最後の命のレビュー・感想・評価
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面白い設定
冒頭のレイプされた女はホームレスみたいな生活をしておいてその時が初めてのレイプだったのか?そうでなかったのか?知的障害を持つ女の人がみんなそうとは思わないけど、ああいうセックスを喜んでしまう人もいるのだと認識しているが、彼女の死因は何なのだろう?全部分かる必要もないのだけど、情報がふわっとしすぎている。少年2人が贖罪意識を背負うきっかけの出来事なのだから納得感がないのは痛切。物語に気持ちが行かなくなる。
少年2人の家庭環境もしっかり描くべき。
なぜなら、レイプを目撃した少年みんなが加害者になってしまうわけではない、深いトラウマを背負い込むわけでもない。
普通の少年たちと何が違って何が同じなのか?子役のキャスティングもいかにも普通の子役を使っているだけに分かりづらい。
トラウマが人の人生を左右するという事をさも当たり前の前提として創作するのはおかしい。すべてはキャラクター次第。原作を読んでみたい話だと思った。
こういう映画で、台詞の間がやたら長いのは集中を削ぐことにしかならないと思う。間を表現する事で何かを伝えられるというのは演出する側の奢りに思う。
もったいない
出てる俳優もいい。雰囲気もいい。でも惜しい。やっぱり脚本がダメなのかな。これじゃただの傷を負ったナルシストが自己陶酔するためだけの作品。もちろん人が壊れる理由なんて些細なものでも十分なのかもしれない。この作品の理由付けが足りないわけでもない。ホームレスのレイプを目撃した少年のトラウマは計り知れないものがあると思う。一人は加害者であることに興奮し、一人は被害者であることにとらわれてしまう。そんな二人の間で少女の純真が破壊されてしまう。その設定は納得できる。でもやはりこれではただのメンヘラ少女漫画の域を出ていない。その理由はやはりあまりにも物語ありきの展開になってるからかも。連続暴行殺人は事故で、それは少女を守るためだったというオチや、3人ともが壊れてる展開なんかはもうちょっと説得力持たせて欲しかった。3人だけの世界では完結した美しい物語なのかもしれないけど、この世界に生きているのは3人だけじゃない。いろんな人との関わりの中で生きている現実がまるで無視されている。そのへんに気を使って脚本を組み立てればもうちょっと感情移入できる作品になったと思う。3人ともいい演技していただけにもったいない。
なかなかの良作。しかし、賛否両論別れる作品。
まず今作、驚くのが幼少期、高校生、大学生とほとんどが回想。
現代部分は二割と言ってもいいくらいに少ない。
しかも、その回想部分は行ったり来たりするため、ちょっと複雑。
特に、前半は丁寧に演出しているからわかりやすいが、後半の大学生部分は現代部分とちょっと混乱した。虚構的なメールの部分もちょっとややこしい入り方。
だけど、描かれていることは結構、深い。
正直な所、冴木には感情移入はできない。
だけれど、ずっと重いものを背負って生きてきたことは感じられる。
授業などで性というのを知った時、彼はどれだけ恐ろしくなったのだろうと考えさせられる。
主人公は他人に触れられないトラウマを抱えているが、冴木はその奥の性欲というトラウマを抱えている。
どちらも重いが、辛いのは冴木。
なぜなら、まだ主人公には希望がある。
冴木は希望もあったかもしれないが、ほとんどが絶望だ。
だけれど、最後にとった行動は観客が何を感じたかはどうであれ、初めて過去との対峙をしたと思う。
そして、主人公にもこれからという希望の一歩を感じるラストシーンは良い余韻が残り、そして綺麗でした。
これは幼少期の過去に苦しめられる人間の弱さと脆さを現している作品と見終わった後に感じました。
人によっては「バカじゃないの」だったり、テンポの悪さに退屈になったりするかもしれません。
だけど、何かは感じられる作品だとは思う。
原作ファンは迷わずオススメできるが、それ以外で気になる方は人を選ぶけども、ぜひ見てみてください。
良い映画でした。
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