「上司、先輩と触れ合う新入社員の一日」フューリー ゼリグさんの映画レビュー(感想・評価)
上司、先輩と触れ合う新入社員の一日
戦争映画ではあるものの、反戦的メッセージなどはそこまで重要に描こうとはしていないように思えました。
純粋に少年の成長と戦争アクションだけに重きを置いているんじゃないでしょうか。
宣伝や評価では、擬似親子のような関係性で描かれていると言われていますが、自分はどちらかと言うと「恐い係長に怒られ、意地悪な先輩にいじめられ、文句言いながら仕事覚えていく話」みたいだなと、要するに痛いほどノーマンの気持ちがわかりました(笑)
社畜的に感情移入してしまったので、実際クーンアスには最初物凄くムカつきましたね。
なんかよくわかんないうちに和解してましたけど、多分ノーマン心の中では超嫌ってますよ(笑)
それとは逆にウォーダディー係長の厳しいだけでなく、厳しい裏にもある「こいつには成長してほしい」という思いやりが感じられるシーンはグッと来ましたね。
難を言うならば、ノーマンどんだけ成長早いんだよってとこですかね。人撃つのあんだけ躊躇しといて、次のシークエンスではバンバン人殺してましたからね。
戦場という、やらなければやられるって状況だから仕方ないのかもしれませんが、順応早すぎだろと、お前どんだけ仕事できんだと、スピード出世すんのかと言いたくなりました。入社一日目なのにズルいわーって。
ていうか戦車の事おもいっきり「家」って言ってるし、監督は家族のように描きたかったと思うんで、この例え物凄く偏った見方ですけどね(笑)
いや成長の早さはどっちにしろ関係ないけども。
戦車アクションはけっこう迫力ありました。なんといってもあの要塞感、閉塞感が良いですね。潜水艦映画とか「エアーウルフ」に通じるものがあって個人的には凄く好きです。
ラストの展開とか実際の戦争でこんなことはありえないみたいな場面もありますけど、それは別にって感じです。
だって戦車とその乗組員をカッコ良く描きたいだけじゃん、この映画。
監督がやりたい事だけやってあとは知らんって、潔くていいと思うんですけどね。
だからフューリーの乗組員だけ死に様が綺麗すぎとか、お前生き残んのかよとか言わんといてあげよ(笑)
戦闘シーンは劇場で観る価値があった作品だと思います。