劇場公開日 2017年3月24日

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「~「人は皆、運命という船の乗客にすぎない。」~」パッセンジャー 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0~「人は皆、運命という船の乗客にすぎない。」~

2017年4月6日
PCから投稿

悲しい

興奮

知的

【賛否両論チェック】
賛:広大な宇宙で孤独な運命を背負ってしまった1人の男と、そんな彼と出逢ったヒロインとの、不思議と切ない物語が印象的。荘厳なスケールでの世界観も見事。
否:後半に進むにつれて、宇宙特有の難解な理論が出てくるので、何が起きたのか分からずに進んでしまうシーンも多い。

 広大な宇宙でたった独り目覚めてしまい、そのまま船内で生涯を終えるという過酷な運命を背負わされてしまったジムと、そんな彼に運命を狂わされてしまったオーロラ。2人の孤独な運命が交錯した時、そこには不思議な切なさが漂います。人間は独りでは生きられない、そんな当たり前のことが、こんな特異なシチュエーションだからこそ、ひしひしと伝わってくるようです。
 宇宙ならではの美しくて壮大な描写も満載で圧倒されますが、同時に難解な理屈も結構登場するので、正直よく分からないまま進んでしまうところもありそうです。
 とはいえ、極限状態での愛の形にグッとくることは間違いない、そんな作品です。

映画コーディネーター・門倉カド