「やっぱりレビュー丸飲みしちゃダメですね」パッセンジャー うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりレビュー丸飲みしちゃダメですね
クリス・プラットが断然いい。
表情だけでこれほど演技できる俳優だったなんて、いい意味で予想外でした。
「ガーディアン---」「マグニフィセント・セブン」くらいでしか、彼を見たことがなかったのですが、いちばん共感できる、等身大に近い人間を演じているのではないかと思います。
ジェニファー・ローレンスも、いつの間にこんな美人になったのか。「X-MEN」「ハンガーゲーム」「世界にひとつのプレイブック」「それでも、愛してる」くらいですが、全部違うキャラクターを出していて、今回がいちばん感情のふり幅の大きい演技ではないでしょうか。
そして、ストーリーが良くできていて、誰もが自分の身に置き換えて考えられる近しさでありながら、コールドスリープを設定で生かしていて、古典のSFでさんざん語られてきた題材を、見事に現代風にアレンジしてあります。
お話の飛躍や、ツジツマが気になる人は、なるでしょうが、映画とはかくあるべし。そう思わせてくれるいい作品でした。
宇宙空間で繰り広げられるドラマは純然たるラブ・ストーリーで、SFの形をしたおとぎ話です。それからちょっと泣けます。
それほど話題にもなっておらず、レビューの評価はやや低め。その割にはかなり良くできているので、デートムービーの掘り出し物です。私は一人でしたがWW
以下はネタバレですのでご注意を!!!
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ラストをもう少し何とかしてほしかった…
せめて、二人の子孫が船内でたくましく生き延びている様子だったり、なんらかの発展的未来を見せて欲しかった。
あえて詳しく描かないことで、想像の余地を残したのでしょうが、オーロラが再びコールドスリープに戻った、もしくはジムと共に生きる人生を選択した、どっちともとれるので、気になってしょうがない。
それから、飛び立ってすぐに事故を起こしている宇宙船が、その後も無事に航行を続けられたなんて、にわかには信じられない。まあ、ジムが生きている間は「寝ずの番」として、安全に航行できるよう目を光らせたでしょうが、本来ならあれほど利口な人工知能が、何の手も打たずになすがまま…なワケは無いでしょう。
前半で、ジムが送信した地球への救援要請。これがなんとなく重要な伏線になるような気がしたのですが、その後回収されずじまい。それから、オーロラがのこしたインタビューとか、体験手記とかにラストで軽く触れられていますが、そこをもうひとひねりすれば、後世まで語り継がれる傑作SF映画になり得たのではないかと思いました。実にもったいない。