「この映画、売り方が間違ってる・・・。」アイアムアヒーロー timebanditsさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画、売り方が間違ってる・・・。
私、個人としては、結構、楽しめる映画でした。が!他の方のレビューを観て初めて解ったのですが、まあ、これを予備知識無しで見に行ったら、あの「ゆるーい映画タイトル」、「ほんわかコメディ的なキャスティング」「ゾンビを一切見せない予告編」この情報だけで、この映画が所謂スプラッター映画、ジャンル映画だとは絶対解りません!そういう意味ではあの宣伝、その手の映画に慣れてない方にとっては詐欺以外、何者でも無い。多分、顔面蒼白で映画館を後にしたカップルがいたでしょうねぇ。だから、このキャスティングでよくこんなジャンル映画作れたな、と感心する反面、あの映画予告編は詐欺です。もっと過激なシーンを見せて、「こういう映画ですよ」と断っておかないと。「R15」とはうたってるけど「ゾキュンパニック」とかいう言葉で濁して。まだまだ日本では「血糊ブチャブチャ」を見て大笑いする文化はあまり育ってないから、売り方が難しいとは思うけど・・・。後、内容に関して言えば、ゾンビ映画に対する、愛情のこもった、オマージュに溢れた映画ではあったけど、逆にストーリーが定番過ぎて先が読めるのも確か。前半かなりのハッタリ映像(褒め言葉。戦闘機やヘリが飛び交うシーン)が効いてるし、ゾンビの演出もかなり丁寧に作り込んであって、これまでのような和製ゾンビ特有の「雑さ」は無かった。只、後半のショッピングモールに入ってからは、定番過ぎる悪役独裁者の描写がちょっと鼻につく。あんな特技もカリスマも無い奴がリーダーになれる訳無いじゃん!「高跳びゾンビ」は良かったけどね。あと仲間の「ゾンビ女子高生」の発想も面白かったので、もっと活躍させて欲しかった。後半、只のお人形になってしまうのはもったいなかった。でもかなり過激な描写の連続だし、こういう映画がまだ普通に見られる間は日本もまだ大丈夫だ、と何故か、ホッとする一本でした。