「正月から涙腺がユルユルニなってしまった」海難1890 tzneo2012さんの映画レビュー(感想・評価)
正月から涙腺がユルユルニなってしまった
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明治編、昭和編共に日本とトルコとの助け合いの実話を元にした作品ということでしたが、当然エンターテイメントとして脚色を加えてあるわけで、それを承知で見ないとそんな都合のよい話はホンマかいな?ってことになりそうな危うさがありますが、結構涙腺が緩んでタラ~っと涙が零れ落ちる感動は清々しかった。
違和感のあった点として、明治中期に都合よく貧しい漁村にネイティブ風の発音の英会話ができる医師がいて、しかも友人が海軍さん。
気丈な紀州の女が、許嫁を海難事故で亡くして失語症になるのだろうかとか、貧しい村のはずなのに遊郭があり、そこでどんちゃん騒ぎしてるし、小さい村のはずなのに業突張りの医者もいる。
昭和編でも都合よく若い日本人学校の教師がトルコ大使館員と巡り合うのかとか、突っ込み入れたら枚挙にいとわない。
とどめはいつもはエンドロールが始まるとそそくさと退出するのを何かまだ有りそうだと最後まで見ていたら、エンドロールが終わったところで、見慣れぬ紋章みたいなものが移った直後に何とエルドアン大統領のメッセージが出てきたのはびっくりした。
昔の友好的な良い話がなんだか政治的な話になってるし!
昭和編で日本の自衛隊が救援機が出せないと何度もアピールしていたのは昨年の安保改正を睨んでの発言かとも勘ぐってしまい、折角の美談を政治利用しているような雰囲気がプンプンします。
でも、確かに当事者としてみれば危険を顧みず自国民の救出を願うことに応えられなかった日本政府に憤りを感じていたことも事実なんだろうなとも思いました。
批判的なことばかり書きましたが、涙腺刺激度もそこそこあっていい映画だったと思います。
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