「日本製ゾンビ映画決定版。」アイアムアヒーロー mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
日本製ゾンビ映画決定版。
これまたマンガが原作。映画がおもしろければなんでもいいとは思っているが、マンガの人気にあやかってばかりでは、映画人の名折れ、とは思わないのかな。
もっとも、僕はこの原作の存在も知らなかったので、気分は映画オリジナルではあるけど。
野木亜紀子脚本、佐藤信介監督のコンビは「図書館戦争」シリーズに続いてのもので、お互いによくわかっている者同士ということになる。
ことさら脚本に感心したわけではないが、おそらくは原作に盛り込まれている「ZQN」の成り立ちみたいなものをバッサリ切って、ひたすら逃げる戦うの繰り返しにしたのはよかった。
そこで起こっている現象を描けば映画は成り立つ、その見本である。「テラフォーマーズ」に足りなかったのはこの英断であった。
また、佐藤信介という監督を誤解していたかもしれない。なんと2001年の「修羅雪姫」(釈由美子主演)以来観ていないのだから。
本作は、製作プロダクション 東宝映画 とクレジットされる堂々としたメジャー映画である。それでここまでやるやれたのは未来の日本映画にとって光明がさしたといえる。
あえていうと、長澤まさみがもっと血みどろになっていたら言うことなしだった。
掛け値なしにおもしろかった。
途中、女子高生くらいのふたり連れが退場していった。
映画のあと、年輩のおばさまふたりが「慣れていく自分がこわい」とおっしゃっていた。
そんな映画である。
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