「問題提起作品」天空の蜂 昴 晃一郎さんの映画レビュー(感想・評価)
問題提起作品
【天空の蜂】鑑賞(原作読了済)。
2時間半という縛りの中で原作を上手く纏めてくれたな。というのが率直な感想。
どんなテーマでもイケちゃう安定の堤監督作品。
映像化不可能と言うのは、あまり触れられない「原発」というのがあると思う。
それが、2011年の事故によって、国民が感心を持つようになったのも映像化された原因とも言えよう。
原作は1995年作。東野先生自身が「自分の代表作」と言う作品が映像化されたのは作者にとっては感慨深い所だろう。
原作の最後に語られた言葉が正に実現してしまったのだから。
(とは言え、年を追う毎に皆の関心が薄くなって来たのも、あながち間違いではないだろう)
映像化するにあたり、色々な設定変更はされているが、
これならばかなりの許容範囲だと思う。
逆にこういう設定変更によって、ラストが生きたと言える。
原作読んでる人も納得できるのではないかと。
キャスティングも問題ない。
敢て言えば、綾野剛演じる雜賀はもうちょい年上だった様な・・・
本作のキモにもなる巨大ヘリ「ビッグB」。中々の迫力。
実際の所、日本にこんな巨大ヘリは必要か?と言う疑問はあるが。
本作は「反原発」作品ではない。
「原発の存在はどうですか?」と言う問題提起作品である。
本木演じる三島の最後の台詞が現実となり、
国民に対して問うているのである。
ちなみに私は中間派。問題はあるが、必要ではなかろうか?と言う程度(汗)。
さて、貴方は如何だろうか…?
それは本作を観て、2011年を再認識して頂いて貰いたい。
本作観たら、原作読むのもおススメする。
各キャラクターのもっと深い背景が原作では描かれているので。
余談:仮面ライダーファンとしては仮面ライダービーストを演じた永瀬匡の上条はグッドチョイスだと思う。カッケー(笑)