シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのレビュー・感想・評価
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太ったシェフって信頼できるよね。
こうしてレビューするのが憚られるよね。
先日の朝、鎌倉のカフェに「この映画を観たあとなんじゃないか?」と思われる2人がいた。
自分たちの作る鯖サンドは特別なものがあって、特別な味とかそういうのがあればフードトラックで成功すると思うから一緒に頑張ろう、みたいな感じで未来を語り合っていた。そんな上手くいくかよ、と思いながらも、若者2人のその純粋な感じを応援したい気もした。
この映画を観て、「イイなぁーフードトラック。好きなところで好きなもの作って楽しい人生・・・」なんて感じで影響された人はたくさんいると思う。実際にキューバサンドのフードトラックを始めた人なんかもいるらしいし。かく云う私もそう感じてる。
ただこのシェフについては前提として三つ星chefという肩書きとか実力があり、そこからの「間違ってない主張」での炎上を経緯して、という流れがあるので、現実には何者でもない誰かがフードトラックをはじめて誰もがこんな上手くいくわけないと思うのである。
なんて。映画をもとに現実を考察してんじゃねーよって感じでしょうか。こりゃ、失敬。
レビューサイトを批判する訳じゃないけど、批評家ってほんとにウザい存在だと思う。というかシェフとかレストランやってる人たちって、美味いだ美味くないだ当然のように書き込みされてるのによく耐えてると思うし、相応しくない客に対してはもっと攻めていいと思う。
幸せを運ぶフードトラック
やりたい事やろってことかな。
父が息子との関係を修復する物語
◆物語
一流レストランでシェフをしているカールキャスパーはレストランのオーナーと方向性の違いにより衝突、店に訪れたグルメブロガーとのケンカも引き金となり店を去ってしまう。カールは仕事一筋でやってきた為、これまで息子にかまってやれる事もなく、奥さんとは離婚中でした。仕事もプライベートも上手くいってない中、フードトラックでの移動販売で再起を図ります!
◆感動ポイント①
カールの料理人としての再起物語もありますが、カールがダメな父親から、息子と関係を修復し良き父親に成長する物語でもありました。
精神科医樺沢紫苑先生の著書『父滅の刃』に書いてありましたが、子供との関係修復に大切な4つの要素。
1)きちんと子供と対峙する。
2)子供との共同作業、「苦しい」も「楽しい」も共有する。
3)自分が一生懸命、頑張っている所を子供に見せる。
4)子供と出来るだけたくさんの時間を過ごす。
これら全て含まれていました。(改めて凄い本だなと思いましたね・・・。)
◆感動ポイント②
私は映画を観る時に登場人物がどのような性格なのか、登場人物が父親や、母親からどのような影響を受けているか?に着目して映画を観ています。
映画の序盤ではカールは良き父ではありませんでした。仕事ばかりで、息子をかまってやりません。遊びに行く約束も仕事を理由に破ってしまうし、たまの休みに遊園地や映画館に行っても仕事の事を考えているようできちんと息子と向き合っていません。
ある日、息子からTwitterの使い方を教えてもらいます。カールは何気ない動機ですが子供は嬉しそうです。
息子「話したり教えてたり出来る」だから嬉しいと言います。
子供にとっては仕事で上の空状態の父とどこかへ遊びに出かけるよりも向き合ってコミュニケーションを図る方が何倍も嬉しいんですね。
◆感動ポイント③
カールは古びたフードトラックを買い取り、料理人として再起をかけます。夏休み中の息子と市場に出かけ食材選びのいろはを教えたり、調理方法を教えながらフードトラックで各地を巡ります。今度は父親が子供に教える番です。
機材搬入を手伝ってくれた人たちにサンドイッチを振舞います。息子も手伝いますがパンを焦がしてしまいます。カール(父)は息子に取り換えるように指示しますが息子は「どうせタダで配るものだ」と返事します。
ここでカールは父親として、料理人として息子に規範を示します。
カール「俺は良い夫でも良い父親でもない、だが料理は上手い。
それを伝えたいんだ。
お客さんが笑顔になるとパパは元気になる
お前もそのはずだ。」
規律、規範を示し、料理人としてのビジョンを示します。
そして息子は答えます。
「はい、シェフ」
父親が真剣に叱る姿に、こんな料理人になりたい!とそのビジョンに共感したのでしょう。たった一言のセリフですが感動しました。
◆感動ポイント④
そしてこの映画!美味しそうな料理が次々と出てくる!美味そう!食べたい!腹が減る!
とにかく心地が良い
【良かった点】
◯料理が美味しそう
◯シンプルだけど伝わるストーリー
◯ SNSの良さと悪さをわかりやすく描いている
【あと一歩な点】
◯離婚後の母の行動を問い詰めるシーンの必要性
◯敵対する批評家の投資に(見る限り)すんなり乗った事
【まとめ】
料理に対する実直さと、息子との心を通わせていく事にフォーカスすることで、複雑な思考を持たずにすんなりストーリーに入り込める作品。
「シェフ」というものが、肩書き、アイデンティティ、家族とのつながりというそれぞれの側面を表していて、どれも現実離れしない程度に理想的な展開になっているのも良かった。
もちろん料理はどれも美味しそうで観ているだけでお腹が空いてくる。
観終わった後に爽やかでスッキリした感動?を感じたければ是非観てほしい一本。
全てが好き
ロードムービー
夢を追う後押しになる映画
好きなことを仕事にはしてるが、雇われで自分でやるほどの勇気がない
プライドを捨て、小さく始めてコツコツ進む先に成功を掴める これが凝縮された内容
作品としてはもう少し掘り下げてほしい部分もあったが、全体的には楽しめるものだった。
久しぶりに良い作品に出会えた
少し前に観た映画なのだけれど
良い映画だったなーと思ったので思い返しながら。
主人公のカールはまさかの監督本人。
「アイアンマン」シリーズのジョン・ファブロー監督が製作・監督・脚本・主演の4役を務めるという珍しい作品。
調理する様子や料理などが
本当に美味しそうに撮られている所も見応えの一つ。
ロサンゼルスの有名レストランで総料理長を務めるカール。
オーナーや自分の料理を酷評する評論家とケンカして店を辞めて元妻イネスの提案で、息子のパーシーを連れて故郷のマイアミへ。
マイアミで食べたキューバサンドイッチの美味しさに驚き、フードトラックでサンドイッチの移動販売をすることを決意。
一度は挫折したカールが
少しずつ家族の絆を深めて
前向きに生きていく様は心温まる。
是非大切な誰かと見て欲しい映画。
観ていて腹が減ってくるのは良いグルメ映画の証明だ
映画レビュアーとしても有名なライムスター宇多丸さんが絶賛していた本作。「万人におすすめできる」と話すほどに絶賛していたのが気になって鑑賞しました。
「一流レストランのシェフが色々あってフードトラックを始める」というおおまかなあらすじは知っている状態での鑑賞です。
結論。非常に良かった!!!宇多丸さんが「万人におすすめできる」と言った意味が理解できました。
料理を通じた人間関係、親子愛や夫婦愛などがきっちり描かれていて人間ドラマとしても非常に楽しめましたし、何よりも出てくる料理が全部めちゃくちゃ美味そうなんです。映画中盤に、トラックを手に入れてからはフードトラックとして営業しながら自宅まで帰るロードムービーになります。主人公と息子、そして主人公の助手のお調子者シェフ。男三人による旅行シーンの楽しいこと楽しいこと。アメリカ各地の名産品を食べたりおバカな下ネタで盛り上がったり。不器用な父親と知的な現代っ子の息子による親子ドラマが非常に素晴らしかった。
「料理を介した父子の交流を描く」といえば、最近は『461個のおべんとう』という邦画がありましたね。こちらの作品も非常にクオリティの高い飯テロ&親子愛映画ですので、本作が気に入った人はぜひ観てみてください。多分ハマると思いますよ。
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ロサンゼルスにある一流のレストランで総料理長として働く凄腕シェフのカール(ジョン・ファブロー)は、定番のメニューしか作ることを許さない凝り固まった考えを持つレストランオーナーと揉めていた。ネットで有名なグルメ評論家が来店した時もオーナーの指示で定番メニューを提供したのだが、これが評論家に酷評されてしまう。怒り心頭のカールは評論家に対して暴言を投げつけ、これがきっかけでネットは炎上。カールは職場を追い出されて再就職先を探すがなかなか見つからなかった……。
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ジョン・ファブローは本作の製作・脚本・監督・主演という一人四役を務めた天才的人物。アイアンマンの監督として確かな地位を築いた人物であり、そして本作は彼がアイアンマンの続編の監督オファーを辞退してまで作りたかった映画。
まずはこれだけ言わせてほしい。この作品を作ってくれてありがとうジョン・ファブロー!!
物語の前半、主人公のカールがレストランのオーナーによって本来の自分の作りたい料理が作れないという葛藤が描かれます。有名なグルメ評論家が来店するということで渾身の新メニューを作ろうとするカールに対して「勝手なことをするな、いつものメニューを作れ」と高圧的なオーナー。メニューはカールが自由に決めて良いという契約だったのに、オーナーは権力を笠に着てカールに指示を出します。そして案の定評論家に酷評され、総料理長である自分の顔に泥が塗られる結果になってしまう。
この描写はなかなかキツかったですね。「自由に料理作って良い契約だったじゃないですか!」って感じで。こないだ観た『花束みたいな恋をした』でも「1カット1000円の契約だったじゃないですか!」ってシーンありましたけど、それに通ずるところがありましたね。
そして中盤。レストランをクビになってしまったカールが息子と元妻と一緒に故郷のマイアミに訪れた際、そこで食べたキューバサンドイッチの美味しさに驚き、過去に一度「フードトラックをやらないか」と誘われていたことを思い出し、「このサンドイッチをフードトラックで出そう」と決心します。
フードトラックの入手までがかなりとんとん拍子に進むので後から考えてみれば結構ご都合主義な展開なんですけど、実は序盤で元妻との関係性とかフードトラックの話がちらっと出ていたので映画観ている最中は全然違和感感じなかったです。ここは脚本の妙だと思います。
後半は男三人で自宅へ帰るまでのロードムービーになります。
カールと助手のマーティン、そして息子のパーシー。男同士のロードムービーには思わずニヤニヤしてしまうような笑える描写がてんこ盛りで、自分も4人目のメンバーとしてアメリカを廻っているような気分にもなれます。マーティンが「シェフに年齢は関係ない」とパーシーにビールを勧める描写がありましたが、本当に年齢の差を感じさせないような仲良しな三人の旅行はずっと観ていたくなる魅力があります。あと5時間観れる。ずっと観てられる。
SNSの使い方も上手かったですね。序盤はカールがネット炎上を起こしてレストランをクビになる描写があるように「使い方を間違えると怖いよ」という使われ方をしていましたが、後半はパーシーがフードトラックの広告のためにSNSを活用し、たくさんのお客さんがカールの料理を目当てに押し寄せて人々の輪が広がっていくなど、「正しい使い方をすれば便利だよ」という使われ方をしていました。最近の作品ってSNSの悪い面ばっかり描写する作品が多いように個人的に感じていて、それがすごく不満だったんですよ。なので、本作のようにSNSの良い面と悪い面をきっちり描いているのは好感が持てました。
他にも素晴らしいところがたくさんあるんですが、既にかなり長くなってしまったので割愛します。
本作は久々に「誰が見ても面白いだろう」と思える名作でした。オススメです!!!
EL JEFE CUBANOS
料理人の中年男がTwitterをよく理解しないでツイートしてしまうとかありそう。(料理人をバカにしてるとかでなくて)オッサンだからついカッとなって、やらかして次の日ビックリ、息子に教えられるという。
あるあるではないけど、ありそうありそう。
指のタトゥーで差し替えなしで料理してるのがわかるし、見た目も料理人ぽい。映画監督だけど実際こんな人なのかなぁと思ってしまうくらいリアル。劇中でロバートダウニーjrがジョンファブローに手を差し伸べるという展開があり、フードトラックで料理を提供する事は、低予算で自分の撮りたい映画を作る事に重なってるし、わかる人にはわかる熱い話。経営者から言われた料理を提供せざるを得なくなって、面と向かって評論家に怒りをぶつけにいくとこも映画監督人生に重なってる。
フードトラックを手に入れてからの親子のドラマが非常に良くて、ここがいちばん良いところ。
俺のやりたいこと、喜んでもらうこと、シンプルでストレートなメッセージを放つ名作。
シェフの父親を通して、大切な何かを感じさせてくれる作品
出てくる料理の美味しそうな所とか、主人公の奥さんがセクシーすぎるだとか気になる所はいっぱいあるけれど、結局料理を作るシェフという職業を通して、人として、父親としての関わり合いの大切さを描いた作品。
主人公は太っていて不摂生そうでタトゥーもばりばり入れてて、第一印象はなんか駄目そうな大人なんだけど、短気ではあるが根っ子の部分は凄い仲間想いで家族想いなのが物語を通して伝わってくる。
不器用でズボラな所もあるのだけれど、シェフとして料理に対する姿勢と誠意だけは絶対に譲らない所が、普段とのギャップを感じて、とても格好良い。
シェフとは別の所の自分の駄目さを理解しているからこそ、素直に息子に対して自分が悪い所は謝れるし、良い所は褒めて、決して型にはめずに判断を委ねる所が父親としてとても立派で感動してしまう。
ストーリー的には前半がちょっとスロースタートで、後半が急ぎすぎな所はあるのだが、SNSを絡めた現代風の成り上がりストーリーは爽快感があって、楽しんで観れた。
最初は店の中だけで行われるようなドタバタヒューマンドラマみたいな映画だと思っていたけれど、こんなに心の中を優しく揺さぶってくれるロードムービーだとは思わず得した気分になりました。
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