息子搭乗
のまま原子炉上空へ上がってしまったヘリからの救出作戦が主で、
無事に救出された後の後半は犯人の見えない動機の真相へ一気に
加速する。ストーリーは緊張感を保ち続け、ヘリも上がったまま、
を考えるとさすが堤監督という感じなのだが、けっこうなグロさ
を目の当たりにする光景が多く昔のパニック映画そのものという
感じを受けた。多くの豪華キャストが登場するが、話の軸は江口
と元木の対決になるので、え?それだけ?と思う短い出演時間の
俳優も多い。残された時間内で巨大ヘリをどう始末するかという
恐ろしい展開をよそにまるで他人事のように振舞う国家のド偉い
さんたちの描き方が巧すぎて腹が立った。結局どこに責任を押し
つけるかという、事故当時も確かにそうだったよなと思うばかり。
アツイ男を演じ切った江口も似合っていたが、哀しみを湛えた男
を一筋縄で理解させないよう演じたモっくんの演技は胸に堪える。
(救う価値があるのかと問われたらもちろんだと胸を張りたいよね)
今だからこその実写化
ストーリー、臨場感、メッセージ性、この3要素が素晴らしかった。ストーリーはさすがは東野圭吾。原作未読だが、登場人物それぞれの筋が通っていてスッキリする。臨場感は、場面数こそ多くないものの、特に救助シーンは圧巻だった。個人的には、所長が原発に留まるシーンも好き。またメッセージ性については、このご時世だからこそ、原発というテーマが非常にセンセーショナル。今だからこそ、実写化して良かったのではないだろうか。
時間を感じなかった。
原作が1997年ですが、現代の問題でしたね。
1997年当時に本当に原発が止まる日が来るとは予想もしないで書かれたことでしょう。
ビッグAから息子さんを救出するときに、上空から落ちそうになる瞬間や、フックをかけるとき...映画と思いながらもどきどきしました。
本木さんが演じる三島の気持ちの変化が辛かったかな。
最後 送信されることがなかったメール。
えっ!そんな~と声出しそうでした。
綾野剛さんのシーンは、思わず声が出てしまうくらい痛かった。
それにしても彼は本当に良い役者さんですね~
最後現代のその当時の少年(向井理)のシーンは、脚本家への東野さんからのリクエストだったそうですが、あれも良かったと思います。
堤監督の出身へのこだわり?
刑事役の名古屋弁は、ちょっと緊張を和らげるアクセントになったと思います。
見ていて飽きる時間が全くない映画でした。
細かい演出に脱帽。
刺されて死んだ刑事の嫁と、モックンの息子が苛められてたと知らないと言い切ってた教師は同一人物ですよね?最後それ観てバチが当たった…。と思った。
モックンかっこよかった。演技もぞくぞくした。
綾野剛は、見事なはまり役。一つ一つの行動にゾッとさせられる。表情もいい。
江口さんも相変わらず良かった。
息子役の子すごくよかった。
家族愛も描かれててよい。
嫁役を有名な方にしたらよかったのに。。
物語に仲間由紀恵は必要なのか???
あの役は仲間由紀恵でなくてもよかったような。。
向井理が出てることを知らなかったから最後ちょっとテンション上がりました~。
見て良かった。志の高い作品。
原作を読みたくなった時点で5点満点。原発テロを扱っているのでもっと話題になっていいはずだが、国や自民党政府に対しては批判的なところもあるので、難しいところだ。元木、江口もいいが、原作脚本企画製作陣が素晴らしい。ぜんたいに反原発のような映画ではあるが、原発を肯定しなくてはならないあるいは、原発を推進しなくてはならない立場からも描かれている。また、自衛隊のビッグBという超大型ヘリコプターが主人公とも言える。こいつが稼働中の原発の上で8時間もホバリングしているのである。しかし、この脚本がいちばん批判しているのは傍観者である一般市民であり、いじめに対して無力かつ非力な現代人であるのかもしれない。堤監督と製作陣及び松竹さんには、引き続きこの困難なテーマに立ち向かいさらに一般市民を煽っていただきたい。
邦画らしいサスペンス。
展開が早く最後まで飽きずに観れました。
サスペンス要素では犯人は早めに特定でき、その通りになりましたが、その動機と結末で十分楽しめ、特にモックンはこういう役ハマる。
親子愛を描いていますが、父親がちょっと虐げられすぎなのと、大きくなった息子役が向井理なのは要らない。
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