海街diaryのレビュー・感想・評価
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やっと見つけた居場所
自分の内面を誰かに見せるまでは、かなりの時間とそれまでの過程があるけれど、それを踏まえて全てをさらけ出した時に、初めて、自分の居場所になる。
すずは強かった。それを受け入れた3姉妹も、寛大な心の持ち主なんだな。
将来、海の街に住みたくなった。
家族は特別な存在
みんなそれぞれ家族との思い出があったり、家族のことで抱えてる悩みがある。
家族ひとりひとりが色々な思いを持っているが、それぞれが相手の気持ちと向き合って乗り越えていく姿になんだかホッコリさせられた。
また家族というものはほんとうに特別なものだということに改めて気づかせてくれた映画。
マンガ原作でも是枝作品
原作ファンだから、正直本作を若干敬遠してきた。でも周りの友人たちの評価が高かったのでようやく鑑賞することに。
マンガ原作であってもやはり是枝作品。海、砂浜、江ノ電、街並みといった鎌倉の風景をキレイに映しながら、あの4姉妹の物語が展開していく。
原作の序盤をうまく削ぎ落としながら一本の映画にまとめられていたことが素晴らしい。すずが3人の姉たちとの共同生活を始め、徐々に家族になっていく姿が感動的に描かれる。全部展開を知っているのに感動してしまった。
やっぱり是枝監督の映画はいつも配役がいい。原作とイメージが若干違う人もいたが、それでもちゃんと本作の雰囲気にあっていたと思う。続編は難しいんだろうな。でもこの配役での続編が観たい。
鎌倉の美しい自然と温かい人々の物語
前に一度途中まで見かけていたのですが、今回はやっと最後まで観れました。
父親が浮気して母親が出ていき、鎌倉の家に残り暮らしている三姉妹が父親の葬式に行き、そこで出会った腹違いの妹すずと暮らすことで、少しずつ絆が深まっていく物語。
美しい江ノ島、鎌倉の景色をバックに本当に何気ない三姉妹の日常が描かれていて新鮮で少しずつ皆が成長し、絆を深めるストーリーには本当に感動しました。
涙が出るような感動ではないけれど、じわじわと感動が来る優しい映画です。
是枝監督作は初めてだったのですが、映画全体の優しい雰囲気や、漫画の原作をこれだけ上手く一本の映画にする力は、流石今の日本を代表する映画監督だと思いました。
映像以外にも、三姉妹の性格が服装や仕草などからはっきりとわかる俳優さんの演技力が良かったです。
一見、こんな美人な姉妹がいるのかと思い込んでしまいそうですが、映画を見ればそうでないことはすぐわかります。
物語が進むにつれて、名だたる役者の方々が次々と登場されますが、いい意味で全く大物感がないです。
何箇所も印象に残るシーンがありました。
山、海、花火、紅葉、紫陽花、桜といった日本の四季折々の自然の風景も感じることができ、1年間の物語にして正解だと思います。
誰が観ても楽しめる作品になっていたと思います。
何度でも観たいです。
これは…アレだな
原作未読
特に大きなイベントもなく、静かに日常を写し出す。細かいエピソードを通してキャラの情報が徐々に見えてくるような構成だったので、個々のエピソードにぶつ切り感があり、結果的に他人の生活をただ覗いているだけのような感覚。
もう一度観れば感じるものが変わるかも知れないが、またあの家に遊びに行きたいかと言うと別にそうも思わない…
心地よい映画
ひとつひとつの場面に、是枝監督の丁寧さと誠実さを感じる映画
どの場面を切り取っても、美しく、心地よく、構成全体に大切な役割を果たしている。
山場なし、事件なしの、淡々とした4姉妹の日常が描かれて、長女幸のすずへの言葉「すずはここに居ていいんだよ。ずっと」がキイワードになっている映画だと思う。
「ここに居ていいんだよ。ずっと」
居場所というものは、必死に努力して確保していくものではなく、与えられるものなのだろう。
すずは、ありがたいことに、拘りがない・・・かのように見える3人の「お姉さん」たちに居場所を与えられた。
父親の葬儀を終えて、3姉妹が電車に乗り込む場面がある。電車に乗り込み3人が揃ってすずに笑顔を送る。すずは、3人の「お姉さんたち」を見上げる。
そのところで、妙な実感があった。
しらす御飯を食べようとするすず。しらす御飯を始めて食べる(実は始めてではなかった)すずをのぞき込み、「おいしい」というすずの言葉に満面の笑顔になる3人のお姉さんたち
このところも妙な実感があった。
映画を視終えて3日ほどして、「ああ、そうか」と思った。
従妹の3姉妹を思い出たのだった。
末っ子はわたしより1歳上で、よく一緒に遊んだから一番仲が良かった。
2番目のお姉さんはとても美人だったがあまり記憶がない。
一番上のお姉さんは大学がわたしの家の近くだったのでよく泊まりに来て一緒に遊んでくれた。
トランプをしながら、「プリーズ」という英語の意味を教えてくれた。
お姉さんたちは、わたしの知らない世界を一杯知っていると思われる、不思議な、憧れの存在だった。
田舎にあるお姉さんたちの家に遊びに行くと、お姉さんたちは精一杯の笑顔で付き合ってくれた。
「すずも、そんな気持ちでお姉さんたちを見ていたのだろうか」と思った。
映画中の人々は、どの人も見ごたえがあった。是枝監督はキャスティングの天才だと思う。
キャスティングを終えた時点で、映画の勝負はほぼ決まっていたのかも知れない。
長女の綾瀬はるかは、背筋のピンとはった演技をする。3人姉妹も、実は、居場所を失ったことがあるのだと観客に分からせる。
二女の長瀬あゆみは、お姉さんたちは女であることを意識させる。
三女の夏帆は独自のスタンス(距離と雰囲気)を保ちながら末っ子の運命である「小さなカウンセラー」を演じる。映画では長女と二女に目が行きがちだが、夏帆に注目して映画を視返すと、その演技力に驚く。すごい女優さんだと思う。
素晴らしい
見終わった後の幸せな気持ちや満足感はこの手の映画では1番だった。
台本を渡されてないからこそなのか、広瀬すずの自然な演技は素晴らしかった。超可愛いし。
他の姉妹3人もそれぞれの個性が存分にでていてとても良かったと思う。周りを固める俳優人も豪華でいて無駄遣いでない。
サスペンスや事件系の映画しか興味ないならオススメしないが、そうでないなら絶対にオススメできる作品だった。
つぁ〜
もう何回観たかわからないくらい観ていますが、改めて観させて頂きました。
どんなに明るい家族でも一人一人抱えているものはあって、それは大きかれ小さかれ、その人自身にとってはとても大きなことなのだなと思った。そしてすずにとって香田家は居心地の良い場所でありながらもどこか父親のことも含め、すべてを打ち明けられるという場所にはなり得ないのだなと感じ、それをまた周りの温かい人達との関わりの中でほぐしていくのかなと思った。長女はそれはもちろん家族のことも含め沢山の考えることがあり、次女も三女も然り。助け合いが大事である。昨今の社会はどこか周りとの関係が希薄になりがちである。今一度、手を取り合い助け合うことの大切さ、寄り添うことの温かさを感じる機会が増えるといいと願った。
仲の良い四姉妹
鎌倉の古い家に住む三姉妹の元で暮らすことになった腹違いの末っ子すず。しっかり者の長女、酒好きの次女とスポーツ店に勤める変わった趣味を持つ三女。
山形の駅のホームで一緒に暮らすことを約束したすずが手を振りながら姉達を見送るシーンは自然に涙が出てきた。
一緒に暮らすことになったすずの母は姉たちにとっては父親を奪った憎い女なのだが、何のわだかまりもなくすずに接して生活する。
ラストシーン鎌倉の海岸を他愛のない話しをしながら歩く四姉妹。本当に仲のいい姿にホッコリする。
四姉妹も今をときめく女優達ですが、脇を固める俳優達も名優揃いです。
見終えた後、爽やかな風が吹いて来るような作品でした。
やさしいきもち
漫画原作作品だと思ってたけど、是枝監督だったのか。。。
是枝作品だとなんとなく殺伐としたテーマが多いけど、この作品は愛があってあったかい作品だったな。広瀬すずがすごくみずみずしいし、姉妹みんなきれい。
親の離婚とかバラバラな家族など複雑な環境の中で、鎌倉の古民家で仲良く暮らす4姉妹がすごく微笑ましい。
離婚や不倫、死別など、辛いテーマとかとげとげしくなりがちなエピソードが多い中で、あったかい気持ちで最後まで見れたのが良かったなぁ。。。
𠮷田秋生の傑作を冒頭のワンシーンで是枝色に染め替えた凄腕に脱帽した作品
この作品は海街diaryの第1巻(全9巻 この作品が発表された時点では6巻まで刊行されていた)に焦点を当てて描かれている。
が、冒頭の二女佳乃が寝ている姿を彼女の足元からズームインする映像を観た瞬間、この作品は紛れもなく是枝監督のモノだと思った記憶は鮮明に覚えている。
映画は原作を大きく脚変することなく、テイストもきちんと残しつつ、是枝監督色を控えめながらも出していく熟練の技に引き込まれた。
それは、漫画で表現出来る限界を意識しつつ、是枝監督の想いを映像化したあの忘れ難い満開の桜のトンネルを風太(前田旺志郎)がすず(広瀬すず)を自転車のサドルに乗せ走りゆくあまりに美しいシーンに代表される。
鎌倉の四季の移ろいゆく姿を映像美として表現する事で、原作の素晴らしさを更に引き立てた是枝監督の手腕に頭が下がった作品。
原作を知らなくても、ある4人姉妹の一年を丁寧に描いた、見応えのある作品である。
<2015年6月13日 劇場にて鑑賞>
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