めぐり逢わせのお弁当のレビュー・感想・評価
全69件中、21~40件目を表示
【夫のために一生懸命毎日作るお弁当が一人の主婦に素敵な”出会い”を齎す。】
インドで広く利用されている実在の弁当配達システムの精度にビックリした。各家庭からお弁当が旦那さんの職場にほぼ間違いなく届くシステムは観ていて飽くことが無かった。(凄い、人力物流システムである・・。恐るべし、ダッバーワーラー。)
主婦イラの悩みは”忙しい”と言って、ろくに会話も交わさない封建的な夫。
そんな彼女に上の階に住むおばさんが”料理は愛を深める”というアドバイスと貰ったスパイスを隠し味に夫のためにお弁当を作る。
が、そのお弁当は精緻なお弁当配達システムの瑕疵により、別の男性に届く・・。
ここからの物語の展開が、派手さは無いが実に面白かった。(やや、じれったさもあり)
<インド映画の奥深さを感じたとともに、家人の作ってくれる料理を美味しく頂ける有難さと、きちんと感謝の言葉を(時々)口にしよう・・ と思いながら劇場を後にした作品。>
<2014年10月26日 劇場にて鑑賞>
お弁当箱いっぱいの出会い
インドには手作りお弁当を職場へ配達して貰う仕事があるらしい。
誤って別の人に配達され、その出会いから歌って、踊って…ではないインド映画。
資本にフランスとドイツが入ってるとは言え、超絶エンターテイメントのインド映画らしかぬ淡々と、しかしじっくり見れるヒューマン・ドラマ。
平凡な主婦イラ。
夫は仕事に忙殺で、夫婦仲は冷えきっている。
それでも夫に振り向いて貰えるようお弁当を作る。
そのお弁当が…
とある会社に勤める中年男性、サージャンに間違って届けられてしまう。
インド人女優は美人が多い。イラ役のニムラト・カウルも例外ではないが、やはり本作はサージャン役の、『スラムドッグ$ミリオネア』『ライフ・オブ・パイ』『ジュラシック・ワールド』など国際的に活躍するイルファン・カーンが素晴らしい。
演じたサージャンは、良く言えば真面目で物静か、悪く言えば面白味の無い男。お弁当が間違って配達された事を知ったイラは弁当に手紙を送付するが、その返信に「塩辛い」なんて書いて寄越す無愛想。
しかしその抑えた演技、男やもめの侘しさが絶品。
一見ロマンスグレー風ではあるが、枯れた具合が滲み出てる。
また、サージャンの後輩社員がちょっとウザくて面倒臭いが、人懐こい。
声だけのおばさんが言うまでもなくナイス助演。
弁当が間違って配達されている事を知ったのなら、その時点で配達人に伝えればいいのだが…
イラはまたお弁当を作り、それはサージャンに届き、綺麗に完食。
それがちょっと嬉しいって事もあるかもしれないが、弁当に手紙を送付しての文通が始まる。
自分に関心を示してくれない夫の事など寂しい胸の内を書くイラ。
サージャンもまた妻と死別して、今は独り身。
お互いの今の事、他愛無い事、自分の人生の思い出など書く内に、一度会う約束をする…。
結果的に言うと、二人は会わなかった。
イラは待ち合わせのカフェで待ち、サージャンもカフェに訪れたが…、声をかけなかった。
もどかしい!…なんて声が聞こえてきそうだが、これはこれでいいと思う。
二人が会って、お決まりのようにどんどん惹かれ合って、ブータンに旅行なんて行ったら、流行りの不倫映画になってしまう。本作の上品さが損なわれる。
イラは弁当配達人の情報から直接会社に会いに行くが、その時はもう…。
全く劇的でもない終わり方。
が、しみじみと余韻残る。
大人のラブストーリーと呼ぶまでには大人し過ぎるし、二人が直接会う事も無かったが、これは確かにお弁当の誤配から始まった“出会い”だった。
インド社会の現状も垣間見える。
あくせく働き、その一方…。
何か抱えた心の寂しさ、サージャンが家に帰って独りの食事など、インドも日本も同じなんだなぁ、と。
そういや暫く、手作りのお弁当なんて食べてないなぁ…。
大人の文通講座
サージャンが待ち合わせの場所に行かなかった理由を綴った手紙の表現に舌を巻いた。あんなふうに説明されたら、納得しない女性はいないでしょう。老いを迎えた男の切なさと理性が、誠意をもって伝わる手紙のお手本だった。決して交わることのない二人の俳優の、表情でニュアンスを伝える演技が素晴らしい。それと、あの弁当箱欲しい。
初めて観たインド映画
友人にすすめられて観ることに。
インド映画は今まで観たことなかったが、面白かった。
お弁当のシステムに驚く。異文化を知る楽しさも映画の良いところ。料理も美味しそうだった。
ストーリーは、大きな展開はないものの、ほんわか心が温まる。
もうひとつすすめられているインド映画も見てみようと思う。
大人のラブストーリー
舞台をインドにした、悩める現代の孤独な大人たちの純愛かな。最後に余韻を持たせているのはもどかしいけど、それも映画の可能性を広げているのかな。
ちゃんとハッピーエンドで終わる方がすっきりするけど、それだとこの映画が積み上げたたった二人の物語が安っぽくなるのかな。
間違った電車に乗っても、最後には正しい場所についていることもある、という孤児だった人の言葉は、悩める大人を勇気づけるなー。
インドのお弁当システムにびっくり!
インドのお弁当システムを初めて知りました!
大量のお弁当を間違えずに届けられるダッバーワラーという人達の技術に感心します(笑)
インド映画は初めて見ましたが、温かいお話で面白かったです。
もどかしい、でもそれがいい
インド映画らしからぬゆったりとした雰囲気、空気感が、たまらなくツボでした。
歌わない、踊らない、尺も2時間未満と、インド映画の定番とは真逆な作風で、どちらかと言えば欧州系の作品に近い内容でしたが、でもインドならではの風習がもたらした偶然から生まれたストーリーでしたので、インド映画っぽくはないけど強くインドを感じられる作品ではありましたよね。
とりあえず見たらインド料理を食べたくなること間違いなしでしょう!
しかし日本とは弁当のシステムが全く違っていて、軽いカルチャーショックを覚えました。
日本は朝の出勤時に弁当を持って行くのが定番ですが、インドでは温かい弁当を昼に食べる為、昼食時に合わせて家から弁当を配達してくれるシステムが定番なんですね。
劇中の四段重ねの弁当は、まさに本格インド料理そのもので、本当においしそうでしたし、これならランチの時間を楽しみに仕事頑張れそうですねぇ。
そんな弁当配達の誤配(600万個に1つの確率だとか)から生まれたラブストーリーは、まさにアナログな恋愛で、今の時代ありえないぐらいスローな展開でしたが、弁当の中に手紙を添えた文通と言うこの設定が逆に今の時代だからこそ新鮮で、思わず見入ってしまいましたし思いっきり感情移入させられてしまいました。
また相手役の早期退職間近の初老の男を演じた名優イルファン・カーンの演技が本当に味のある演技で、素晴らしかった!
退職間近にしてはちょっと見た目若くてイケメンで、現実ありえない話ですけど。
逆にKY後輩社員は現実にいますね(笑)
一方主役の夫に浮気され夫婦仲が冷え切った主婦を演じた女優さんのほんのりだけ美人感も、この作風にはピッタリで、いい意味でドキドキさせられました。
声だけの出演で圧倒的な存在感を示した上階に住むおばさんの存在もナイス助演でしたね。
結末はどっちなのか分からなくて作風同様もどかしさを感じましたが、こんな余韻も悪くはない、なかなかの秀作でした。
派手さはないが何ていい映画
弁当宅配に始まり、インド人のささやかな日常、仕事ぶり、車内、結婚、食事等々の文化をスパイスに、味のある男女の心のふれあい、機微を、素晴らしくインド風に描いた作品。インド大好きな私には全ての映像に目が釘付け。
インド映画?
踊らない、歌わない。
こんなインド映画は初めてです。
韓国の雰囲気を感じた映画です。
ストーリーはなんか、現代のどこにでもある日常でした。
夢のあるようでない話。
嫌いじゃありませんが、ふーん、な感じ。
切ない、日本人は共感すると思える
お弁当の誤配から始まった2人の関係
言葉を交わすのはお弁当の中の手紙のみ
SNSやメールでじゃんじゃん意思疎通が
可能な現代に埋もれてる私にはとても
羨ましくさえ思える関係性だった
それにしてもお弁当が美味しそうでした
あの旦那さんは馬鹿ですね 笑
ラストのこれからどうなるのか?って
余韻を残してエンドロールしてしまう
のもこれもありだなと頷いてしまう
しかし題名のハッピー感とは違う内容のよう
でハッピーエンドだといいなと1人思って
しまいました
質のいい素敵な映画です
お弁当が美味しそう♪
お弁当の配達とは 驚きました
日本では自分のお弁当は 自分で持っていきますから♪
その配達の手違いで 夫のところに届くはずのお弁当が
見知らぬ妻を亡くした50代の男性に届けられて・・・
お弁当を通して 2人の愛を描きながら
夫婦の関係や 親の介護問題など
インドでも 日本と同じような問題を
抱えているのだなと 感じました
ラストは 何ともいえない 切なく あっけなく
終ってしまいまして
ちょっと 物足りないですが ああいう終わり方もありでしょうね
しかし 彼女の作るお弁当は おいしそうで・・・
私も作ってもらって 届けてもらいたいです
おばさんのレシピ。
このタイトルからお弁当を介した男女のロマコメだろうと
勝手に想像していたら、洗練された大人の物語だった。
(ちなみに歌はあるが踊りはなく、ミュージカルでもない)
お弁当ブームは日本だけかと思っていたら違うらしい。
インドではダッバーワーラー(弁当配達人)という業者が
家庭で作りたてのお弁当を学校やオフィスに届けてくれる。
自転車やバイクに弁当を括りつけて運ぶ様子を見ていると、
これで誤配がないとは信じられないが、実際正確だそうだ。
主婦のイラは夫の愛情を取り戻そうと弁当作りに精を出す。
結婚したいならまず胃袋を掴め。なんて日本でも言うけど、
美味い料理を作れる女性は決して当たり前には存在しない。
先日観た「マダム・イン~」でもそうだったが、一昔前の
日本家庭を観ているようだった。専業主婦の妻が作る料理
など当たり前と見下し、家庭より仕事と愛人が第一の夫。
今作でもお役所仕事のリアルを巧く描いて、通勤電車内の
混雑ぶりや席の譲り合いなど本当に日本とソックリである。
これで親近感が湧かないはずがない。(煩い新人もGood!)
もう一人の主役が階上に住むイラのおばさん。この叔母は、
最初から最後まで声のみの登場で姿は一切見せない。が、
何たる存在感!弁当の具材や調理法、夫の気持ちをイラが
取り戻すまでのノウハウを煩いほど上からまくし立てる^^;
しかし叔母にも辛い現実がある。天井の扇風機を止めない
エピソードは涙線に効く。お節介やら勘違いやらが招いた
不思議なめぐり逢いとその後のエピソードなのだが、男側
から観てもおそらく共感度大。其々の立場で其々の考えを
汲み取りつつ、想像を膨らませるラストへ話は流れてゆく。
(お弁当が美味しそう。私はバナナとリンゴだけなんてやだよ)
間違った電車で正しい場所へ
何とも言えない余韻を残して、それでいて真理を突いてくるような、そんな感じに終わります。
こういうラストの映画は観る人の好きに解釈して良いと判断して居るので、私は正しい場所へ行けたんだと思うことにします。
それはブータンでも、ナーシクでも、ムンバイでも良いけど、イラとサージャンが、美味しい料理で笑顔になっていることを期待したい。
あの夫はダメだ。
しかしどーでもいいが、イルファン・カーンはジェフ・ゴールドブラムに、ナワーズッディーン・シッディーキはホアキン・フェニックスに似てる。
全69件中、21~40件目を表示