劇場公開日 2015年9月12日

  • 予告編を見る

「久々に邦画で緊張途切れないアクション映画」天空の蜂 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0久々に邦画で緊張途切れないアクション映画

2015年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

2015/09/14、イオンシネマ港北ニュータウンで鑑賞。
悪人は登場しない、正義感に従い動く者と、無責任な者たち。無責任なのは政治家や原発関連の者以外にもいた。犯人が天誅を下したかったのはそいつらだった。

全体的に中だるみもなく、アクションも子供の救出シーンはとても良かった。自衛官が子供との連携でヘリからの脱出を成功させ、その後、子供に「君はすごい!」と褒め称えたとき、涙が出た。

ところどころ伏線は貼られていて、それが話が進むにつれて解明されていくのが良かった。例えば、冒頭で湯原の息子が車の座席などをやたら蹴り続けるのはなぜか、三島が片足不自由で体中に傷があるのはなぜか、犯人はなぜ新陽の高速増殖原型炉を選んだのかなど。

それぞれの登場人物が正義感に従って戦っていたのが良かった。主役級の二人はもちろん、古参の刑事とちょっと頼りなさ気でも最後男を見せた若手刑事。原発所長、自衛官、ちょっと嫌味な刑事と実直な若い女刑事のコンビ。登場人物がそれぞれ魅力を発揮してました。

ただ、終盤の湯原と三島が乗ったカーアクションシーンはちょっとしょぼかった。あれだけ車の中で争っているのにどこにもぶつからずw、カーブでは綺麗にドリフトしてw、最後なんで停まったのかも意味不明。日本の公道ではあまり派手なことは許可が下りないのかな?それにしてももうちょっとなんとかしてほしい。

原作者は一日でも原発を全て止めることができたら、国の政策に影響をあたえることができると想定してこの物語を作ったようです。しかし、現実の政府は原発が一年以上稼働停止して、更に電力不足も起きていなくても、全くブレずに政策を変えるつもりはないようですw現実の政府は原作者が想定できないほど厚顔無恥なようですw
作中に出てくる原発の安全対策も杜撰なところも現実ままですね。まさに現実は小説より奇なりです。

月野沙漠