紙の月のレビュー・感想・評価
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宮沢りえのための映画
主人公梨花がなぜ犯罪に手を染めたのか、共感するのは難しい。
しかし、ラストの梨花が放つ一言、そのシーンだけでも観る価値はある映画。
犯罪する女性の本当は寒さを感じられて
犯罪映画なのに凶悪さはあまり感じられなかった。悪いことをしている人には独特のフェロモンのようなものがあると思う、この映画で宮沢りえさん演じる梨花が、女性としてどんどんきれいになっていく姿がすごく印象的でした。梨花の場合はそれに加えてと年下の男性との出会いによって分泌された女性フェロモンみたいなのもあるがどんどん出来ていく。光太を演じる池松壮亮さんは、声が魅力的。すごく甘えた喋り方をするん母性を探しているですよね。ああいう喋り方をされたら弱い、年上の女性は多い動作んじゃないかなと思いました。梨花のほかに、小林聡美さん演じる厳格なベテラン事務員・隅と、大島優子さん演じる若くてちゃっかりした窓口係・相川が登場。三人の女性それぞれそして、この三人の女性同士ならではの関係性をがあると想いました 大島優子さんが演じる相川は、小悪魔的というか処世術にたけているという感じ。誰とでも表面的につきあって、本心を見せないような気がします。 小林聡美さん演じるベテラン事務員は、厳しくて、梨花と対峙する場面では、ふとした言葉からふたりの間に親近感みたいなものが生まれてい気まずいきます。惚れて本当に欲しい淋しいさを埋めたのはお金なのかも知れないと想いました
届かない月がいちばん綺麗
監督の前作『桐島、部活やめるってよ』は未見。
観なきゃ!と思うとなかなか観出せないという
悪いクセが出ております。
ともあれ本作『紙の月』。
保険セールスの女が起こした巨額横領事件の顛末。
冷たく緊張感ある映像とテンポの良い語り口で
最後までダレずに観られました。
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まずは主演の宮沢りえについて。
そもそもこの方の出ている作品をあまり観ていない
自分なのだが、儚げな見た目と大胆不敵な言動の
ギャップが怖面白かった。
最初の犯行時は目を泳がせっぱなしだった主人公が、
後半ではまるでルーチンをこなすかの如く、
眉ひとつ動かさずに犯行を進める。さらには弱々しい
表情を浮かべたまま脅迫の言葉さえ口にするようになる。
ひええ。
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彼女の犯行のきっかけは一体何だったのか。
自分を見てくれない夫への不満?
根深く残っていたキリスト教的献身の精神?
犯行を誘発するような要素はいくつもあったが、
どれも根本的なものには思えなかった。
僕には、彼女は弱者を救う金の力、そして
それを思うまま行使できる自分の力に
酔い知れているように見えたし、同時に
他人に求められることに心底飢えているようにも見えた。
最後の顔に傷のある男と出会うシーンもそう。
あの男はかつてお金を寄付していた少年と同じ人物
では無かったかもしれない。けど彼女は、「自分の
行いで救われた人がいる」と信じたかったんだと思う。
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印象的に使われていた讃美歌『あめのみつかいの』。
彼女は誰かの “恵みの御子”として
認められたかったんだろうか。
自分は誰かにとって必要なのだという
実感が欲しかったんだろうか。
人の幸福を食い潰してまで自分の幸福を味わっていた
彼女に同情する余地は一片も無いはずなのだけれど、
それでもシンパシーを感じてしまったのは
そんな感じを受けたからかもしれない。
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他のキャストもグッド。
意志が弱く、ぬるま湯のような環境を与えられて
ずるずると堕落していく池松壮亮も、
『社会の一員』という意識が薄く、
言動もフットワークも軽い大島優子も、
なんだか生っぽい役柄で良かった。
だが圧倒的に良かったのは小林聡美。
“タガ”が完全に外れた主人公に対し、
彼女の倫理は鉄のように揺るぎない。
「徹夜くらいしかやりたいことが浮かばなかった」
と語った彼女。彼女は『無欲』と呼ぶよりは、
社会常識にあまりに強固に縛られているため、
あらゆる行動を自分の中で制限してしまっている
人間なんだと思う。
タガが外れた女と、タガを外せない女。
手前勝手に生き、他人様の恨みを買って世を追われるか。
歯車のように生き、無味乾燥な日々を送り続けるか。
ちょっと極端ではあるが面白い対比。
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人の欲は底無しで決して充たされることがなく、
一度タガが外れたらブレーキをかけるのは難しい。
だからといって私欲を全く無視するのもあまり生きている
感じがしないワケで、その辺りの匙加減が難しいのが
これこの人生。
幸福に生きるということの難しさを感じる映画だった。
綺麗な月も眺めている内が華。手が届いたらただの石ころだもの。
今よりも大きな幸福に憧れている頃がいちばん幸福、
という場合もあるのかねえ。
<2014.11.06鑑賞>
人の金使い込むんだから、それなりの同情をさせてくれよ
その手には身をすくめてしまうけれど
評価が難しい
私は好きかも
映画批評では賛否両論ですが、女性目線で見たら共感出来る部分があると思うんで、私的には好きだなぁ〜。
ストーリーは現実的にありうる内容で進行するのに、現実離れした漫画のオチのようなラストは私的には通快でしたよ、全力疾走って…(笑)
さすが!!
不快だった…
多分完成度の高い良い出来の映画なんでしょうが、不快だった。
よかったのは、小林聡美の頑なで誠実な行員姿。小林聡美が居なけりゃわかば銀行の人たち下衆しか目立たないから。
あとはりかさんの最初のラブホでちらっと見えたおばさんくさいフルカップのベージュブラと、ラブホの真っ赤な光に染まった池松壮亮のお尻かなぁ。
宮沢りえの膝下が長いし細いで見とれてしまった。
94年95年感は洋服とかからはわからなかったなぁ。あの頃のOLってもっとリップライン濃いブラウンとかじゃなかったかと…マックくらいか。
りかが夫に軽んじられていて仕事に生きがいを見いだそうというのはわかる。うん。
でも勧められるがままに化粧品を買って、手持ちが足りなくて顧客の金に手をつけたことにドン引きしてしまって。誰かと話がしたくて、お願いを聞きたくてとかなんかなぁ。あれを手持ちがないからもう少し減らしてって言えない理由がわからなくて。
あぁ、りかさんには寄り添えないわと思いました。ここでりかさんに感情移入ができなくなり、、、なので結構苦痛でした。
ええかっこしたかったんかなぁ。
変身願望?
池松くんがりかさんに惹かれた理由もわからない。たしかに宮沢りえは綺麗やけど、地味な行員姿に通りすがりでときめく?しかも始めは金蔓にしてたわけでなし。
恋なのか不倫なのかゲームなのかよくわからない2人の散財が、もう不愉快で…さっさとばれろーという感じでした。
ラストの窓ガラスがっちゃーんからのりかさん疾走!はちょっとだけスカッとしたけど。
二階からパンプスで飛び降りてよく怪我せず走れるなぁともおもったり。
小林聡美はコトが済んだのちに同じ会議室で窓ガラスに意味ありげな視線を送ってましたがなんだったんでしょう。
こんなにりかさんにイライラするのは同族嫌悪なんでしょうか?横領してないし、勧められても買わずに断れるけど、一歩間違えたら自分もああなりそうで怖いのかなぁ。
石橋蓮司が色仕掛けに引っかからなくて安心しました。あそこで判断をまちがわないから彼はお金をもってるんですよね。
相川さんも大概やなかんじでした。
ズドーンっと心に来た
吉田大八、恐るべし…
大半の人も同じであろう、僕も『桐島〜』で吉田大八監督を知った一人。ある程度期待はしていたけど、やっぱり『桐島〜』はまぐれじゃなかったんだなあと痛感。
宮沢りえ、池松壮亮、小林聡美、田辺誠一、そしてその中で決して演技が上手いとは言えない大島優子もそれぞれの役の中で完璧な役割を果たしています。特に大島優子は本当に「ハマってんなあ」と思いながら観てました。池松君が心底羨ましいです。
音楽やスローモーションの演出も的確に使ってきますよね。梨花が超えてはならないラインを超える時に特に冴え渡っています。
特にこの映画で印象的だったのは「問題を先延ばしにしようとする姿勢」です。梨花は悪いことをしていて、自覚もあるんだけど、引き返さない。話を切り出そうとはするんだけど、話をそらす。そういうのがある度にこっちは「いいぞいいぞ」とニヤついてしまうのです。これ、もしかして日本人でしか撮れない映画だったのでは?
昔、哲学者のカントは「自らが定めたルールに従って生きることこそが真の自由である」と(いうようなことを)言ったそうです。お金は所詮他人が決めたルールですから、この作品である人物が言うようにそれでは自由にはなれないのかもしれません。そのことを知らしめられた上で見る、梨花に肯定的なラストシーンにはなんとも言えない感慨がありました。金に溺れた者の話としてありがちな着地ではありますが、語り口の見事さにやられてそういうことは全く気にならなかったです。おしまい!
女優さん達がネコに見えたました?
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