眠れる美女の限界

劇場公開日:

解説・あらすじ

映画祭やYouTubeで多数の作品を発表している大阪芸術大学映像学科在学の新鋭・二宮健監督が、売れない女優が現実と妄想、生と死を往来し続ける姿を描いた。30歳を目前にして一向に芽の出ない女優アキは、マジシャンの助手をして生計を立てていた。女優として大成できない現実や先の見えない未来に絶望したアキは、毎日マジシャンの催眠術にかかったふりをするうちに、次第に現実と妄想の区別がつかなくなり……。二宮監督の初の劇場公開作品として、「大童貞の大冒険 ADVENTURE of a CHERRYBOY」(2012)と2本立てで上映。

2013年製作/43分/日本
劇場公開日:2014年3月15日

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映画レビュー

3.0これが22歳の監督作品!?

2025年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 後に『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』としてセルフリメイクされている元の作品であるが、むしろ若さ故の精力的な今作のほうが優れている気がする(とは言え、リメイク作品は観ていない)。主人公の年齢にしても大学生が描くには難しいはずなのに、人生のどん底にいる29歳の売れない女優が見事に表現されていた。

 小学生の演劇『ハムレット』でオフィーリアを演じたのが絶頂期だったと自虐的に告白するオリアアキ。自堕落な生活を送り、行きずりの男と寝て、将来を誓う相手もいない。ただ、小学生のときに父親を事故で亡くし、その父から女優の夢を選ばされたという人生。催眠術で眠っている間に過去の男たちに蔑まれて、それでも「生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ」という言葉で生きることを選ぶ。なんと言っても主演女優の小林夏子が魅力的すぎるので、ついつい凝視してしまった。

 デジタル映像になってからは高いフィルム代を気にすることもなく自由な編集が可能になった今の時代。しかし、アート作品、コメディ、そしてAVなど多くの映像に触れていたことが窺えるほど映画に詳しそうだ。ただ、二宮健監督のその後の作品を観ても似たような部分が多く、脱皮してさらなる成長を期待するしかない。

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kossy

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