朽ちた手押し車
劇場公開日 2014年5月3日
解説
2013年に他界した名優・三國連太郎の主演で1984年に製作され、認知症の老父と末期患者の老母を抱えた家族の苦悩を描き、高齢化社会や尊厳死、安楽死といった問題をえぐり出した作品。昭和57年、新潟県・親不知海岸。老人特有の痴呆がはじまっていた元漁師の安田源吾は、毎夜のように徘徊を繰り返していた。息子夫婦はそんな父に加え、不治の病で死を待つだけの母の「殺してくれ」という悲痛な声に悩まされ、安らげる時がなかった。三國の主演作で唯一劇場未公開だった幻の作品で、「お蔵出し映画祭2013」でグランプリを獲得。製作から30年を経た2014年に劇場公開が実現。
1984年製作/134分/日本
配給:アークエンタテインメント
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2020年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
1984年に製作されたものの地味すぎてお蔵入りになってしまい、2013年のお蔵出し映画祭で発掘上映され、グランプリを獲得、2014年に公開された作品。新潟県でも富山県の隣にある漁村で、訛りは富山弁のように聞こえた。海の見える親不知駅が出てくる。
漁師の安田忠雄(田村)、妻のみつ(長山)、認知症が進んでいる源吾(三国)とその妻トミ(初井言榮)、中学生の信子が平穏に暮らしていた。認知症の度合いとしても、どこでも小便したり、海に向かって徘徊したりと、かなり重度。ボロボロになった手押し車を押すトミとは仲良く散歩したりするが、家に帰れば絶えず腹が減ったと飯を食らう状況だ。そんな折、次男の弘(誠直也)が東京から帰ってくる。彼は以前に帰省したときに妻と息子をボートが転覆した事故で亡くしているという辛い過去があった。
てっきり認知症と介護のドラマかと思っていたら、急展開。トミが難病のため倒れ、余命半年の宣告を受けるのだった。治療法の無い難病。痛みを和らげる緩和ケアを続けて、死ぬのを待つしかないという状態だ。ここからは安楽死をテーマとしてストーリーが進む。
家族それぞれの葛藤。なにしろ認知症と安楽死という重いテーマがずしりと響く。核家族でなければどこの家庭にも起こりうる事態だ。描き方が淡々としているため、起伏には乏しいものの、色々考えさせてくれる作品だった。
2019年12月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
認知症の老人を演じた三國蓮太郎の演技と特殊メイクが凄かった。長山藍子の演技も良かった。クワの使い方はいまいちだったけれど笑
介護や尊厳死といった社会派のテーマが興味深く、ストーリーの前半の流れは悪くなかった。しかし後半はペースダウン。テンポがやたらとゆっくりで眠たくなった。クライマックスの「ここが泣き所だよ」とゴリ押ししてくるような露骨なお涙目頂戴感も嫌だった。
2014年5月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
認知症の行動や妻の病気の苦しみが続くので、しかも症状だけなので長く感じます。
テーマが分散しちゃったかな。
親を大事にする心が、今とはちょっと違う。
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