ビッグ・アイズのレビュー・感想・評価
全116件中、81~100件目を表示
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ
実在の事件に対する視点や表現がとてもイケメンな映画でした。
「シザーハンズ」しか見たこと無いくせに心のどこかで
ティム・バートンはオタクなので女性を必要以上にいじめたり
適当に描く監督に違いないと勝手に思い込んでいた私ですが、
大ハズレでした。
誤解してました本当にすみません。
冒頭の住宅街や自然の景色などに顕著な、
見たことがあるようで計算された感が強い映像。
その中でとても丁寧に、ヒロインが真綿でジワジワと締め付けられるように
追い詰められていく過程が描かれます。
中には色々な問題が含まれていて…
男性優位のこの社会での女性の生きづらさ。
シングルマザーに対する世間の風当り。
夫婦間のモラルハラスメント。
クリエイターの口下手問題。
芸術とは何か?
表現とは何か?
これらの要素が複雑にからまり蓄積されて苦しめられるわけですが、
ヒロインが視覚的に追い詰められるシーンは終盤の一シーンのみです。
それに至るまでの(視覚的には)地味ぃーな悲しみや苦しみ、寂しさを
ちゃんと丁寧に描いてくれている。
特に女性の真綿でジワジワ締め付けられるような生きづらさを
男性の監督がこんなに繊細に拾ってくれるなんて
心底驚きです。
その心意気がイケメンです。
絵のインパクトが凄いですから、
逆にゴテゴテの過剰演出も可能な題材だったはずですが、
そういったシーンが無いのも絵への敬意を感じて
ステキだと思いましたし…
ヒロインに対する視点も過剰に肩入れせず、
だけど優しく背中を押してくれる感じが実にスマート!
なんかやっぱりイケメンです。
前述したように計算された感の強い映像も
観客をおもてなししてる感が強くてそこもまたイケメンです。
うっかり画像検索した監督が
半ば本気でイケメンに見えてきてしまい、
今ちょっとうろたえています。
あとあと、
主演のエイミー・アダムスの演技がすんばらしいです。
美人なのに絶世の美女でも、もんの凄く可愛いわけでも無いところもいい。
でもそこらへんにいそうかと言われるとあんな美人いないと思わせる感じもいい。
絶妙な距離感で感情移入できちゃうんです。
久しぶりのデートではにかむ姿。
絵を描いてる時の消耗して疲れきっているのに目は真剣な感じ。
(クリエイターあるあるw)
一番はなんといっても絶好の名乗る機会で言い出せないあの表情!
(これもクリエイターあるあるw)
実に生々しい。
なのに美しい。
改めて役者さんって凄いなあと思いました。
この映画を見て改めて、勇気を持って言いたいことは言える人になろう、
と思いました。
力はあっても口で言えないといいように搾取されてしまうのが現実ですから。
世界は生きづらいけど頑張ろうと思える、そんな映画でした。
少なくともこんなイケメンな物事の捉え方が出来る人もいるんだから、
勇気を持とうって思えました!
あとシングルマザーへの風当りは今の日本も同じですねw
映画と関係無いですけど
安藤美姫がシングルマザーになって以来マスコミやネットで叩かれ放題なのを
思い出してしまいました。
特に女性が叩いているのを見るとげんなりします。
シングルマザーって女性なら誰でも成りうる立場なんですが…
マスコミゴリ押しの某スケーターに対するヒール役設定で
叩いてるんでしょうけど
生まれた命の是非を問い、シングルマザーであることをきっかけに
嬉々として集団で叩くなんてどうかしてますよ。
みんなティム・バートンみたいに心のイケメンになろうよ!
と思いますね。
女性の場合はイケジョ?
なんか明らかにイケメンに対して語感悪いですね。
まあとにかくみんなもっと思いやりと想像力持って! お願い!
って思いますね。
話がだいぶそれてしまいましたが、
心のありかたについて考えさせられる良い映画でした!
心がイケメンな映画です!
ゴースト
やはりフィクションものは、 とてつもなく強い力をもっている。
美大時代から、キーン夫妻のことは知っていた。
しかしこんなにも、
理不尽で滑稽なストーリがあったなんて!
実写を撮らせても、さすがのティムバートン。
こういうストーリーは
観客を味方に付けて悪者を徹底的に悪く描きがちだけど、
切なく哀れに描くことで
見事なバランスをとっているのには感心した。
いやいや
マーガレットだって、悪いとこあるじゃんって、
思ってしまったほどだ。(男だからかも)
ティムの世界観は、健在。
オープニングのカラフルで美しい映像から、
全編にわたってアートディレクションはこだわりぬいている。
50年代から始まる、
街並みやファッションやクルマのディテールも完璧で、
それだけでも充分楽しめる。
そしてエンドロールの写真は、
この作品をいっそう感銘深いものにしていた。
もちろん2時間足らずで全てを説明はできないから、
ツジツマは少し置き去りにされるけど。
やはりフィクションものは、
とてつもなく強い力をもっている。
今のところ、今年のフェイバリットです。
嘘はダメ。
テーマの扱いがフェアで良かったです。
善悪の目。
日本もつい先日まで、ゴーストだの嘘つきだのが席巻していたが、
(気付けばドラマでもやっている)こういった関係、とりわけ今作の
場合は夫婦になるので、本当のところは当事者にしか分からない。
お互いの合意の元で長らく活動していたとなれば、同罪だと思うん
だけど、片方が搾取に染まったり、片方に野心が芽生えたりすれば
いつか自ずと壊れていくに違いない関係だと思う。
だからどちらかが善でどちらかが悪というわけではなく、どちらも
嘘つきです!ってことで制裁を受ければいいんじゃないの?と思う。
そんな視点からバートンは、善悪両面をユーモア全開で描いている。
どう見てもヴァルツ夫は饒舌極まりないインチキ男に違いないが、
アダムス妻だって相当性質が悪い。男運がないうえ、決断力もない。
自分で売り捌く自信がないから男に頼ったところも大きい。そういう
時代だったから仕方ないとはいえ、云わずしての言い訳に過ぎず、と
イジワルな私などは思ってしまうのだ。散々稼ぎまくって豪邸に住み、
娘にすら仕事部屋を見せず騙していたとは。開口一番「バレてるわよ」
に大笑いしてしまった。娘には母親の弱さがちゃんと見えていたのだ。
狡猾な夫になぜ10年も仕えていたのかが疑問だが、これではダメだと
やっと重い腰を上げて逃亡した母娘が真相を告白し、裁判へなだれ込む
のが後半の見せ場。語り口はスムーズでファンタジーめいた箇所もない
(一か所だけあるけど、あれこそバートン節)作品になっているけど、
大きな目に秘められた現実が彼を惹きつけたことだけは間違いない。
(この目が団体で並んでいると更に怖い。見物するならカネをくれ!?)
やっぱクリストフ・ヴァルツはサイコー!
芸術家は孤高だ。
絵の作者をめぐるトラブルは、いったん起こると泥沼化するようだ。
本作は実話の映画化で、主人公のマーガレットは現在も存命で、エイミー・アダムスとのツーショットがエンドクレジットのときに出てくる。
絵のフリーマーケットのような場でウォルター(クリストフ・ヴァルツ)と出会ったマーガレット(エイミー・アダムス)は、すぐさま恋におち、しかも速攻で結婚する。
同じ芸術家と思っていたのに、ウォルターは絵を売ることに長けていて、芸術家の繊細さは持ち合わせていなかった。
そして、ウォルターは画家でさえなかった。
ひどい男だが、実際のウォルターは既に亡く、死人に口なしの状態で映画化したところに、少しだけ釈然としないものを感じる。
これがティム・バートン監督作。らしさは感じないが、この物語にひかれた彼の思いは込められている気がした。
芸術家は孤独なのかもしれない。
ウォルターって詐欺師みたいなもんじゃん!
うーん、可も無く、不可も無く…
もっと早く2人に絵をかかせればよかったのに
言葉巧みな人って得ですよね~
ある程度までごまかせるから・・・
でも騙すのは良くないです。
あそこまでがめつく金を稼ごうなんて。
しかも未だに認めてないという、ヒドイ男です。
裁判ももっと早く2人に絵をかかせればよかったのに。
それにしてもマーガレットは3回も結婚したんですね、すごいわ。
創作意欲が沸く映画でした。
私も趣味で絵を描いてますが、最近は全く描いてませんでした。
この映画で、名前表記と絵のタッチを変えてまで絵を描いているマーガレットの姿を見てまた描きたいと思いました。
冒頭の住宅街のシーンはシザーハンズの街に似てると思いました。
サンフランシスコの街並み、車が素敵でした。
マーガレットの友人ディーアンが、晴れ渡った空なのにいつも真っ黒な服装で、暑そうだったけど、美人で、いつもマーガレットの味方でいてくれて、化粧がティム・バートンっぽくて良かったです。
マーガレットの娘役も、幼少期、思春期ともに可愛かったです。リリー・コールに似てると思いました。
裁判で、夫婦に同時に絵を描かせるシーンはわくわくしました。
あのままハワイに住めばいいのに〜とは思いました。
あと、奈良美智の絵は日本版ビッグ・アイズって感じがするな〜と思いました。
何かが足りない・・・。
非常に判りやすい映画です。クリストフ・ヴァルツ扮する夫の画家がエイミー・アダムス扮する妻の画家が描いた作品を自分の作品であると喧伝し、一時的に有名人とはなったものの、最後には嫌気がさした妻から告発され、破滅していく過程を描写した映画なのです。最大の見せ場は法廷でクリストフ・ヴァルツが被告と証人の一人二役という芝居を打って出て、見事に自滅していくところでしょう。しかし、何かが物足りないのです。クリストフ・ヴァルツの壊れ方が何とも予定調和的なのです。描き方が大人しいのです。いつものティム・バートンのように破目を外したところがないのです。もしかして、この映画を撮っているときティム・バートンは体調が優れなかったのかもしれません。映画からエネルギーが発散されていないのです。
そうは言っても大きな目の子供を描いた夥しい絵画はなかなか、素晴らしいものがありました。
何かが足りない・・・。この「何か」が何であるのかはティム・バートン自身が一番、良く知っている筈なのですが・・・。
美人コンテスト
皆さんは株式投資の世界での『美人コンテスト』ってご存知でしょうか?「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も高い女性に投票した人達に賞品を与える投票」、この場合「投票者は自分自身が美人と思う人へ投票するのではなく、平均的に美人と思われる人へ投票するようになる」という結果になる理論。
Artの世界もまさにその通り。ご存知の通り、私ごときがモネを批判したり、ミレーの『種撒く人』を薄汚い絵と。Artは実は美人コンテストに左右されてきた世界。そういう矛盾を滑稽にかつ巧妙に描いた作品。そしてティム・バートンを天才と感じた作品、ユーモラスも溢れるこの作品、絵が好きな人にはとくにお勧めです。
ティム・バートンも「普通」の映画を撮る
実話は難しいかな
全116件中、81~100件目を表示