「語彙は少ないが言葉は重い」百円の恋 nok0712さんの映画レビュー(感想・評価)
語彙は少ないが言葉は重い
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前半は乾いたハープから始まるブルースが抜け出せない生活のどうしようもない感を表し、中盤はめきめきと現す実力をボクシングの王道のハードロックで煽り立て、そこから更に疾走感のあるブリティッシュロックで高揚感を醸し出す。
だけれども最後は始まりのブルースが響き渡り、あぁやっぱり抜け出せないのか、もう一歩先へは進めないのかという諦めが漂う。
そういう雰囲気の映画。
「一度で良いから勝ちたかった」
初戦なのに?違う。
一子は今まで負け続けて来た人生の転機を手に入れたかったのだ。
どうしようもない引き籠りから周りに認められる、何かを期待される人間としてこれから生きていきたかったのだ。
でも子供のように純真無垢な一子から、顔の傷を鏡越しにまじまじと見る一子となり、その姿は決して以前の自堕落な彼女ではなく、逞しさしかない。彼女は変われた。
安藤サクラさんの凄さは言わずもがな。
「めしでも食い行くか」。なるほど、こういう時に使うのか。
こりゃコロリですわ。(何をしたのかはこの際考えない)
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