「「子供は、刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。」」天空の蜂 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
「子供は、刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。」
【賛否両論チェック】
賛:原発依存への問題提起は勿論のこと、嫌なことからは黙って目を背ける日本人へ、警鐘を鳴らしている内容なのが印象深い。父と息子の絆の修復にも感動。
否:登場人物の行動には、疑問が残る部分も多い。若干のラブシーンやグロシーンもあり。
「原発テロ」という、まさに今の日本を象徴するかのようなテーマの映画ですが、意外にも東野圭吾さんの原作が描かれたのは、1995年だとか。先見の明がありすぎですね(笑)。そして原発の問題に限らず、いじめや暴力等、見たくない物には目をつぶり、決して声を上げようとしない日本人に対する警鐘的な意味合いも、多分に含まれています。
それからミクロな部分では、“技術者”として仕事に全てを捧げてきた父親が、離れてしまった子供との絆を、事件をきっかけに少しずつ取り戻していく様子が感動を誘います。ヘリと地上で、2人がモールス信号でやりとりをするシーンなんかが、非常に印象に残ります。
少し小説チックで難しいお話ではありますが、様々なテーマや想いが込められた作品です。ハラハラしたい時は勿論、社会情勢について深く考えたいときにも、是非オススメです。
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