海街diaryのレビュー・感想・評価
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𠮷田秋生の傑作を冒頭のワンシーンで是枝色に染め替えた凄腕に脱帽した作品
この作品は海街diaryの第1巻(全9巻 この作品が発表された時点では6巻まで刊行されていた)に焦点を当てて描かれている。
が、冒頭の二女佳乃が寝ている姿を彼女の足元からズームインする映像を観た瞬間、この作品は紛れもなく是枝監督のモノだと思った記憶は鮮明に覚えている。
映画は原作を大きく脚変することなく、テイストもきちんと残しつつ、是枝監督色を控えめながらも出していく熟練の技に引き込まれた。
それは、漫画で表現出来る限界を意識しつつ、是枝監督の想いを映像化したあの忘れ難い満開の桜のトンネルを風太(前田旺志郎)がすず(広瀬すず)を自転車のサドルに乗せ走りゆくあまりに美しいシーンに代表される。
鎌倉の四季の移ろいゆく姿を映像美として表現する事で、原作の素晴らしさを更に引き立てた是枝監督の手腕に頭が下がった作品。
原作を知らなくても、ある4人姉妹の一年を丁寧に描いた、見応えのある作品である。
<2015年6月13日 劇場にて鑑賞>
女姉妹の尊さ
元々予告だけで、確実に泣くな、とは思ってたけど、
今回やっぱり泣いちゃいました。
是枝作品では一番好きな作品になりました。
台詞にやられます。いきなり、
「もう妹なんだから、“ちゃん”はつけないよ」(綾瀬)
結構序盤なんだけどこれで1泣きして、
その後もちょいちょい泣かされて、
何か大事が起こるわけでは無いけど、
何気無い日常を重ねていくうちに芽生える存在感。
「ここに居ていいのかな」(すず)
と言っていたちょっと前から、
「ここにいたい!」(すず)
「すずはここにいていいんだよ」(綾瀬)
ここでダム決壊しました。号泣でございます。
4姉妹それぞれの淡い恋バナもあり、
それもみんなで共有してしまう家族っていーなー、と思うけど、
それは姉妹だからだろうな、姉妹って羨ましいな、とも思った。
男兄弟で共同生活とか、してる人いても、
ここまで仲良いのは無いと思うな。
内容も良かったし、長澤まさみがエロいし、
まえだまえだのおうじろうが中学生なんて大きくなったなあ、
としみじみしました。
サークル
しらす丼、梅酒、おはぎ、シーフードカレー、天ぷら蕎麦。日本にはこんなに豊かな食事とゆったりとした時間、義理人情があったのかと懐かしさと温かさで一杯になりました。是枝監督は「万引き家族」でも人情味に溢れた日本昔話的な世界を表現してますが、この作品も土台は全く同じかと思います。そして、この豊かな時間はもう私の手の届かない場所に行ってしまったのかもしれないと、妙にセンチメンタルになりました。また、私が子供の時に観ていた大林作品にも通じるものを感じました。
私のおばあちゃんも、おばあちゃんのおばあちゃんも、桜を見て感動したり、梅酒を作ったり、おはぎを食べたり、私が今生きている様に生きていたのかと思うと、とても愛おしい気持ちになります。沢山の季節が過ぎ去り、今ここに生命が繋がれている。そんな生命のサークルの一部である事に気がついたら、自分にも他人にももっと優しくなれそうです。
ストーリー性のなさを補って余りある4姉妹の魅力
鎌倉の古い家にて暮らす3姉妹に届いた自分たちを捨て、出ていった父の訃報。
気乗りしない葬式にて出会った腹違いの妹、すず。
新たな家族としてすずを向かい入れた香田家の日常を描いた作品。
近年の日本映画界でなくてはならない存在となった是枝裕和監督の作品。
長女の幸に綾瀬はるか、次女の佳乃に長澤まさみ、三女の千佳に夏帆と末っ子に生まれ変わりたいクラスに羨ましい家系に、腹違いの妹としてすずこと後のスター広瀬すずがやってくるという羨ましい映画笑。
内容的には家族のほのぼのストーリー有り、各人の恋愛事情有り、確執の残る亡くなった父と疎遠になっていた母との和解など、オムニバス的なストーリーの詰め合わせでメインの話があるわけではないが、4姉妹それぞれの魅力ある姿に観てるだけでも満足のいく内容になっている。
部屋着姿ビールを求めてゴロゴロする隙だらけの長澤まさみを拝めるだけでも観る価値はあると思う笑。
あと噂で聞いていた広瀬すずのサッカーがガチで上手くて驚いた笑。
シーン的には最後の方にすずが友人達とボートに乗って打ち上げ花火を見上げるシーンが好き。
このシーンで花火を直接写さずに水面を写して反射して色だけの花火を表現してたのがかなり洒落てて良かった。
夏の終わりにのんびりと観たい映画ですね。
何気ない日常を、穏やかに描いた映画
筋書きは単純、オールスター
キャスティングが微妙。全員主役級のキャストだけで、名脇役と言われるような人があんまりいない。新しい役者さんの発掘は到底望めない。是枝さんは、もうちょっとキャスティングで冒険しても良いのではないか。綾瀬はるかさんの演技が思いのほか良かったのは収穫。筋書きも単純だが、心に響く内容にはなっている。ただ、キャスティングがなぁ。
なぜに涙が
広瀬すずのブレイク作
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