フューリーのレビュー・感想・評価
全212件中、141~160件目を表示
戦車戦の惨さを描いた初の試み
ミリタリー好きの私には抗う事も避けて通る事も出来ない映画です。
ツッコミ所はありますが、
戦車戦の様子をこれ程詳細に描いた作品は稀有では無いでしょうか?
あの狭い空間で大の男達が生活し、戦い、そして命を落とす。
蒸せ返る臭いまで伝わるようなリアリティーがあります。
戦争の惨さを伝えた映画は数多ありますが、
言葉や演出を使わず容赦無く映像で表現した
重く素晴らしい映画です。
戦争という日常を暮らすこと
子供の頃から、プラモデルが好きだった。特に戦車が大好きだった。ドイツ、アメリカ、イギリス、現代日本の戦車などを作りまくっていた。そんな僕にとっては「戦車の映画」と聞くだけで心が疼くのだ。本作は、第二次大戦末期が舞台。アメリカの戦車部隊に新兵ノーマンが配属されてきた。彼はタイプライターしか打った事がない。何かの手違いで、戦車部隊に配属されてしまったのだ。彼は「FURY」と名付けられた戦車に乗り込む事になる。この戦車の指揮官(車長と呼ばれる)がブラッド・ピット演じる、愛称ウォーダディー。彼はドイツ語が堪能だ。もしかして、ドイツ系アメリカ人か? と思わせる。しかし、彼はドイツには容赦ない。獰猛で猛り狂う。復讐心をあらわにする。その愛車「FURY」の意味そのものなのである。
新兵のノーマンに対し、捕獲したドイツ兵をピストルで殺せと命ずる。ためらいなくドイツ兵を殺せる様に訓練させる。
ドイツとの戦争は末期の状態。ドイツ軍は手持ちの部隊を本土防衛に向かわせようとしていた。それに対し、FURY号にも命令が下る。本土防衛に向かうドイツ軍部隊が通過する十字路がある。そこに向かい、部隊の通過を阻止せよと言うのである。その途中、仲間の戦車部隊がことごとく撃破されてしまう中、車長ウォーダディーは「FURY」号たった一台で多数のドイツ軍と戦う決意をするのだった……。
いうまでもなく、戦車の中はとても狭い。その戦車の中をどう映画として撮影するのか? 本作はそれに挑んだ。戦争映画の名作「Uボート」あれは潜水艦映画の傑作に留まらず、極限状態に置かれた人間の生き様を描ききった傑作であると思う。Uボートの極度に狭い艦内をまっすぐ前方に移動するキャメラの効果は、凄まじいリアリティだった。急速潜航する際に、乗員が一斉に艦首へ猛ダッシュする。コンマ一秒でも速く潜るために、全乗員の体重を艦首に移動させ、艦の重心を前方へ傾けるのだ。こんなことは、それまでの潜水艦映画では描かれなかった事実である。戦争のリアルを描く事は、実はいかに細部までリアルさにこだわるか? その後の戦争映画の基礎をつくった作品と言える。
本作の人物描写は車長ウォーダディーと、新兵ノーマンとの一連の”絡み”が中心だが、もちろん、本作の重要な主人公はもう「一台」いる。米軍中戦車M4シャーマン「FURY号」そのものである。M4シャーマンはアメリカが生み出した第二次大戦中を代表する戦車だ。戦車の要素は「攻・走・守」だが、守る事に関してシャーマンは若干弱かったようである。それでも4万9000台以上と言う、ドイツ軍戦車から比べると、一桁上を行く生産台数の違い、その圧倒的な物量作戦もあって、第二次大戦時、連合軍の勝利に貢献したとされている。
当時の戦車兵たちはどのように闘っていたのだろうか?
戦車長のウォーダディーのセリフに「こいつは俺の家だ」というのがある。皆、そう思っていただろう、とおもう。映画に描く場合、その主役である戦車と、それを取り巻く環境に「生活感」がないといけない。燃料、弾薬、食料と水。それらは戦車にどのように積まれていたのか? 戦車兵達はどのように戦争と言う「日常」を暮らしていたのか? 戦時中のM4シャーマンの写真を見ると、予備の車輪や、薄い側面装甲を補う土嚢、木箱、テントらしきもの、その他様々な袋が括り付けられている。まさに、戦車兵達の「日常の暮らし」そのものを載せて、M4シャーマン戦車は戦場を駈けていたのである。本作ではそれらのディティールがよく表現されている。また本作では「本物の」タイガー1型戦車が登場する。これはイギリスの博物館に収蔵されている、世界でただ一台動かせるタイガー戦車だ。そのドイツ戦車らしい無骨さと、職人技の結晶のような造形美。戦車マニアなら、その姿をスクリーンで観ることが出来るだけで、ほとんど涙しそうになる。第二次大戦当時、タイガーは「戦車の王様」だった。タイガー戦車とまともに闘える連合軍側の戦車はなかったと言われている。
本作では、ブラッドピットをはじめとするキャスティング、及びもう一人の主役である戦車とその描写については申し分ない出来であると思う。ただ、脚本面での若干の冗長さが気になった。
また、ドイツ軍側やドイツ親衛隊(略称SS)を悪の権化のように一方的に描いているのもやや疑問を呈するところではある。
また、戦争映画にありがちな「大量殺戮」シーンが本作でも登場する。それを演じるのは多くのエキストラ達だ。しかし、大量殺戮された一人一人の兵士達にも、家族があり、それぞれの人生がある。
劇中で殺されていった多くのドイツ兵や、当時のドイツ人はどのようにヒトラーを支持する事に至ったのか? 戦争や、自国ドイツの事をどのように想って闘ったのだろうか?
なお、M4シャーマンのエンジンをつくっていたフォード社の創業者ヘンリー・フォードはヒトラー支持者であった事が知られている。その部分にもスポットを当て、鋭く切り込むような作品が、いつの日か現れる事を待ちたいと思う。
ブラピがかっこよすぎ
トランスフォーマーであんなに青臭かったシャイヤラブーフが、かなり渋めだったのでびっくり。
パーシージャクソンのローガンラーマンの初々しさをしっかり引き立てていました。
最初は敵も撃てないローガンラーマンが成長する様は、プラトーンのチャーリーシーンを思い出しました。
改めて戦争の怖さをしりました。
戦争に行きたくなくても行かなければいけない運命の中人が変わっていく様が描かれておりその怖さを改めて知りました。
内容もまとまった作品でアカデミー賞最有力の評価も納得です。
人生の過程で観て損しない作品の1つ。
フレッシュな戦争映画
プライベート・ライアン以降のリアルな戦闘描写で、戦車戦が見られる!
それだけでも価値があるが、それ以外の戦闘描写にも新しさがあって良かった。
乗組員それぞれのプロフェッショナルな仕事ぶり、チームの絆、戦車同士の対戦など、カッコ良くてしびれる要素が満載だが、いつ誰が死んでもおかしくない緊迫感と、容赦ない描写で、絶対そこにはいたくないと思わせる良い戦争映画。
Fury
男のいや漢の映画。こう言ったら語弊があるかもしれんけど、この映画の良さは女には完全には理解しきれないと思う。
ぶっちゃけ俺も一回目じゃほんの上っ面しか感じ取りきれなかった。もう一回観ることで本質的テーマが痛いくらいビシバシ伝わってきて評価が一気にうなぎ登った映画。この映画とは一生付き合っていきたい。
マジ5人全員かっけえよ。悲しかっこいい…
ちゃんと戦争はあかんと思わせる造りも評価。ブラピ達は何に対して怒っていたんだろうな。それはきっと敵とかじゃねえ、戦争そのものなんだろうな。
戦車、大迫力。
空軍や海軍は一切登場せず。
ひたすら戦車対戦車。これがむちゃくちゃカッコよく凄い迫力。
戦闘シーンも結構エグいシーンが満載です。
殺戮をなんとも思わないブラピ隊長に人殺しなんてひどいことは出来ないと隊のお荷物になる新人隊員。この隊員の成長過程と共に戦争の悲惨さも語られます。
ラスト、孤高の戦車対ドイツ軍の息を呑む戦闘シーンはみものでした。
とにかくタイガー、そしてラッキー・ストライク
子供の頃に田宮模型のミリタリー・ミニチュアシリーズに小遣いを根こそぎ注いだ世代にとって本物のタイガーが暴れまくる本作はまさしく夢。
中盤の対タイガー戦は身震いするほど臨場感に溢れ、クライマックスの絶望的な戦況下でワラワラと湧いてくるナチどもにありったけの銃弾を浴びせる地獄絵図は極上のゾンビ映画のように美しく血塗れで感動的。きっとブラッド・ピットは『ワールド・ウォー・Z』でこれくらい盛大にやりたかったのではないでしょうか。劇中にこれでもかと出てくるラッキー・ストライクの喫煙シーンもきっとタバコの売上増に貢献することでしょう、いや多分そんなことはないです。
2014年最高のアクション映画
アメコミの実写化やSF映画が増えている今、一発の弾丸が命を奪ってしまう恐怖感や確実に敵を殺さねばならないという緊張感に満ちたアクション映画は極めて少ない。その意味において、本作は久々に真に見応えのあるアクション映画である。
戦争映画をアクション映画と捉えるのはしばしば抵抗がある。しかし、この作品は戦場で生きること=人を殺さねばならないこと、という理不尽さを過度に劇的になりすぎず、且つ感傷的にもなりすぎない絶妙な匙加減で描き、戦場で闘うことに説得力をもたらせた稀な作品である。
メインとなる5人の男達を人間臭く描いているのもまた良い。仲間に妬みや侮蔑という感情を抱きつつも、いざ戦闘となれば戦車に乗り込み、戦闘指揮、操縦、装填、砲撃と分担作業をこなすことで互いの命を守り合っていく。狭い戦車の中で繰り広げられるこの連係プレーは戦場での見事な人間ドラマを生み出している。とりわけ中盤のティーガー戦車との一騎打ちは戦車戦ならではの重厚感のある戦闘シーンには思わず力が入ってしまう。
勝つか負けるかの緊張感が始終物語を包むものの、決して痛快さや爽快感はない。タイトルにもなっている“フューリー”とは主人公たちが乗り込む戦車の名前のこと。ラストに映し出されるフューリー号の姿こそ本作の全てを物語っている。
戦争のない世界へ
あまり、得意ではない戦争作品に挑戦してみました。ブラットピットをはじめとして、みんな演技とは思えないほど。
戦闘シーンは、いままで見た作品の中でも1番リアリティーがあり良かったです。
いままでは、誰かの死ぬシーンは、悲しくて涙が止まらないことがほとんどでしたが、フューリーを見て、仲間の死を深く哀しむ時間もないのが戦争なんだと強く実感しました。
思考停止状態で回想している感覚
映像も音楽もずっと同じ雰囲気で、アクションの1回想シーンをずっとやってる感じだった。葛藤や成長だけに絞ったわけでもなく、ヒロイズムがあるわけでもなく、戦争の善悪を押し付けるわけでもなく、なにかに絞って訴えていく映画ではなかった。葛藤も成長も残忍さも、靄の中での出来事かのよう。戦車を使っての戦闘シーンとかもあったのに、どこか淡々としていた印象。
でも戦争ってそういうものなのかもしれない。
こういう”映像”が私にとっては一番記憶に残りやすく、だから戦争映画は嫌いなんだ。夢見が悪い。
それにブラピのきらきらしたかっこよさを出してくることも、渋かっこよさを出してくることもなかった。最後が悲惨じゃなかったことくらい。女の子は感想に困るだろうな。デートで見るべきじゃなかった 笑
ヒーローなんていない!
観終わった後のこの空虚感はなんだろう?重たい何かが心を鷲掴みにする。。戦闘シーンのリアリティさは、まさにこれが戦争なんだと否応なしに見せつけられる。戦争は、いつも弱者に襲いかかるものだし、だから二度と起こしては行けない事だと思わせる。戦争には、勝者も敗者もいない!ましてやヒーローなんて存在しないもの。最後に運良く生き残った彼?がまわりから英雄扱いされるが、彼?の表情がそれを物語る。この重たい映画のテーマはなんだろう?今は、見つからないが戦争にヒーローなんて存在しない!それだけは理解した。年末に実に重たい、考えさせられる映画を見てしまいました。皆さんも各々感じて下さい!
リアル戦車戦
最近ガルパンの影響で、戦車は綺麗なイメージがありましたが、久しぶりに泥まみれのリアルな戦車が見られました。戦争のリアルな面は良く描かれていましたが、反面エンターテインメント性が薄くなったのは仕方ないのでしょうか。最後は皆で生還してほしかったたですね。
熱くなるなー
この頃、戦争映画をポチポチと見ている中、フューリーの予告を見てると、戦車の戦闘シーンがあり、なんかもうそれだけで見ようと決めました。
んで、実際に見てみると、対戦車戦はそこまで無かったんですけど、タイガー戦を見れただけで満足…
なんですか、あいつ。硬すぎるじゃないですか。
なんだか、戦車にはまりそう…
内容的にも満足ですね。グロい部分もありますけど、自分的にはそこまで、うわっ!となるレベルではないですし。
戦争ってこんなに理不尽で残酷なものなんですよ、ってのを無理に見せようとしてる感じはありますが、それも新兵を成長させる過程を見せ、感情移入させやすくする為なんでしょうね。
確かに現代人としては、新兵のように人を簡単に殺すことに抵抗ありまくりですからね。
同じ立場に立たせたかったのでしょう。
あとはラストの戦闘は熱くなりましたね。
いや、無理だろ!って思うんですけど、希望を探しながら見てしまうので、一つ一つの戦いの度に、どうだ!これでどうだ!まだ終わらんのか!って思って、熱くなりました。
まぁ、でも心にガツン、と残るものは少なかったので、自分の中での名作としては残らないでしょうね。
なんだろなー
どこが、ってのが、言えないのが難しいとこなのですが。
俳優たちの名演技が光る作品
まぁまぁグロテスクなシーンがあるので、苦手な方は避けたほうがいいかも。過去の作品にはもっとグロテスクなものもありますが、そこそこのレベルかと。戦闘シーンの迫力や緊迫感は◎
一番の印象は名演技。ブラッド・ピットの演技は文句なし。50歳であの肉体はすごいの一言ですね~実際の戦場にいた兵士はあんな肉体だったのかな~?と疑問に思いながら。。。それよりも感心した俳優がバイブル役のシャイア・ラブーフとノーマン役のローガン・ラーマン。臨場感や、感情の変化など、引き込まれるものがありました。
ストーリーへの共感レベルはそこまで高くなかったかな~そこが少し残念。
「コンバット」の方が考えさせられたなぁ
「理想は平和だけど現実は残酷だ」ということを言うためにこれだけドンパチドンパチやってくれたわけ?
大して考えさせられる所もないんだからティーガー戦車との対決くらいもう少し丁寧に描いて欲しかったなあ。
それにしても後に何も残らない作品。残念でした。
感動はない、でももの凄く意味がある映画。
感動はない、でももの凄く意味がある映画。
アメリカがハリウッドが英雄ブラピを使って戦争には善も悪もない、ただ勝者と敗者があるのみ、双方が悪であると表現した映画。
先の大戦を描く最悪の映画『パール・ハーバー』の劣悪ぶりは語るべくもないが、最近の『リンカーン』然り彼らが描く戦争は『聖戦』。
この映画ではアメリカ軍人による民間女性・子供への容赦ない虐殺、敵国女性への蹂躙・〇姦、それを英雄ブラピが演じる意味。戦争とは人間を悲惨・異常なchaos(ケイオス)に陥らせるもの。
また歴史とは勝者が作り上げる勝手気ままな武勇伝。こういう映画が次々に出てこない限りアメリカ人は今後も女性・子供民間人への大量虐殺を続け、英雄・聖戦と語り継ぐ。
フィクションとしての『映画』の完成度は壮絶な戦闘シーンをはじめてこだわり抜いた本物の追求がもたらす臨場感は素晴らしい。
冒頭、『感動しない』と述べたのは最強ドイツ陸軍にアメリカ陸軍が5対300人で勝てるはずがない戦隊ヒーロー映画のようなパロディ感。
ただフィクションと思えば十分楽しめる映画でしょう。
全212件中、141~160件目を表示