劇場公開日 2015年9月12日

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「何から何まで素晴らしかったです。」天空の蜂 りんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0何から何まで素晴らしかったです。

2015年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

素晴らしかったです。
さすが東野さん原作の作品ですね、文学でした。
重層的に構築された深みのあるお話なので、細部の表現まで読み解きたくなる繊細さがありますが、エンターテイメントとして映像の迫力を存分に楽しむこともできました。

また、俳優陣の演技も素晴らしく、どの方の演技も名演でした!
なかでも本木さんの演技は鬼気迫るものがありました。
眼だけで、人は感情をあれほどまで表現できるのだなぁと感嘆しました。本木さんの「想像しろ!!」という怒号と、終盤の車内での演技は忘れられません。

正常と異常。正気と狂気。
自分が正常だと思っているものは、本当に正常なのか。
確かだと思っている自分自身は、本当に確かで正気なのか。
日本社会の欺瞞性と虚偽性を突いているようでいて、自分自身の欺瞞と怠惰を暴かれたように感じました。

自分自身の〈姿〉を映し出すための〈鏡〉。
いつの時代も、傑作と呼ばれる作品にはそうした働きがあるように思います。
観てよかったです。

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りん