天空の蜂のレビュー・感想・評価
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久々に邦画で緊張途切れないアクション映画
2015/09/14、イオンシネマ港北ニュータウンで鑑賞。
悪人は登場しない、正義感に従い動く者と、無責任な者たち。無責任なのは政治家や原発関連の者以外にもいた。犯人が天誅を下したかったのはそいつらだった。
全体的に中だるみもなく、アクションも子供の救出シーンはとても良かった。自衛官が子供との連携でヘリからの脱出を成功させ、その後、子供に「君はすごい!」と褒め称えたとき、涙が出た。
ところどころ伏線は貼られていて、それが話が進むにつれて解明されていくのが良かった。例えば、冒頭で湯原の息子が車の座席などをやたら蹴り続けるのはなぜか、三島が片足不自由で体中に傷があるのはなぜか、犯人はなぜ新陽の高速増殖原型炉を選んだのかなど。
それぞれの登場人物が正義感に従って戦っていたのが良かった。主役級の二人はもちろん、古参の刑事とちょっと頼りなさ気でも最後男を見せた若手刑事。原発所長、自衛官、ちょっと嫌味な刑事と実直な若い女刑事のコンビ。登場人物がそれぞれ魅力を発揮してました。
ただ、終盤の湯原と三島が乗ったカーアクションシーンはちょっとしょぼかった。あれだけ車の中で争っているのにどこにもぶつからずw、カーブでは綺麗にドリフトしてw、最後なんで停まったのかも意味不明。日本の公道ではあまり派手なことは許可が下りないのかな?それにしてももうちょっとなんとかしてほしい。
原作者は一日でも原発を全て止めることができたら、国の政策に影響をあたえることができると想定してこの物語を作ったようです。しかし、現実の政府は原発が一年以上稼働停止して、更に電力不足も起きていなくても、全くブレずに政策を変えるつもりはないようですw現実の政府は原作者が想定できないほど厚顔無恥なようですw
作中に出てくる原発の安全対策も杜撰なところも現実ままですね。まさに現実は小説より奇なりです。
何から何まで素晴らしかったです。
素晴らしかったです。
さすが東野さん原作の作品ですね、文学でした。
重層的に構築された深みのあるお話なので、細部の表現まで読み解きたくなる繊細さがありますが、エンターテイメントとして映像の迫力を存分に楽しむこともできました。
また、俳優陣の演技も素晴らしく、どの方の演技も名演でした!
なかでも本木さんの演技は鬼気迫るものがありました。
眼だけで、人は感情をあれほどまで表現できるのだなぁと感嘆しました。本木さんの「想像しろ!!」という怒号と、終盤の車内での演技は忘れられません。
正常と異常。正気と狂気。
自分が正常だと思っているものは、本当に正常なのか。
確かだと思っている自分自身は、本当に確かで正気なのか。
日本社会の欺瞞性と虚偽性を突いているようでいて、自分自身の欺瞞と怠惰を暴かれたように感じました。
自分自身の〈姿〉を映し出すための〈鏡〉。
いつの時代も、傑作と呼ばれる作品にはそうした働きがあるように思います。
観てよかったです。
どっぷり
映像がすごい派手とか、そういう作品では無いけど、話の展開と内容にぐっとひきこまれる素晴らしい作品。
久しぶりに時間を感じさせないよい作品に出会いました。
よい役者、よい話、よい監督が合わさるとこんなにいいものが出来るんですね。
絶対じゃ無いけどw
映像が派手な作品が多い中で、話でしっかりと魅せる良作!
想像力
凄い映画でした!!!
久々に感動しました!!!
絶対、お薦めの作品です!!!
最後に、本木が放った一言。
『本当に狂っているのは、誰なのか?』
これが、当該作品のメッセージなのでしょう。
仕事を優先して家族をないがしろにし、一番大事なものを失った時の事を想像できない
仕事人間の父親。
自分の子供が、いじめにあっているなんて想像できなかった父親。
そして、
経済性と言う名のお金優先で、原発を進める政府に対し、
自分達の危機を想像できないで、いや想像しないで、
文句を言わない日本国民。。。
『本当に狂っているのは、誰なのでしょうか?』
Michi
中盤の泣けるシーンと後半の畳み掛ける展開が心地良い。20年前に書か...
中盤の泣けるシーンと後半の畳み掛ける展開が心地良い。20年前に書かれた原作てのが凄いなって思う。それぞれの人間模様の描写が上手いし、あの会社設定って所や細部の取材様子がエンジニアには小気味好い。けど最初のタイヤアップはバツかな。
”熱さ”を美しく魅せること
【プラス面】
△単なるサスペンスの枠に収まらない複雑な人間ドラマと深い台詞の数々
△英人作曲家リチャード・プリンの迫力ある重厚なBGM
△攻めた主題歌『Q&A』さすが実際に映画を観てから歌詞を考えるという秦基博 絶妙なフィット感があった
△まさに松竹らしく金のかかった壮大な映像と妥協のない演出
△ドラマ映画で見る度にその上品かつ真っ直ぐな演技力に驚かされる本木雅弘
△佐藤二朗&手塚とおるの2つの個性が潤滑油として縁の下の力持ちとなる
△若手成長株・落合モトキの演技 名優揃いの中で抜群の存在感を放つ脇役
△本木&仲間由紀恵のツーショットは、最近の男女の恋愛描写において美しいという言葉が最も似合う
△運命にあらがう熱い姿勢 江口洋介や柄本明の目には勇気をもらう
△なんといっても原発というテーマを軸に描き切った「今」観るべき映画 良い悪いも語るのはそれから
【マイナス面】
▼一部無駄にグロテスクな描写があった
▼緊張感のあるシーンに乗せたテレビ実況が過剰演出の感もあり若干冷めた
▼ラストの映像がやや蛇足かもしれない 惜しい
▼一つ一つの言動の演技は素晴らしいが、制限時間が迫る展開にも関わらずスピード感不足の印象を受ける
結論:東野圭吾原作に加え俳優陣の名前からして安定感は鑑賞前からあったが、邦画とは思えないスケールに圧倒され、想像したレベルを上回った傑作。上記下部に細部のクレームは付けたが、概ね大きく満足のいく映画だった。
見てよかった!
家族で鑑賞し、みな満足。とにかく役者がいい。脚本がいい。緊迫感が最後まで途切れなかった。
映画ならではの犯人の凄絶な姿を通じて、原発産業の非人間的な側面をリアルに見せられ、電気を使う側が無自覚であることの罪深さも実感した。
この映画化のおかげで原作を初めて読んだ一人として、もっと早く皆で読んでいればフクシマはあそこまで過酷にならなかったかも等と思うが、小説のメッセージは、この映画の観客一人一人の胸に打ち込まれたと感じた。
スリルの連続に登場人物の切ないエピソードが重なり、笑える小ネタもちょっとありで、存分に感情を揺さぶられたせいか、一夜明けたら心も身体もスッキリ(笑)
この映画を見られたことに感謝している。一部の刑事役の演技が残念だったのでマイナス0.5.
長い…
よくできた映画だと思います。ものすごく長く感じましたが、巨大ヘリのCGとか魅了されるとこもありました。
しかしながら、原発を取り扱い、何か問題提起をしているようなニュアンスを醸しつつも、見終わって現在の原発問題に対し自分の中でわき上がってくるような感情が皆無であり、だからこれから我々は原発をどうすべきかという思考が全く生まれてきません。あれだけ現実社会を切り取っているのだから、少しは現実社会に対して高ぶる感情が生まれてきていいようなものだと思うんですけど、そこまで思わせてくれるような強烈な作品ではなかったかなぁという印象。
原発、自衛隊、結局はすべてよしと結論づけているように見えたからかもしれません。
いま、見るべき!
元々は、20年前の1995年に東野圭吾が発表した同名の小説『天空の蜂』。その時でも、中々衝撃的内容ではありましたが、2011.3.11の東日本大震災を経て、原発事故のリアルさがより増した今、待望の映画化です。
原作を読んだ時も「これは凄い作品だな」と思いましが、東日本大震災での福島第一原発事故を経験した今、この映像化されたこの作品、狙ったところもあるのかもしれませんが、セリフの一つ一つがより強く突き刺さります。厳密の作品上のセリフではありませんが、「原発が一つも動いていないとなったら日本の原子炉政策は破綻する」とか、「必要だと思っているくせに、存在することを拒否している」とかね。これは、どう考えても、これまでの、そして今の日本の状況に当ててきているとしか思えませんでした。
原作を読んだ時も思ったんですが、今回映像を見て改めて思ったのが、高彦少年を救出した後、なんでビッグBの撃墜を検討しなかったんですかね?搭乗者がいなければ、撃墜を検討してもよいと思うのですが?破片が落ちてくる程度であれば、原子炉建屋は耐えうる設計ではないかと思うんですけどねぇ。
今回の撮影に、旧動燃(現原子力機構)はもちろん、自衛隊の協力もない模様。旧動燃は仕方ないにしても、自衛隊も協力なしとはね。犯人が元自衛官という設定だし、盗まれたビッグBが自衛隊の物という設定だから?でも、救ったのも自衛隊ですからねぇ。ちょっと微妙な感じでした。
佐藤二朗が福井県警警備部長の役なんですが、あんな軽い警備部長嫌だぁ。警察の警備って、機動隊も管掌しているし、外事も担当しているんですけどねぇ。あんな軽かったら、県警でも部長にはなれないと思うんだけど・・・。
脇役も脇役といっては失礼かもしれませんが、落合モトキさんが演じる福井県警の若手刑事関根が良いです。“最後に”根性を見せていました。
Sの二人がまさかの・・・
いやぁ〜先日の鬼怒川水害でのヘリでの救出作業を見ていただけに・・・
まさかまさかの・・・カリフォルニアダウンに続き日米の救命作品連続鑑賞になってしまいました。
天空の蜂でのヘリシーンは、高所恐怖症には、足が竦むシーンは多く必要以上に手に汗握りました。
作品の規模は違えども邦画のパニックムービーとしては、かなりの良作だったと思いますが、こちらは原発問題も絡んでくるので、どう受け止めるかで評価は分かれそうです。
天災は予測がつかないだけに自衛に対する予算や設備完備に人材育成の必要性も同時に感じますね。
演者に熱演と共に見応えあり〜しかしSの二人がまさかの・・・☆4.3
ニホンジンに告ぐ。
これは、いま日本に住む人々が見るべき映画だろう。
原発の存在意義や様々な現場を持つ人間の問題、更には暗喩ながら自衛隊や日本政府への痛烈な批判が込められている。
集団的自衛権や安保法制で揺れる今、スタッフの度胸に敬意を表したい。
クサい演出もあるが、本作に込められたメッセージの質を損なうものではない。
この映画がヒットすることを切に願う。
「子供は、刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。」
【賛否両論チェック】
賛:原発依存への問題提起は勿論のこと、嫌なことからは黙って目を背ける日本人へ、警鐘を鳴らしている内容なのが印象深い。父と息子の絆の修復にも感動。
否:登場人物の行動には、疑問が残る部分も多い。若干のラブシーンやグロシーンもあり。
「原発テロ」という、まさに今の日本を象徴するかのようなテーマの映画ですが、意外にも東野圭吾さんの原作が描かれたのは、1995年だとか。先見の明がありすぎですね(笑)。そして原発の問題に限らず、いじめや暴力等、見たくない物には目をつぶり、決して声を上げようとしない日本人に対する警鐘的な意味合いも、多分に含まれています。
それからミクロな部分では、“技術者”として仕事に全てを捧げてきた父親が、離れてしまった子供との絆を、事件をきっかけに少しずつ取り戻していく様子が感動を誘います。ヘリと地上で、2人がモールス信号でやりとりをするシーンなんかが、非常に印象に残ります。
少し小説チックで難しいお話ではありますが、様々なテーマや想いが込められた作品です。ハラハラしたい時は勿論、社会情勢について深く考えたいときにも、是非オススメです。
とにかく素晴らしい出来栄え
『天空の蜂』を鑑賞。
東野圭吾の同名小説の映画化作品。
監督は堤幸彦、主演は江口洋介、本木雅弘。
1995年、最新の大型ヘリ「ビッグB」が何者かに遠隔操作され奪われる。犯人は稼働中の高速増殖炉の上空にホバリングさせ、日本全国の原子力発電所を破壊する事を要求。
ビッグBが燃料切れで墜落するまでの時間は8時間。
しかもビッグBには、子供が取り残されていることが判明。
限られた時間の中、様々な対策が練られる。
結論から言えば、実に素晴らしい出来栄えである。
これほどの作品は日本映画としても1年に1本観られるかどうかというほど。
緊迫感、重厚感、社会性、エンターテイメント性、どれを取っても一級品である。
俳優陣の熱演も素晴らしい。
原作小説は私も何度か読んだが、映画化にあたりよくぞここまで表現してくれたとまずは拍手を贈りたいと思う。
20年前、原子力発電所の存在意義と危機についてこれほどの原作小説を執筆した東野圭吾氏にも脱帽だが、映像化不可能と言われた作品が、2015年になって公開される意味をしっかりと理解しなければならない。
ヘリからの子供の救出劇や、犯人の計画や犯行動機など、一瞬たりとも目を離せないシーンの連続である。
そして原作にはないラストシーンでは、何故今なのかが強烈な説得力を持って描かれる。
上映時間138分、原発をテーマにしているが、エンターテイメント性も強く、誰でも楽しめる作品に仕上がっており、そのおかげで万人が原発について深く考えられる作品となっている。
日本映画の今年最高作品として是非オススメしたい。
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