「何から何まで素晴らしかったです。」天空の蜂 りんさんの映画レビュー(感想・評価)
何から何まで素晴らしかったです。
素晴らしかったです。
さすが東野さん原作の作品ですね、文学でした。
重層的に構築された深みのあるお話なので、細部の表現まで読み解きたくなる繊細さがありますが、エンターテイメントとして映像の迫力を存分に楽しむこともできました。
また、俳優陣の演技も素晴らしく、どの方の演技も名演でした!
なかでも本木さんの演技は鬼気迫るものがありました。
眼だけで、人は感情をあれほどまで表現できるのだなぁと感嘆しました。本木さんの「想像しろ!!」という怒号と、終盤の車内での演技は忘れられません。
正常と異常。正気と狂気。
自分が正常だと思っているものは、本当に正常なのか。
確かだと思っている自分自身は、本当に確かで正気なのか。
日本社会の欺瞞性と虚偽性を突いているようでいて、自分自身の欺瞞と怠惰を暴かれたように感じました。
自分自身の〈姿〉を映し出すための〈鏡〉。
いつの時代も、傑作と呼ばれる作品にはそうした働きがあるように思います。
観てよかったです。
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