めぐり逢わせのお弁当のレビュー・感想・評価
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ダッバーワーラーすごすぎる
ムンバイの恐るべきお弁当配達システム(ダッバーワーラー)。
日本人からすると、むしろ、なんで狙ったところに届くのかが疑問だけど、誤配率0.00000625%というその奇跡のシステムで起きたまさかの誤配から生まれる物語。
映画として、ものすごくうまい。
夫の心が離れていくことに悩む女性と、妻に先立誰た男性。
どんな文化で生きてる人にでも共感できる設定だし、一切姿が映らない女性の家の上階に住む「おばさん」の存在も効いてる。
派手なシーンはないのに、計算されつくしてる感じ。
そして、インド映画なのに、踊らない!!
一切、まったく、完全に踊らない。
踊らないインド映画初めてだ。
寂しい現代人のSNS
今から40年も前のこと、
僕は高校の物理教室の机に落書きを始めた、
【ラブ♡DESK会】という“掲示板”だ。
小さな呟きに誰かが答え、誰かの悩みに誰かが答える。
美味しいかき氷のお店を紹介すれば、ごちそうさまが返ってくる。
いつもその席に座る他所のクラスの知らない誰かが、言葉を残す。その鉛筆文字のチャットは、驚きと共感と空想の中の友だちの語りかけだった。
1年間続いた愉快な落書き掲示板だった。
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「めぐり合わせのお弁当」
弁当箱に潜ませる小さなメモが、イラとサージャンの心の隙間を埋める。
人は、寂しさにふと話し相手を求める。
言葉を交わして思いを伝えたい相手を人は求める。
そして人はその相手からの返事をひたすら待っている。
SNS全盛の時代だ。
対話不在の人生に迷い、誰でも良いから宙に向かって投げた言葉に、見ず知らずの誰かが答えてくれる。
スマホが、誰かとつながった瞬間をチャイムで教えてくれる。心の中に希望のイルミネーションが灯る、
それがたまらなく嬉しい。
たとえそれが危険な匂いを放っていたとしても、野獣の罠であったとしても、
遠くの親戚より近くの他人を、寂しい現代人は受け入れてしまう。
SNSは、寂しさの時代の代償なのだ。
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・「人は時々、間違えた電車でも正しい場所に着く」
⇒孤児だと言う新人シャイクが、いないはずの母の教えを語る。
・「このレシピなら夫は必ず振り返る」
⇒階上のアンティはそう断言する。
・「弁当が間違うはずはない」
⇒配達人は全く耳を貸そうともしない。
正解と不正解を分かたずにインドを貫く悠久のガンジス、
そして母親が生きているのか死んでしまったのか、そこが曖昧であったとしても生死の境界が突き詰められることもない。命の輪廻に逆らわずに生きる、かようにして人間の世を処する住民たちのそんな生きざまがたくましい。
⇔ 返事をしない夫と暮らすよりも階上のおばさんやサージャンとの文通のほうがイラの心を支えてくれる。
生きた言葉が人を生かすのだ。
手紙の相手に会いたくなる男女、
「間違った電車云々」の言葉に俄然背中を押されてイラに会いに行こうとしたサージャンであったが
自らの放つ加齢臭に出鼻を挫かれて意気消沈してしまうあのシーンは、わかるなぁ。
言い様のない共感でした(笑)
イラに禁煙を勧められてベランダでタバコを我慢するサージャンも、可愛いんです。
恋です。
サージャン役のイルファン・カーンが4月日29に亡くなりましたね。
ブータンに旅立ってしまったイラと、冥土に旅立ってしまったサージャンは、いつか何処かで会えたのだろうか。
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3国共同制作。
ドイツは物語の精神性と骨格の確かさを、
フランスは会話の洒脱と不条理な結果を、
そしてインドは熱き人間への限りなき希望を。
それぞれの製作者が精魂込めて持ち寄るとこんなものが出来た。
とにかくこんなに内容の濃い映画って、あまりないと思う。
脚本・編集は超人的。
さらめし
【誤配達=600万個にひとつ】
良かったわー!
余韻を残すわぁーっ
ラストがね!
(なんともいえん感じの大人の映画)
(インドの日常も興味深い)
(変にドラマチックにしてないというか)
(あの図々しい部下の絡みも意味深やなぁ)
(うまいなぁー にくいなぁ、、 渋いってこと?)
そーいえば ずいぶんと 乗ってないなァ…電車。。
オチが残念
インド特有のお弁当文化を知ることができ、ストーリーも想像以上に複雑でありつつも難しすぎない程度でちょうど良く、笑いもあり、満足度が高かったのだが、ラストで結論投げ出されたために結局不完全燃焼。
惜しい
孤独な人と人を繋ぐ
私の偏見ですが、これまでインドに対してあまり繊細なイメージがなく、どちらかというと粗野な印象というか…ですが、この映画を観て印象が変わりました。
大都市で孤独を抱える2人が、お弁当の配達ミスをきっかけに心を通わせ、自分の小さな世界を少し広げていくそんな映画だと思います。
普段の生活でもありませんか?人から言われてはじめて気づく自分の良いところって。短い物差しで自分を測って自己嫌悪に陥ったり、孤独に思ったり。
誰かに認められるって大切ですよね。自信が持てたり物の見方を変えたりできると思うんです。
ハッピーエンドでスッキリ!ではないですが、観たあとなんだか私の心は満たされました。
他のインド映画にも興味を持てた映画です。
インドで広く利用されている実在の弁当配達システムを題材に、誤配送の...
インドで広く利用されている実在の弁当配達システムを題材に、誤配送の弁当がもたらした男女の偶然の出会いと心の触れ合いを描いたドラマ。
【夫のために一生懸命毎日作るお弁当が一人の主婦に素敵な”出会い”を齎す。】
インドで広く利用されている実在の弁当配達システムの精度にビックリした。各家庭からお弁当が旦那さんの職場にほぼ間違いなく届くシステムは観ていて飽くことが無かった。(凄い、人力物流システムである・・。恐るべし、ダッバーワーラー。)
主婦イラの悩みは”忙しい”と言って、ろくに会話も交わさない封建的な夫。
そんな彼女に上の階に住むおばさんが”料理は愛を深める”というアドバイスと貰ったスパイスを隠し味に夫のためにお弁当を作る。
が、そのお弁当は精緻なお弁当配達システムの瑕疵により、別の男性に届く・・。
ここからの物語の展開が、派手さは無いが実に面白かった。(やや、じれったさもあり)
<インド映画の奥深さを感じたとともに、家人の作ってくれる料理を美味しく頂ける有難さと、きちんと感謝の言葉を(時々)口にしよう・・ と思いながら劇場を後にした作品。>
<2014年10月26日 劇場にて鑑賞>
お弁当箱いっぱいの出会い
インドには手作りお弁当を職場へ配達して貰う仕事があるらしい。
誤って別の人に配達され、その出会いから歌って、踊って…ではないインド映画。
資本にフランスとドイツが入ってるとは言え、超絶エンターテイメントのインド映画らしかぬ淡々と、しかしじっくり見れるヒューマン・ドラマ。
平凡な主婦イラ。
夫は仕事に忙殺で、夫婦仲は冷えきっている。
それでも夫に振り向いて貰えるようお弁当を作る。
そのお弁当が…
とある会社に勤める中年男性、サージャンに間違って届けられてしまう。
インド人女優は美人が多い。イラ役のニムラト・カウルも例外ではないが、やはり本作はサージャン役の、『スラムドッグ$ミリオネア』『ライフ・オブ・パイ』『ジュラシック・ワールド』など国際的に活躍するイルファン・カーンが素晴らしい。
演じたサージャンは、良く言えば真面目で物静か、悪く言えば面白味の無い男。お弁当が間違って配達された事を知ったイラは弁当に手紙を送付するが、その返信に「塩辛い」なんて書いて寄越す無愛想。
しかしその抑えた演技、男やもめの侘しさが絶品。
一見ロマンスグレー風ではあるが、枯れた具合が滲み出てる。
また、サージャンの後輩社員がちょっとウザくて面倒臭いが、人懐こい。
声だけのおばさんが言うまでもなくナイス助演。
弁当が間違って配達されている事を知ったのなら、その時点で配達人に伝えればいいのだが…
イラはまたお弁当を作り、それはサージャンに届き、綺麗に完食。
それがちょっと嬉しいって事もあるかもしれないが、弁当に手紙を送付しての文通が始まる。
自分に関心を示してくれない夫の事など寂しい胸の内を書くイラ。
サージャンもまた妻と死別して、今は独り身。
お互いの今の事、他愛無い事、自分の人生の思い出など書く内に、一度会う約束をする…。
結果的に言うと、二人は会わなかった。
イラは待ち合わせのカフェで待ち、サージャンもカフェに訪れたが…、声をかけなかった。
もどかしい!…なんて声が聞こえてきそうだが、これはこれでいいと思う。
二人が会って、お決まりのようにどんどん惹かれ合って、ブータンに旅行なんて行ったら、流行りの不倫映画になってしまう。本作の上品さが損なわれる。
イラは弁当配達人の情報から直接会社に会いに行くが、その時はもう…。
全く劇的でもない終わり方。
が、しみじみと余韻残る。
大人のラブストーリーと呼ぶまでには大人し過ぎるし、二人が直接会う事も無かったが、これは確かにお弁当の誤配から始まった“出会い”だった。
インド社会の現状も垣間見える。
あくせく働き、その一方…。
何か抱えた心の寂しさ、サージャンが家に帰って独りの食事など、インドも日本も同じなんだなぁ、と。
そういや暫く、手作りのお弁当なんて食べてないなぁ…。
大人の文通講座
サージャンが待ち合わせの場所に行かなかった理由を綴った手紙の表現に舌を巻いた。あんなふうに説明されたら、納得しない女性はいないでしょう。老いを迎えた男の切なさと理性が、誠意をもって伝わる手紙のお手本だった。決して交わることのない二人の俳優の、表情でニュアンスを伝える演技が素晴らしい。それと、あの弁当箱欲しい。
あっけないおわり。
実話をもとにした映画だから、リアリティのある映画だけど、少し展開に物足りなさを感じた。
初めて観たインド映画
友人にすすめられて観ることに。
インド映画は今まで観たことなかったが、面白かった。
お弁当のシステムに驚く。異文化を知る楽しさも映画の良いところ。料理も美味しそうだった。
ストーリーは、大きな展開はないものの、ほんわか心が温まる。
もうひとつすすめられているインド映画も見てみようと思う。
間違えられたお弁当
悲しい
幸せ
この白黒をハッキリとつけない中途半端な終わり方は、ハリウッド映画じゃまず有り得ないことだ。
本作がインドとフランス・ドイツとの合作映画だったからなのか。
主婦イラの上の階に住むおばさんは声のみ、病床に臥す父親は遠目に見える姿だけ、そして文通相手のサージャンはイラの前にとんと姿を見せない。
とにかくイラと共に、視聴者も監督の意図的な演出により想像力を容赦なく鍛えられる。
それでも主役の心情を語るモノローグに頼りっぱなしのフランス映画よりは、なんぼかマシだろう。説明過多は脳の働きを衰退させるからね。
また、初めて見るインドの弁当配達システムに思わず我が目を疑ったが、汁物を一滴も漏らさない気密性の高い四段重ねの弁当箱にホントびっくりさせられた。ティフィンと呼ばれるインドの代表的な弁当箱らしいけど。
大人のラブストーリー
舞台をインドにした、悩める現代の孤独な大人たちの純愛かな。最後に余韻を持たせているのはもどかしいけど、それも映画の可能性を広げているのかな。
ちゃんとハッピーエンドで終わる方がすっきりするけど、それだとこの映画が積み上げたたった二人の物語が安っぽくなるのかな。
間違った電車に乗っても、最後には正しい場所についていることもある、という孤児だった人の言葉は、悩める大人を勇気づけるなー。
インドのお弁当システムにびっくり!
インドのお弁当システムを初めて知りました!
大量のお弁当を間違えずに届けられるダッバーワラーという人達の技術に感心します(笑)
インド映画は初めて見ましたが、温かいお話で面白かったです。
インドのお弁当宅配のシステムにまずビックリ、間違えない方が不思議だ。
インドのお弁当宅配のシステムにまずビックリ、間違えない方が不思議だ。
もどかしい、でもそれがいい
インド映画らしからぬゆったりとした雰囲気、空気感が、たまらなくツボでした。
歌わない、踊らない、尺も2時間未満と、インド映画の定番とは真逆な作風で、どちらかと言えば欧州系の作品に近い内容でしたが、でもインドならではの風習がもたらした偶然から生まれたストーリーでしたので、インド映画っぽくはないけど強くインドを感じられる作品ではありましたよね。
とりあえず見たらインド料理を食べたくなること間違いなしでしょう!
しかし日本とは弁当のシステムが全く違っていて、軽いカルチャーショックを覚えました。
日本は朝の出勤時に弁当を持って行くのが定番ですが、インドでは温かい弁当を昼に食べる為、昼食時に合わせて家から弁当を配達してくれるシステムが定番なんですね。
劇中の四段重ねの弁当は、まさに本格インド料理そのもので、本当においしそうでしたし、これならランチの時間を楽しみに仕事頑張れそうですねぇ。
そんな弁当配達の誤配(600万個に1つの確率だとか)から生まれたラブストーリーは、まさにアナログな恋愛で、今の時代ありえないぐらいスローな展開でしたが、弁当の中に手紙を添えた文通と言うこの設定が逆に今の時代だからこそ新鮮で、思わず見入ってしまいましたし思いっきり感情移入させられてしまいました。
また相手役の早期退職間近の初老の男を演じた名優イルファン・カーンの演技が本当に味のある演技で、素晴らしかった!
退職間近にしてはちょっと見た目若くてイケメンで、現実ありえない話ですけど。
逆にKY後輩社員は現実にいますね(笑)
一方主役の夫に浮気され夫婦仲が冷え切った主婦を演じた女優さんのほんのりだけ美人感も、この作風にはピッタリで、いい意味でドキドキさせられました。
声だけの出演で圧倒的な存在感を示した上階に住むおばさんの存在もナイス助演でしたね。
結末はどっちなのか分からなくて作風同様もどかしさを感じましたが、こんな余韻も悪くはない、なかなかの秀作でした。
これは、久々に え〜!ここで終わるの? って、終わってほしくない映...
これは、久々に
え〜!ここで終わるの?
って、終わってほしくない映画でした。
そのラストも良かったのかな。
心が疲れた時にオススメ。
派手さはないが何ていい映画
弁当宅配に始まり、インド人のささやかな日常、仕事ぶり、車内、結婚、食事等々の文化をスパイスに、味のある男女の心のふれあい、機微を、素晴らしくインド風に描いた作品。インド大好きな私には全ての映像に目が釘付け。
めぐり逢わせのお弁当
サージャンとイラの日常がお弁当箱の文通を通じて交差する、もどかしく、寂しく、穏やかに進んでいくストーリー。
典型的なインド映画のように華やかな歌や踊りはありません。
ヨーロッパ的すぎるインド映画 歌わないし踊らない 大人なラブストーリー
ヨーロッパ的すぎるインド映画
歌わないし踊らない
大人なラブストーリー
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